アベノミクスの1年半で孫正義氏の資産2.5倍増(1兆406億円増)、ユニクロ柳井氏1.7倍増、大企業役員報酬は大幅アップし労働者賃金マイナス

  • 2015/9/8
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(※2014年11月22日に書いた記事です)

アメリカの経済誌『フォーブス』の「世界長者番付 億万長者ランキング2014年 日本編」によると、日本の億万長者ベストテンは、下表のようになっています。トップのソフトバンクの孫正義社長の資産は2兆488億円、第2位のファーストリテイリングの柳井正社長は1兆8,512億円にものぼっています。

アベノミクスのおかげで孫正義社長は1年半で金融資産2.5倍増(1兆円超増加)
柳井正社長は1.7倍増(3,103億円増加)

それでは、この間のアベノミクスによる「株高優先」政策のもとで、富裕層の資産はどうなったでしょうか? 下表は、私が所属する労働総研の労働者状態分析部会で計算した「アベノミクスで大儲けする主な大株主の金融資産」です。安倍政権が発足した2012年12月の金融資産と2014年7月の金融資産を比較すると、孫正義社長は1兆406億円、柳井正社長は3,103億円も資産が増加しています。なんと、アベノミクスのおかげで、わずか1年半ほどで、孫正義社長は2.5倍も、柳井正社長は1.7倍も金融資産を激増させているのです。

大企業の配当金は3.52倍増、労働者の賃金はマイナス

それから、これも労働総研の労働者状態分析部会で作成したものですが、下表にあるように「大企業の配当金は急増し、賃金と設備投資は減少」しています。

 

上表にあるように、1998年度から2013年度までの15年間で、配当金は3.52倍にも増えているのに、従業員賃金は0.96倍、1人当たりの賃金は0.94倍で、賃金額で見ると、591.1万円から558万円へと33.1万円もの賃下げになっています。また、設備投資も0.89倍と減少しているのです。

大企業の役員報酬は8~10%アップ、労働者の賃金はマイナス

こうした金融資産が莫大に増えるだけでなく、加えて、「役員報酬サーベイ」(デロイトトーマツコンサルティング株式会社の発表)の最新版によると、下のグラフのように、労働者の賃金は下がり続けているのに、上場企業の役員報酬は、会長が32%アップ、「社長の報酬水準は8%増加し、常務と取締役は10%以上の増加率」(「役員報酬サーベイ」の報告書より)と、役員報酬は軒並みアップしているのです。

アベノミクスで、労働者の賃金は下がり続けているのに、大企業の役員だけは、金融資産が激増し、役員報酬も8~10%もアップしているのです。客観的に見て、日本でアベノミクスの恩恵を受けているのは、大企業の役員などの富裕層だけです。99%の労働者をはじめとする勤労者は貧困状態へと向かわされているわけです。

大企業の経常利益は過去最高、労働分配率は大幅低下

 

上のグラフは、資本金10億円以上の大企業の経常利益と労働分配率の推移を分かりやすくするために私が作成したものです。元データは、財務省の「法人企業統計」からで、労働分配率は「労働者がつくった付加価値の中に占める人件費の割合」のことで計算式は次のようになります。

※労働分配率=人件費/付加価値×100。※人件費=従業員給与・賞与+福利厚生費。※付加価値=営業純益+人件費+役員給与・賞与+支払利息等+動産・不動産賃貸料+租税公課。

上のグラフを見て分かる通り、2009年度の大企業の経常利益17.8兆円から2013年度の34.8兆円へ1.9倍とほぼ2倍に増えているのに、労働分配率は同63.8%から55.1%へと8.7ポイントも低下しています。(※ちなみに資本金10億円未満の企業の労働分配率は同64.4%から62.6%へと1.8ポイント低下しています)

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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