生活保護受給者の自殺率は日本全体の2倍以上、20代では6倍 – 生活保護バッシングと制度改悪は殺人になる

  • 2015/8/19
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(※2012年6月6日に書いた記事です)

作家の星野智幸さんがブログでこう指摘しています。

 売れっ子お笑いタレントの親が生活保護をもらっていたことが詳らかにされ、大バッシングが起こり、厚生労働大臣が生活保護の給付水準を引き下げることを検討し始める、というニュースを、ソウルに住みながらネットで知って、また殺人未遂が起きているのか、と暗澹たる気持ちになった。

バッシングを受けて政治が生活保護水準を下げたりしたら、どのようなことが起こるか。ただでさえ、社会から経済的社会的にこぼれ落ちて、生存の瀬戸際にいる大量の人たちを、死の側へ押しやることになる。背中を押したら死ぬとわかっている人に対し、複数人で背中を押したら、これは殺人になるのではないだろうか。今の社会が行っていることは、そのような行為である。有権者も政治家も、報道も含め。

(※星野智幸さんのブログから)

 

――いまの生活保護バッシングによる制度改悪は「殺人になるのではないだろうか」という星野智幸さんの指摘は大袈裟ではないと思います。

上のグラフは、厚生労働省「生活保護受給者の自殺者数について」(2011年7月12日第4回社会保障審議会生活保護基準部会参考資料)に掲載されている生活保護受給者と日本全体の自殺率を私がグラフにしたものです。

生活保護受給者の自殺率は、日本全体の自殺率より、2009年で2.4倍、2010年で2.2倍と、2倍以上も高くなっています。

 

 そして上のグラフと表は同じ厚労省資料に掲載されている年齢別に自殺率を見たものです。

2009年(平成21年)の数字を見ると、20~29歳の被保護自殺者(生活保護受給者の自殺者)の自殺率は、162.5で、自殺者全体の自殺率24.1の6.74倍(2010年は4.97倍、2008年は5.97倍)も高くなっています。19歳以下を除いて、若い年齢ほど自殺率が高くなっています。

こうした数字が示すように、生活保護受給者は現状でも「生きづらい」のです。とりわけ、若年層の「生きづらさ」は異常な実態にあります。

いまの生活保護バッシングは、いま以上の「生きづらさ」を強要することにほかなりません。

「バッシングを受けて政治が生活保護水準を下げたりしたら、どのようなことが起こるか。ただでさえ、社会から経済的社会的にこぼれ落ちて、生存の瀬戸際にいる大量の人たちを、死の側へ押しやることになる。背中を押したら死ぬとわかっている人に対し、複数人で背中を押したら、これは殺人になるのではないだろうか。今の社会が行っていることは、そのような行為である。有権者も政治家も、報道も含め。」という星野智幸さんの言葉を繰り返し噛み締める必要があります。

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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