職場のいじめからホームレスに追いやられる若者たち、10年で7倍と急増する職場のいじめで自己否定に追い込まれた若者の自殺・過労自殺・精神疾患が多発

  • 2015/8/20
  • 職場のいじめからホームレスに追いやられる若者たち、10年で7倍と急増する職場のいじめで自己否定に追い込まれた若者の自殺・過労自殺・精神疾患が多発 はコメントを受け付けていません。

(※2012年9月に書いた記事です)

日本において20代の自殺率はどの世代より高く、20代の就職失敗自殺・生活苦自殺・失業自殺が急増し、若者の死因トップが自殺なのは先進国で日本だけです。(※詳細はリンク先)
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11106591470.html
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11274653356.html

若者が自殺で1時間に1人亡くなる日本では、仕事に殺される20代はこの6年で5倍増となっています。(※詳細はリンク先)
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11109208657.html

若者たちを中心に生きづらい社会になっていますが、加えていま生活保護バッシングをはじめとした「自己責任論」が強まっています。生活保護受給者の自殺率は一般の2倍、20代は6倍もあり、生活保護バッシングと制度改悪を強めることはさらに問題を深刻にします。(※詳細はリンク先)

http://editor.fem.jp/blog/?p=387

こうした若者たちの生きづらさに関わって、9月7日、NHK特報首都圏で「職場を追われる若者たち~急増する“いじめ”や“排除”」と題したドキュメントが放送されました。以下、番組の一部要旨を紹介します。

若者の半数近くが非正規、生活保護は3倍増
職場のいじめからホームレスに追いやられる若者たち

新宿の街に炊き出しの長い行列ができます。並んでいるのは普段路上で暮らす400人ものホームレス。そこには20代、30代といった若者の姿が目立ちました。

並んでいた30歳の男性は、3週間前から路上で暮らしています。

「体には疲れがきていますし、精神的にもきますね」

「ホント、オレ、死んでやろうかなと思ったんですよ」と語る30歳の男性。

なぜホームレスとなる若者が数多く生まれているのでしょうか? 取材で見えてきたのは過酷な職場の実態でした。かつてないほど、すさまじい「いじめ」が広がっているのです。

非正規雇用の若者などから多くの相談を受けている首都圏青年ユニオンの神部紅さんは、「職場でいじめられ、暴力を受け心や体が病んでしまって、若い人が職場にいられない状況が広がっている」と指摘します。職場を追われ、街を彷徨う若者たち。職場で何が起こっているのでしょうか?

若者を取り巻く雇用の状況は厳しさを増しています。非正規雇用で働く若者(15~24歳)の割合は約47%(総務省統計局)。じつに半数近くの若者がいつまで同じ仕事を続けられるか分からないという不安定な状況に置かれているのです。実際に仕事を失うなどして生活保護を受けている20~30代は18万人とここ15年間で3倍に増えています。

なぜ若者がホームレスに?
「生きてる意味がない」と言う路上で暮らす若者たち

若者たちはいったいどんな状況に置かれているのでしょうか?

30歳の男性は、一見すると今風の若者ですが、3週間前から路上生活を続けています。空腹に耐えきれず立ち寄るのは食品売り場。試食品が食事替わりです。

「気持ち程度食えたなってくらいで、おなかいっぱい食えないので、水飲んでおなかを膨らませます」

(寝床にしているのは公園で)「慣れないのでつらいですね」

職場でいじめにあってきたこの男性は、あからさまに嫌がらせを繰り返され、職場が怖くなったと語ります。

高校を卒業後、大手メーカーの工場で正社員として働いていたこの男性は、生産が落ち込む中で仕事を失いました。その後、飲食店に非正規社員として勤めましたが、そこで数々のいじめを受けます。十分な研修もなくとまどっていると、のろい奴だとみんなの前で罵られたり、人数ギリギリで回していた職場で要領が悪いとレッテルを貼られ様々な嫌がらせが続きます。

「わざとできない仕事を任されたり、それで、あたふたしてると『何やってんだ。早くやれよ』って言われたりとか。もちろん、新人なんで仕事ができないのは分かってますし、それでも僕なりには精一杯やっているつもりだったんです」

次の勤め先では連日のサービス残業で体調を崩し未払いの給料を払ってもらえずに退職し、家賃さえ払えなくなりホームレスになりました。

「僕はもう家がないのでホントどうしようかなって。生きてる気力というか、生きてる意味がないのかなぁって思いますね」

路上で暮らす若者たち。彼らを取材していくとその多くがこの男性のように職場でつらい体験をしたと話しました。

職場でのいじめや嫌がらせはどれくらい増えているのでしょうか。全国の労働局などへの相談は去年過去最多の4万5,939件(個別労働紛争相談件数、厚生労働省調べ)に急増しており、10年前の7倍に急増しています。

非正規雇用の若者などを対象にした労働組合の首都圏青年ユニオン。ここにも様々ないじめの相談が相次いでいます。(▼職場のいじめの労働相談にのる首都圏青年ユニオンの山田真吾書記次長)

「明日から来なくていい」と、IT企業で何の予告もなく会社を辞めるよう強要されたケースや、気に入らないという理由だけで望まない部署へ異動させられたケース、経営の苦しい会社側が立場の弱い非正規雇用の若者たちを使い捨てのように扱うケースなどが増えていると言います。

首都圏青年ユニオンの神部紅(じんぶあかい)さんは次のように語ります。

「この人に辞めてもらってもまた雇えばいい、募集すればいいという企業が増えている」

さらにそうした職場では同僚同士でもいじめや嫌がらせが生まれ安い構図になっていると指摘します。

「自分がどう解雇されずに生き残るのかというふうに思考がいくのは当然だと思うんですよね。そうすると職場内のチームワークもお互いのことを思いやる気持ちもどんどん削られていき、足の引っ張り合いが起きている」

職場でのいじめは深刻な心の病を生むまでになっています。

建設会社で非正規で働いていた26歳の男性。いじめを受けた職場を辞めたあとホームレスとなり、今は支援するNPOのもとに身を寄せています。働いていた建設会社は仕事を受注するため従業員に徹底したコスト削減を求めていました。男性が小さな金具ひとつ無くしただけで罵倒され暴力をふるわれたのです。

仕事が続けられなくなり、医師の診察を受けたところ、心的外傷後ストレス障害PTSDだと診断されました。今でも職場で暴力をふるわれたときの恐怖が忘れられず、外出することも怖いといいます。

深刻ないじめが増えるなか、首都圏青年ユニオンでは裁判などの手助けも行っています。しかし、会社と争うことなく泣き寝入りするケースも多いと言います。

「すでに心や体を壊していて、声をあげて交渉する、裁判に訴える体力や気力もすでに削られている若い労働者もたいへん増えていて、非常に悔しい思いをしています」と語る首都圏青年ユニオンの神部紅さん。

こうした実態を受けて、雨宮処凛さん(作家、反貧困ネットワーク副代表)は次のように語っていました。

職場のいじめは自分がダメなのが問題と
自己否定してしまう悪循環の中に若者は追い込まれている

(傷ついている若者が「生きている意味がない」と言っていたのは非常に気になりましたね)

私も取材していてとても気になる点です。否定されて、ときには暴力まで受けて「ホントにお前はノルマを達成できなくてダメだ」などと言われ続けることによって、若者本人が自己否定の感情を持ってしまっています。そうした暴力に対して怒るとか、職場のいじめをひどいと思うのではなくて、自分のようなダメ人間を雇ってくれるのはこの会社だけだって逆にしがみついてしまって問題意識すら持てずに、自分がダメなのが問題と認識してしまうという悪循環の中で、若者の自殺や精神疾患の問題が起きています。

ですから、職場のいじめは、自殺や過労自殺、精神疾患の問題につながっていく非常に危険な問題なのだと認識することが大事です。非正規を使い捨て、正社員ですら使い捨てにすることを前提にしているような企業のあり方を変えなければいけません。企業に違法行為をさせない法的な整備が必要で、企業の善意や社員の善意を求めても問題は解決しません。

職場でいじめなどにあっている方は、首都圏青年ユニオンのようなどんな雇用形態でも誰でも一人でも入れる労働組合はどの地域にもありますので、まずは労働組合に相談して欲しいと思います。(雨宮処凛さん談)

▼ひとりで悩まず、首都圏青年ユニオンに相談を
(※以下、首都圏青年ユニオンのサイトから)
http://www.seinen-u.org/

 ひとりで悩んでませんか? 仕事の悩み、あきらめてません?

 賃金が低すぎる、仕事が辛すぎる、いじめやセクハラにあった、解雇されそう、こんな生活では将来が不安だ・・・、そんなときあなたは、自分の責任だから自分しか頼れないと思いますか? もう、どうでもいいと思いますか?

 あなたの抱える問題は、決して個人的な問題ではありません。社会の仕組みが背景にあって、同じような悩みを抱える人が何百万人といるのです。

 例えば、フリーターや派遣という立場は、経済がグローバル化して、企業がコスト削減のために非正規職を増やしてきたなど、個人の意志とは別次元のものが作り出しているものです。

 あなたが抱える苦痛や悩みは、決してあなたの自己責任ではなく、みんなで解決していくべき社会的な問題だと考えることがまず重要です。

【相談事例】
・解雇された!
・休みが無い!
・残業代が出ない!
・社会保険に入りたい!

 あなたの仕事の悩みやトラブルを、同じ境遇の人々といっしょに解決することができるのが、労働組合です。

 首都圏青年ユニオンは、アルバイト、パート、派遣、フリーター、一般職、その他の働く若者のための労働相談を、普段からおこなっています。あきらめないで、あなたのトラブルや悩みを気軽にご相談下さい。

 ユニオンの若い相談員がお話を聞きます。もちろん無料、秘密厳守です。他の労働組合員の人でも構いません。

 ユニオンには顧問弁護団もあり、労働審判や裁判などでの解決も行っています。いわゆる「ブラック企業」で働いて悩んでいるという方でもお気軽のご相談ください。

 まずはお気軽に下記の連絡先よりお電話にてご連絡ください。
 青年ユニオンには一年間数百件の労働相談が寄せられています。

 ★首都圏青年ユニオン TEL 03-5395-5359
 団体交渉などで出ていることがありますから電話で来所予約をお願いします。
 不在の場合は留守番電話に入れてください。

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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