日本の税金は世界で2番目に高い?→事実はOECD32カ国中27位でデンマークの6割と低い、日本の税金は富裕層と大企業ほど低負担の逆進税で富の再分配が極めて弱いことが最大の問題

  • 2016/9/14
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日本は2位にランクイン!世界で最も「税金が高い国」トップ10」というサイトがあり、それを私の身近な方もフェイスブックでシェアしたりツイッターで拡散しているのですが、本当でしょうか?

このサイトの一番大きな問題点は、「税金の高さ」を単純に「表面税率」だけに求めていることです。

「表面税率」と実際の「税金の高さ」=税負担が大きく異なることは各種優遇税制が富裕層と大企業に適用される具体的な数字として、すでに「日本をタックスヘイブン化するアベノミクス=貧困層より税金が軽い富裕層、零細企業より法人税が軽い大企業、社会保障には財源がないと言い、財源は貧困層から収奪する消費税増税というディストピア日本」の中で紹介しています。そこから以下いくつかグラフを再掲しておきます。

まず、所得税は、下のグラフにあるように、年所得1億円を超えると軽くなるという異常な状況にあります。

上のグラフに加えて、消費税と住民税と社会保険料を積み上げると、年所得100億円超の富裕層の負担は、年所得100万円の貧困層の負担より軽くなります。

法人税は、大企業になればなるほど下のグラフにあるように軽くなります。

法人税の実質負担率の推移を見ると、下のグラフにあるように、アベノミクスで大企業の負担軽減は加速しています。

国際比較で、各国の法人税をきちんと比較するには対GDP比が必要です。OECDによる2013年の各国データでグラフをつくってみたのが以下になります。

上のグラフにあるように、日本の法人税は世界13位でフランスの半分以下しかありません。

そして、各国の国・自治体の税金全体(歳入)を国際比較したもの(OECDの各国2014年データ)が以下です。

 

 

上のグラフにあるように、日本の税金は0ECD32カ国中27位、下から6番目でデンマークの6割程度しかなく、「税金が高い国」どころか、「税金が低い国」というのが客観的事実なのです。

そもそも「税金が高い国」か「低い国」かが問題なのではなく、税制が多くの国民の暮らしを支えるものになっているかどうか、税制が「富の再分配」機能を果たしているかどうか、が問題なのです。それを見たものが以下です。(※データは「社会実情データ図解」のサイトから)

上のグラフにあるように、日本は「富の再分配」が極めて弱く、スウェーデンの3分の1以下、フランスの半分以下しかありません。このことは、上記で紹介した所得税が高所得者ほど負担が低くなることや低所得者ほど負担の重い消費税などが原因です。日本は「富裕層と大企業は税金が低い国」「貧困層は税金が重い国」「富の再分配が働いていない国」というのが事実なのです。

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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