安倍首相「今世紀で最も高い賃上げを3年連続で実現した」→事実は「26年間で最も低い実質賃金を3年連続賃下げで実現した世界でもまれなアベノミクス」
- 2016/7/5
- 雇用・労働法制
- 安倍首相「今世紀で最も高い賃上げを3年連続で実現した」→事実は「26年間で最も低い実質賃金を3年連続賃下げで実現した世界でもまれなアベノミクス」 はコメントを受け付けていません

安倍首相が「今世紀で最も高い水準の賃上げを3年連続で実現した」「もしアベノミクスをやめると4年前の民主党政権のような暗い時代に戻ってしまう」と言っています。自民党の公式サイトでも「アベノグラフィックス」(データで見る「アベノミクス」20の成果と目標)として以下をアップしています。
本当にアベノミクスで「今世紀で最も高い水準の賃上げ」になっているのでしょうか? 検証してみましょう。
以前、「日本の労働分配率はこの30年で2割減、アメリカの3倍も激減=日本企業の内部留保は過去最高で貧困は過去最悪」という記事で、安倍首相が言っている賃上げがあったのは、日本企業全体のわずか0.00745%の大企業に過ぎないことを指摘しています。そんな微々たる大企業の賃上げをあたかも日本の労働者全体の賃上げのように言う安倍首相はペテン師としか言いようがないでしょう。
日本の労働者全体の実質賃金は、下のグラフにあるように、アベノミクスで26年間で最低になりました。
しかも、アベノミクスの3年間(2013年→2015年)と民主党政権の3年間(2009年→2012年)の実質賃金を見ると、下のグラフにあるように、アベノミクスで大幅賃下げとなっています。
それから、OECDの各国平均賃金(購買力平価換算、単位:ドル)を見たものが以下のグラフと表になります。直近のデータは2014年ですが、2012年と比較するとOECD30か国の多くは賃上げ(日本を入れて5か国だけ賃下げ)で平均も賃上げになっているのに、日本は賃下げになっています。
以上、見てきたように、事実は「アベノミクスで世界にもまれな大幅賃下げとなり暗い時代になってしまった」ということです。