自治体の官製ワーキングプア23万人増、正規公務員30万人減(2005-2016)、非正規職員の4分の3は女性なのに産前産後休暇なしなど「マタハラを制度化」している自治体も

  • 2016/9/14
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共同通信の配信記事です。

 

自治体の非正規職員64万人
4万人増、全体の2割に
共同通信 2016/9/13 19:33

総務省は13日、全国の地方自治体で働く非正規職員が2016年4月時点で64万4725人となり、前回の12年4月調査から4万5千人余り(7.6%)増えたと発表した。前回は59万8977人だった。15年4月時点で正規職員は約274万人おり、非正規は全体の2割近くに達する。地方の財政難も影響し、立場の不安定な非正規雇用が自治体でも広がっている。

この記事の元データである総務省「地方公務員の臨時・非常勤職員に関する実態調査(速報版)」暦年のデータから、いくつかグラフをつくってみましたのでアップしておきます。(※2016年の非正規率だけ算出の元となる正規数は前年の2015年4月の数字)

上のグラフにあるように、この11年間で、自治体の正規公務員は30万3785人も減り、非正規職員は23万2860人も増えています。そして、下の表(※2012年調査。今回の調査ではまだ公表されていません)にあるように、「報酬の平均額」は854円~1097円ですから、非正規職員は明らかに官製ワーキングプア状態に置かれているのです。

下のグラフは地方公共団体別のグラフと表です。(※ネット上の総務省データで確認できるのは2012年と2016年のデータだけでした。※また2016年の非正規率の算出の元となる正規数は前年の2015年4月の数字です)

上のグラフにあるように、全体で非正規率は19.1%。市町村では3割を超えています。これについては、首都圏青年ユニオンの山田真吾事務局長がツイートで次のように指摘しています。

この指摘と同様のことは、国の行政機関における非正規数・率にも当てはまります。下のグラフにあるように、国の行政機関の非正規率は20.8%ですが、これに加えて、実際は国の行政機関にも派遣労働者や委託労働者等が多数働いているのです。

それから、今回の総務省データで、自治体非正規職員の約4分の3を女性が占めていることも分かっています。

そして、女性が多く働いているにもかかわらず、産前産後休暇が未整備など「マタハラを制度化」した自治体があることが、以下のように、NPO法人官製ワーキングプア研究会の「2015年非正規公務員ワークルール調査結果」で明らかになっています。

安倍政権は、「すべての女性が輝く社会づくり」をはじめ、「同一労働同一賃金の実現」「非正規をなくす」などと言っていますが、この言葉が本物かどうかは、国や自治体で官製ワーキングプア状態に置かれ、制度化されたマタハラを受けている女性労働者の雇用・労働条件を、安倍政権として実際に改善するかどうかを見るだけでも分かると思うのです。

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◆そりゃあんまりだ! 厚生労働省はブラック官庁=勝手に労働時間延長・非正規切り・民間企業以上の非正規率46%・ハローワーク職員の6割が官製ワーキングプア・ブラック企業なくす労働Gメン数はドイツの3分の1
◆保育士は官製ワーキングプア、公的サービスを提供する労働者が劣悪な労働条件で働かされるということは住民サービスが削られているのと同じ|竹信三恵子和光大学教授
◆公務員バッシングによる正規公務員削減と行政コストの削減一辺倒が官製ワーキングプアを増やし日本社会の劣化と貧困化を加速させている

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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