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アベノミクスの2年で大企業の役員報酬額(上位10人)は2.4倍増、オリックス宮内氏の時給は255万2千円=最低賃金の3,197倍、一方ワーキングプア49万人増
以前紹介した「日本の富裕層上位40人の資産がアベノミクスで1.8倍増と法人税収を上回る、資産ゼロは2人以上世帯で3割・単身世帯約5割と過去最悪、世界では上位62人の資産が下位36億人(世界人口の半分)と同じに」の姉妹編ですが、ぴったり符号するデータですので紹介しておきます。
東京商工リサーチが毎年、「役員報酬1億円以上」のデータを発表しています。直近は2015年3月期決算ですが、下のグラフ(※東京商工リサーチのサイトから)にあるように、アベノミクスによって役員報酬1億円以上の人数も社数もうなぎ登りに増え続けています。
これを先のエントリー「日本の富裕層上位40人の資産」のように、役員報酬額(上記のランキングトップ10※東京商工リサーチのサイトから)でグラフをつくってみたものが以下です。
上のグラフにあるように、アベノミクスの2年間で役員報酬上位10人の役員報酬額は2015年3月期決算で157.26億円と2013年3月期決算63.92億円の2.46倍も増えているのです。1億円以上の役員報酬総額で見ても同817.38億円と同507.81億円の1.6倍増です。一方でワーキングプアは49万人も増えてしまっているのです。
それから、役員報酬額トップのオリックス宮内氏の役員報酬額54億7千万円を時給換算すると、255万2千円にもなります(※時間給換算は、総務省「労働力調査」役員月間就業時間178.6時間にもとづき算出)。
このオリックス宮内氏の役員報酬額は、オリックスの従業員平均年収の720倍にもなります。そして、宮内氏の時給255万2千円は、現在の最低賃金の全国加重平均額798円の3,197倍にもなるのです。
昨日、「最低賃金1500円に上げろ!」とエキタスが新宿で街頭活動に取り組み、本田由紀東京大学教授やNPO法人もやいの大西連理事長、水野和夫日本大学教授らが、アベノミクスによってトリクルダウンどころか富裕層はますます富を得て、非正規労働者など貧困層はますます貧困になる一方であることを厳しく批判して、いま必要なのは最低賃金の大幅引き上げだと訴えていましたが、上記の大企業の役員報酬のデータを見るだけでもアベノミクスが貧困と格差を大幅に拡大しているだけだということが分かります。
▲「最低賃金が低いところではフルタイムで働いても手取りが月10万円を切る。貧困層が2千万人を超えている日本は異常。最低賃金の大幅アップが必要だ」と訴えるNPO法人もやいの大西連理事長(※私が撮影した写真です)