安倍政権は殺到する自衛隊員と家族の声を聴け「侵略戦争で殺され」「子ども殺す命令の拒否で処罰する戦争法案やめよ」「家族はデモへ」◆「自衛隊員と家族・恋人のための安保法案緊急相談2」が開催されます

  • 2015/9/14
  • 安倍政権は殺到する自衛隊員と家族の声を聴け「侵略戦争で殺され」「子ども殺す命令の拒否で処罰する戦争法案やめよ」「家族はデモへ」◆「自衛隊員と家族・恋人のための安保法案緊急相談2」が開催されます はコメントを受け付けていません。

きょう(9月14日)、「戦争法案の廃案と自衛官の人権擁護を求める院内集会~政府・与党は自衛隊員の声を聴け~」が開催されました。

「自衛官の人権弁護団・北海道」の佐藤博文弁護士のお話で、私が関心を寄せたところだけですが要旨を紹介します。

ドイツには、軍隊に労働組合があり、軍事オンブズマンもチェックしている

「戦争法案」について、自衛隊員本人と家族に一切説明がありません。家族というと、皆さん、違和感を持たれるかもしれませんが、自衛隊員の大半は中卒・高卒で入隊しています。親は未成年の子どもを自衛隊に送り出しているのです。その親の気持ちを皆さん、考えていただきたいのです。「戦争法案」が強行されれば、実際に戦地で戦うのは彼らです。

例えば、国際交戦法規の適用がどうなるのかも、まったく議論されていません。「殺し」「殺される」だけでなくて、「捕虜になり」「捕虜にする」ことにもなります。しかし、安倍政権は「後方支援」だから武力行使ではない、戦争遂行ではないと強弁しています。そうすると国際交戦法規の適用がないので、自衛隊員が捕虜になった場合、相手国の刑法によって処罰されることになるわけです。即銃殺という国に捕虜になって即銃殺されても日本政府は何も文句を言えないわけです。こんな危険な地位に自衛隊員を置いて、海外に派兵しようとしているのが今回の「戦争法案」です。また、自衛隊員が戦地で「殺された」場合、遺族への補償等についても全く議論されてもいません。こんな状態で「戦争法案」を強行することは許されないのです。

私たちに寄せられた自衛隊員からの相談です。「私は戦争法案も問題だと思っていますが、自衛隊のトップが安倍総理であることの方が怖いです。イラク戦争のときパウエル参謀本部長や軍本部はみんな反対したのに、ブッシュやチェイニーなどシビリアンが戦争に駆り立てたからです。このことに対する歯止めはできているのでしょうか?」――こうした不安はもっともだと思います。

自衛隊員の無権利状態は国際的な視野で考えると際立ちます。ドイツの軍隊には労働組合があります。26万人の軍人がドイツにはいて自衛隊と規模は同じですが、現役兵と退役兵含めて労働組合に21万人も組織されているドイツと、労働組合も禁止され労働基本権が奪われている日本の自衛隊員とは決定的に違います。そして、ドイツの軍隊の労働組合には150人の専従者がいて、兵士の処遇面から安全につながる装備の充実などについて軍当局や政治に対して常に働きかけて改善をはかっています。さらにドイツには軍事オンブズマンがあります。これは軍隊をコントロールするためには、第三者機関がきちんとチェックする必要があるということで連邦議会の補助機関として設置されています。日本ではこうしたことは議論すらまったくされていない状況です。安倍政権による「戦争法案」の強行で、戦前の暴走する軍隊が復活するのではないかという問題は今日的に考えれば、こうしたドイツにおける軍事オンブズマンなどの仕組みの問題でもあると思います。

以上が佐藤博文弁護士のお話の一部要旨です。

「動くものは何でも撃て」と上官から命令され従わなければ処罰される

それから、今年1月まで自衛官をされていた方の発言で私が一番印象に残ったのは、安倍政権が狙っている「戦争法案」の中にある「自衛隊法『改正』案での罰則適用拡大」の問題でした。他国の戦場で上官の命令に従わない自衛隊員は処罰されるというもので、元自衛官の方は、「イラク戦争で『動くものは何でも撃て』と上官から命令された米兵が子どもや女性を撃ち殺しました。他国の戦場で自衛隊員にも同じことをさせようとしているわけです。『動くものは何でも撃て』と上官から命令されて従わなければ処罰されるのです。子どもたちをも殺してしまう命令を拒否したら処分されるというのは全く納得いきません」と訴えていました。まさに、「4歳の女の子、7歳の男の子、ロイター記者も「無差別殺人」が米兵のイラク戦争の日常=「戦争法案」がもたらす日本の若者の近未来」で紹介した米兵の惨状が自衛隊員にも広がるということです。(※この自衛隊法「改正」案については、「本田稔・立命館大学教授の「自衛隊法『改正』案で罰則適用拡大~『戦争に行くな』は犯罪」」を参照ください)

院内集会では、9月12日に取り組まれた「自衛隊員・家族・恋人のための安保法案緊急相談」(ホットライン)の報告がありました。以下、いくつか寄せられた相談を紹介します。

【自衛隊員の妻から】皆不安はあるけれど、周りが自衛官とその親族ばかりで言えない。夫は命令で動いているので、仕方がないと思っている様子。経済的に辞めるわけにはいかないが、二人の子どもがいて、戦場には行って欲しくない。話をしても洗脳されているように思える。「中国が…」などと言う。来年は中東に行くと言っている。これが民主主義なのか。自分たちが最前線に行くわけでもないのに、皆他人事に思っている気がする。仮に法案が通ったら、訴訟を起こして欲しい。原告になる。

【自衛隊員の親】親として絶対反対。4人も孫がいる。自衛官は何も言えず、政府経営のブラック企業だ。アメリカへの追従だ。心配で夜も眠れない。こんなでたらめな法案通してはならない。息子の代わりにいろいろ頑張りたい。

【自衛隊員の母親】息子が自衛隊員で心配だ。安保法案に反対して、自分はデモに参加している。

【自衛隊員の義母】娘の夫が自衛隊員だが、安保法案に不安を持っている。海外派兵には行かなきゃいけないのか。テロ派兵には北海道が7割行くことになっていると聞いた。安倍首相は人の命をどう考えているのか。

【自衛隊員の家族】自衛隊員の安全について報じられていない。命の保証がされていない。自衛隊員の家族として相談できる窓口や父兄会等の連携はないのか。なければつくってもらえないか。

【元自衛隊員】入隊時に自己犠牲は覚悟しているが、外国へ行くのはダメ。行ったら侵略になる。イラクから戻ってきた隊員には、精神疾患で自殺した人が多い。これも一つの戦死と言えば戦死。射撃は精神的に弱い人にとっては怖い。ホテルで自殺した知人がいる。いつ後ろに向かって発射してくるかわからない。隊内での暴発の話を聞いている。安保法制はアメリカと対等ではない。無理を通そうとしている。

【自衛隊員の母親】4月に息子が自衛隊に入隊。隊内では、安保法案のことを詳しく教えてもらっていない。他に子どもさんが自衛隊に入った親御さんたちも不安に思っている。息子やこれまで自衛隊に入った人は、戦争に行くことを前提に入隊したわけじゃないのに、安保法案やこれからどうなるかについてちゃんとした情報がないのが不安。

【元自衛隊員】自衛隊の位置づけは「自衛」のためのはずだ。友好国の支援のためというが、飲酒運転のほう助と同じだ。戦争している友好国のほう助も同じで戦争したことになる。安倍首相は、国民の命と言っているが、外国の目が日本に向く、敵対国からみればどう見えるか。海外旅行でも民間人でも狙われる。デメリットが分かっていない。日本人が危機にさらされる。アメリカにとっては、日本は命をかけて守る国ではない。何かあったら捨てられちゃう。

【自衛隊員の妻】夫の海外派兵が決まっている。夫は今、派兵に向けた訓練をしている。派兵先の伝染病に対する予防接種なども受け、夫は身の危険のある任務も含まれると説明を受けている。夫は、命令だから断れないというが、子どもも小さいので心配。自衛隊からは、海外派兵任務の具体的内容や、危険性や身の危険があったときに部隊がどの様な対応をしてくれるのかなどの説明が一切ない。

【自衛隊員の義母】先週、隊員に、ご家族の方へとの隊員の家族宛の文書が配布されたとのことを娘から聞いた。当文書には、今後、転勤等を命じられた場合に、文句を言わずに速やかに応じるようにとのことが記載されていたとのことであった。今回の安保法案と関係があるのではないか。今後、海外派兵等を命じられるのではないかと、心配している。

【自衛隊員の親族】私の娘婿も自衛隊員です。2人の男の子にも恵まれ、いま幸せに暮らしていますが、安保法案のニュースを見るたびに不安な思いにかられます。安保法案が通ると、いつか戦場に行かされるのではないかととても不安です。安倍首相の答弁を聞いていても、納得いきません。安倍首相その他の賛成議員が戦場に行けばいいと思います。国民の意思を置き去りにして、アメリカと公約したから、今国会で通そうとしているエゴとしか思えません。平和の国日本を、今後も未来の子ども達にも永遠に続けてほしいと願っています。戦争で犠牲になった人々も浮かばれないと思います。廃案にして下さい。

【自衛隊員の妻】夫に「もしも安保法案が通ったら自衛隊を辞める覚悟でいてほしい」と言っています。夫も転職を悩んでいます。いま辞めないと辞めにくい状況になり、否応なしに戦地に送られることになるかもしれないと感じています。辞めたいと言い出した自衛官がいじめにあったり処罰されたりするのではないかという不安もあります。私の周りには同じように子育て世代の自衛官の家族がたくさんいます。秘密保護や政治活動の禁止など、規制されているので、みんな口を大にしてそのようなことは言えないようです。でも本音で話せる仲間内では、私と同意見の家族ばかりです。誰も夫を戦地になんて行かせたいと思っていません。そういった友人たちの声もこちらで代弁したいと思っていました。夫は、最近、職場から、このような弁護団の相談窓口へのコンタクトを禁じられたそうです。

【陸上自衛隊員の母親】息子のことが心配である。安保法制には大反対。反対の声を大きな声で伝えてほしい。新聞記事を切り取って、息子が実家に帰ったときに見せている。国会前にも行きたいが、イラク派兵の時には身辺調査が行われているということを聞き、気になっていた。自分も国会前に行っても大丈夫でしょうか(だいじょうぶでしょう)。自衛隊員の子どもがいて、賛成する親はいないと思う。

【陸上自衛隊員の母親】安保法制が成立するのではないかと大変心配である。息子は、口を閉ざしてあまり話したがらない。ただ、最近、上官から「こういう仕事なんだから、墓くらいはどこかしらべておけ」と言われたらしく、お墓の場所を(母親に)聞いて来た。最近、出港が多くて、訓練も増えている。安保法制成立後に向けた訓練ではないか。息子のほうから、「デモには行かないで」と言われている。もともと息子は国を守りたいという意識で入ったのだけれど、安保法案が成立するとそうではなくなるのではないかと、心を痛めている。

【自衛隊員の恋人】安保法案には反対。今回の法案のことを彼と話をすることがある。隊の中で、彼が不安なことを口にすると、「そんなことを口にするもんじゃないよ。それがうまい立ち回りの方法なんだから」ということを言われた。政治的な活動も制限されているので、安保法案について議論できるような状況ではないと言っている。退職後の再就職先もなくて、一部の幹部は保障されているが、一般の隊員は30代で退職を余儀なくされても、再就職先は最近もなくて、個々の隊員の将来のことも考えられていないまま、安保法制のことだけが先行していて心配。

【陸上自衛隊員の母親】今回の安保法案についてニュースを見ていると、息子が今後、海外で人を殺したり、逆に殺されたりとかしてしまうのではないかと不安である。自衛官の家族で、こういう不安な思いを分かち合う友人や知り合いがいない。自衛隊内には家族会があるが、そこでは意見が合わないし、話しができない。デモにも行っているが、本人に迷惑になるのではないかと心配になってしまう。災害派遣があっても、家族には情報が伝えられていない。もし安保法案が成立して、海外に行くことになってしまっても、そのときに現場の状況は伝えられないだろうから、大変不安である。

以上が、緊急相談に寄せられた声の一部です。この12日に取り組んだ緊急相談には電話中につながらなかったというメールも寄せられたとのことで再度、緊急相談会Ⅱを以下のように開催します。

自衛隊員・家族・恋人のための安保法案 緊急相談会Ⅱ

貴方の不安、悩み、疑問をぜひともお寄せ下さい。自衛隊員と家族、恋人の声を国会議員に届けます。
弁護士は、守秘義務を負っていますので、秘密は厳守されます。
安心して、お電話下さい。

(相談の趣旨) 政府は、国会審議の中で、安保法案によって自衛隊員のリスクが増大することを認めていません。海外に派遣された場合の身分保障(捕虜など国際交戦法規の適用)や、本人や家族への補償なども全く議論されていません。
他方、自衛隊員と家族は、厳格な政治活動の禁止、上命下服により、今回の集団的自衛権行使・安保法案に対し、一番利害を持つにもかかわらず、意見を述べる公式の機会が与えられていません。
そこで、労働者の権利救済にとり組んできた私たちは、皆さんの相談をうけ、それを政府・国会に届けたいと考えました。
これまでの経験を踏まえ、相談者が今抱えている具体的な問題のご相談にも、できる限り応じます。

 ◆2015年9月15日 午後6時30分~午後9時まで
 ◆電話番号 03-3251-5363、 03ー3251-5364

 主催 日本労働弁護団、協力 改憲問題対策法律家6団体連絡会

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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