アベノミクスの1年で日本の富裕層増加率22.3%は世界一、ワーキングプアは30万人増加

(※2014年10月22日に書いた記事です)

日本の富裕層の増加率は世界一

ブルームバーグが「日本の富裕層がますます裕福に、アジアで最も急速に資産増加」という記事を配信しています。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)とキャップ・ジェミニが21日公表したリポートによれば、日本で100万ドル(約1億700万円)以上の投資可能資産を持つ個人富裕層の純資産は前年比24%増えて5兆5000億ドル。日本のミリオネア数は22%増加し230万人となった。

出典:ブルームバーグ 2014年10月22日「日本の富裕層がますます裕福に、アジアで最も急速に資産増加」

 

それで、記事の元になっているデータを見てみました。

上のグラフにあるように、日本の富裕層は、2012年の190万2千人から、2013年の232万7千人へと、42万5千人増で、対前年比22.3%も増えています。富裕層人口の増加率では、日本は世界一となっているのです。

一方、国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、年収200万円以下のワーキングプアは、2012年の1,090万人から、2013年の1,119万9千人へと、29.9万人も増えています。(労働者全体に占めるワーキングプアの割合は24.1%にもなり、およそ4人に1人がワーキングプアという状況になっているのです)

2012年から2013年の1年間で、富裕層は42万5千人増え純資産も前年比24%も増える一方で、ワーキングプアは29.9万人も増えているというデータは、貧困と格差を拡大するアベノミクスの本質を象徴するものではないでしょうか。その上、今でも世界最悪の日本の労働者派遣法を改悪して、生涯不安定・低賃金・正社員雇用は不要にする法案の成立を、安倍政権は狙っています。こんなことがまかり通れば、ワーキングプアはさらに増え、貧困と格差の拡大が一層深刻化してしまうだけです。

いま必要な政策は、安倍政権がやろうとしている労働者派遣法の改悪や消費税連続増税・法人税減税などと真逆のことです。世界最悪の労働者派遣法を世界標準に抜本的にあらため、正規と非正規を均等待遇にすることや、最低賃金の大幅アップ、時短・ワークシェアリングなどで雇用の改善を抜本的に行うことと、消費税増税の中止と大企業・富裕層優遇税制の是正こそ、いますぐやるべきことです。

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)本部書記、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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