安倍政権の6年間で大企業役員・富裕層の富は倍増、労働者には過労死・賃下げ・貧困・家計25万円マイナス

安倍政権については、明石順平弁護士による「アベノミクスの『成果』を示すデータ集」と、伍賀一道金沢大学名誉教授後藤道夫都留文科大学名誉教授による検証ブログ記事を読んでいただければ、安倍自公政権という「つぶれかけの会社が粉飾決算している」(明石順平弁護士)ことが具体的によくわかります。ですので、私の方では可視化できるグラフ群をいくつか紹介しておきます。

安倍首相は「国民総所得(GDP)過去最高」と言っていますが、この数字こそ、つぶれかけの会社が粉飾決算している中心的な問題であることを明石順平弁護士が「アベノミクスの『成果』を示すデータ集」の中で明らかにしています。加えて、私の方では、この粉飾決算でかさ上げした国民総所得(GDP)ですら、国際比較すると世界167位の低成長であることをグラフで紹介しておきます。安倍政権発足前の2012年のGDP成長率は1.5%(世界136位)だったので、その半分程度の低成長にしたのが安倍政権の実績です。

安倍首相は「アベノミクスで雇用を拡大した」と言っていますが、伍賀一道金沢大学名誉教授が明らかにしているように、「若者就職内定率と有効求人倍率が最高の原因=若年人口減+労働者使い捨て+高齢化で介護福祉労働増+名ばかり正社員増+生活苦で勤労学生増+低年金で高齢ワーキングプア増」です。加えて、私の方では安倍政権下で非正規雇用率が37.9%と過去最高になっていることを紹介しておきます。

この非正規雇用の増加による深刻な貧困化の広がりについて、稲葉剛さんは、「若い世代では、非正規雇用の不安定な仕事が多いため、ネットカフェなどで暮らさざるをえない『住居喪失者』が増加。都内では2017年に4千人と、この10年間で倍増しました。24時間営業のファミレスやファストフード店、カプセルホテル、サウナ、友人宅などを転々とし、路上生活の一歩手前で都会を漂流する人が増えている」「今はネットカフェだけでなく、貸倉庫やサウナ、24時間営業のファストフード店などに居住が広がり、実態が見えづらくなっている」と指摘しています。こうした、非正規労働者の貧困化だけでなく、「上場企業の早期退職8千人 1~6月、18年年間の2倍」となっていますし、下のグラフにあるように、日本は週13時間もデンマークより長く働いていて、過労死・過労自殺で毎日1人以上の命が奪われ、安倍政権下では過労等による精神障害は1.4倍も増えています。

電通社員の高橋まつりさんが過労自殺に追い込まれた原因は、長時間労働とパワハラの蔓延です。にもかかわらず、自民党は、残業代なしで働かせ放題となる「高度プロフェッショナル制度」を推進し、ILOのハラスメント禁止条約への批准にも反対しています。

安倍首相は「6年連続で今世紀最高水準の賃上げが実現した」とも言っていますが、明石順平弁護士が指摘しているように、実質賃金はアベノミクス前と比べて3.6ポイントも下がっています。それを実額にしてみると16万円もの賃下げになります。そして、主要国で日本だけが賃下げです。

 

 

 

下のグラフにあるように、日本の最低賃金は主要国の中でアメリカに次いで低い水準の上に、地域格差が拡大しています。しかし、安倍首相は地域格差を改善しようとしていません。アメリカは下院ですが「最低賃金倍増法案を可決」しましたので、日本の最低賃金が主要国で最悪になってしまう可能性すら出てきています。

 

このように、非正規労働者も正規労働者も、賃下げ、貧困、過労死という深刻な状況に陥っているのに、大企業と富裕層は莫大な富を得ています。

 

 

大企業と富裕層だけが莫大な富を得ることができるのは、税負担が安倍政権によって優遇されていることに一因があります。

 

 

 

 

 

 

そして、社会保険料も富裕層優遇で、低賃金の労働者に重くのしかかっています。

 

 

富裕層をこれだけ優遇しておいて、低所得者ほど負担の重い消費税を増税することは許されません。

 

そして、大企業・富裕層への減税を中心とする税収の穴埋めに消費税増税が使われてきました。

 

 

企業は史上最高の利益をあげているのに法人税収は増えていないのです。

 

安倍首相も公明党もそろって「教育負担軽減に全力で取り組んできた」などと言っていますが、事実は「高校授業料無償化を廃止」して、無償化は財政破綻まねくと「世界最低の高等教育予算」にしたのが安倍自公政権です。

また、日本の社会保障はデンマークの6割と低いのに、消費税収の割合はデンマークより高くなっています。

 

そして、消費税増税で家計消費は年25万円もマイナスになっています。

 

低所得者ほど負担の重い消費税収の割合が高い上に、大企業・富裕層を優遇する税・社会保険、加えて、低い社会保障支出のために、日本の所得再分配はアメリカに次いで弱く、貧困大国になってしまっています。

それから、いまだまったく問題が解決していないので再度紹介しておかなければいけないのが、首相夫人である安倍昭恵氏が史上初めて税金1億1千万円を私物化(昭恵氏付職員の人件費だけで1億1千万円だから諸々もっと使っているはずです)したことです。安倍昭恵氏付職員として国家公務員5人(3人が常勤で2人が非常勤)が配属され、『週刊新潮』によると昭恵氏付職員の年間人件費は2,880万円。森友学園事件で谷査恵子さんが問題になって昭恵氏に職員を付けるのはやめましたが、2013年の途中から2017年の途中まで付けていたので4年で計算すると、年間人件費2,880万円×4=1億1,520万円となります。過去に首相夫人に常勤職員を付けた例はありませんので、この1億1,520万円の税金はそっくりそのまま、安倍昭恵氏が私物化したということです。これが税金の私物化、国家公務員の私物化でなくて何と言うのでしょうか?

▼@mortal225さんのツイート

 

最後に安倍政権の6年間をグラフにしたものです。

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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