安倍首相「日本経済の基礎的条件=ファンダメンタルズは良好」→事実は民主党政権時の3分の1以下のGDP伸び率、やせ細る家計と賃金、アベノミクスで良好なのは内部留保・役員報酬・自民党への献金だけ

昨日、GDP伸び率(2015年10-12月期)が前期比マイナス0.4%、年率に換算してマイナス1.4%と、2期ぶりにマイナスとなったことについて国会で問われた安倍首相が、NHKの報道によると次のように答弁したとのこと。

「総合的に踏まえると、日本経済の基礎的条件=ファンダメンタルズは良好であり、その状況に変化があるとは認識していない」「今後は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、景気は緩やかな回復に向かうと見込まれる」(NHKニュース 2月15日 19時27分)

昨日、アップした「21カ月連続で家計冷え込ませ日本経済を沈め続けるアベノミクス、貧困と格差の拡大は経済成長をも損ない1人あたりGDPは先進国20位へ大幅ダウン」でも紹介した内閣府のGDP統計から、この6年間の「日本経済の基礎的条件」は以下になります。

「経済で、結果を出す。」と言う安倍首相ですから、民主党政権下の経済の結果と、アベノミクスの3年間の結果を比較すれば、さそがしすばらしい結果が見られるにちがいないということで、グラフにしてみました。(※今の安倍政権は2012年12月26日に発足していますから、厳密にいうと2010-2012年の3年間は民主党政権だけではないのですが、ここでは単純化して比較していますこと御了承ください)

上のグラフにあるように、アベノミクスの3年間は民主党政権時のGDP伸び率の3分の1以下です。これが日本経済の基礎的条件=ファンダメンタルズの根本になる「経済の結果」です。

そして上のグラフにあるように、民間消費支出の伸び率は、民主党政権時のプラス5.4%に対して、アベノミクスはマイナス0.4%と惨憺たる結果です。また、家計消費支出も以下にあるように同様で、アベノミクスの3年間で激しく落ち込み続けています。

家計消費支出が激しく落ち込み続ける原因は、下のグラフにあるように、アベノミクスの3年間で2012年の99.2から2015年の94.6へと4.6ポイントも実質賃金が下がっているからです。一方、右肩上がりに増え続けている大企業の内部留保は、2012年の272.1兆円から2014年の299.5兆円へと27.4兆円、10%以上も増えているのです。

 

以前アップした「アベノミクスで景気回復した自民党のふところ=企業献金62%増(8億4千万円増)と自民党へトリクルダウン、一方ワーキングプア49.2万人増え貯蓄ゼロ世帯が180万4千世帯(18%)も増加」で紹介した上の図と合わせると、結局、安倍首相の言う「日本経済の基礎的条件=ファンダメンタルズで良好」なのは、大企業の利益と役員報酬と自民党への企業献金だけです。

アベノミクスの3年間で、いちばん肝心な家計と賃金を削り続けておいて、「日本経済の基礎的条件=ファンダメンタルズが良好」になるなんてあり得ないのです。

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井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)本部書記、国家公務員一般労働組合(国公一般)執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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