安倍首相「アベノミクスで暮らしに直結する企業収益は過去最高の70.8兆円となった」→事実は「アベノミクスで労働者は2兆円以上の賃下げで暮らしが破壊され企業天国ができた」

  • 2016/7/6
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安倍首相が「アベノミクスで皆さんの暮らしに直結する企業収益は過去最高の70.8兆円となりました」と言っています。自民党の公式サイトでも「アベノグラフィックス」(データで見る「アベノミクス」20の成果と目標)として以下をアップしていて、いかにも過去最高の企業収益で国民の暮らしが良くなったかのような宣伝になっています。

たしかに、財務省「法人企業統計」を見ると、企業収益(経常利益)は、2012年の49兆5947億円から2015年の70兆8004億円と、21兆2057億円も増加しています。なので、安倍首相の言う「企業収益は過去最高の70.8兆円」というのは客観的事実です。しかし、「皆さんの暮らしに直結する」というのは本当でしょうか? 下のグラフは、労働者の賃金(「法人企業統計」では「従業員給与」と「従業員賞与」の合計)と、企業収益と利益剰余金(内部留保に近いもの)と企業の現金・預金を、2012年を100として2015年の推移を見たものです。

上のグラフにあるように、労働者の賃金だけが下がってしまっています。金額にしてなんと2兆1634億円のマイナスです。企業収益や内部留保、手元の現金・預金などは大幅に増やしておきながら、2兆円以上も賃下げしているのです。企業収益が過去最高になっても労働者には賃下げで、これのいったいどこが「暮らしに直結する企業収益」なのでしょうか? 過去最高の企業収益がトリクルダウンするどころか、逆に「労働者の暮らしを破壊して過去最高の企業収益となった」「労働者を収奪した過去最高の企業収益」というのが客観的事実です。アベノミクスは労働者の暮らしを破壊して企業天国をつくっているだけなのです。

そして、労働者の賃金が2兆円以上も下がっているのですから、当たり前ですが、下のグラフにあるように、アベノミクスで家計消費は激しく落ち込んでいるのです。

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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