夫婦別姓禁止を合憲と最高裁が判断、女性裁判官の割合がEUより十数%低く司法も政府も男性優位で世界で唯一女性差別を先導している異常な日本

  • 2015/12/16
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NHKの報道です。

 

夫婦別姓認めない規定 合憲判断も5人が反対意見
NHKニュース 12月16日 17時15分

明治時代から続く夫婦別姓を認めない民法の規定について、最高裁判所大法廷は、「夫婦が同じ名字にする制度は社会に定着してきたもので、家族の呼称を1つにするのは合理性がある」などとして、憲法に違反しないという初めての判断を示しました。一方、裁判官15人のうち、女性全員を含む裁判官5人が「憲法に違反する」という反対意見を述べました。(中略)

一方、裁判官15人のうち女性裁判官3人全員と、男性の裁判官2人の合わせて5人が夫婦別姓を認めないのは憲法に違反するという意見を述べました。

日弁連は選択的夫婦別姓について、次のように指摘してきました。

 民法第750条は,夫の姓でも妻の姓でもよいとしていますが,実際には,約96.2%の夫婦において女性が改姓しています(平成24年厚生労働省人口動態調査)。これは長年の男性優位の社会的風潮の反映であり,これをこのまま放置することは,両性の本質的平等(憲法第24条第2項)にも反します。さらに,夫婦同姓の強制は,女性差別撤廃条約にも反します。すなわち,婚姻に際して氏の選択に関する夫婦同一の権利(同条約第16条第1項(g))を侵害し,姓を変更せずに維持しようとすれば婚姻できないのですから,合意のみにより婚姻をする同一の権利(同項(b))をも侵害しています。国連の女性権利条約委員会から,日本政府は,2003年,2009年に選択的夫婦別姓に改めるよう勧告を受けています。事実上の不都合として,姓の変更により,別人と思われ,それまでの信用・実績との連続性が失われるという不利益も大きいものがあります。

諸外国の制度も,姓の選択の自由を認める方向で改正されてきました。法律で夫婦同姓を強制する国は,現在,ほぼ日本のみのようです。かつて日本同様,夫婦同姓が強制されていたトルコ,タイでも,現在,強制されていません。

夫婦同姓を強制する国など日本以外にいったいどこにあるのか?という話ですが、世界各国の男女平等の度合いを指数化した世界経済フォーラム(WEF)の2015年版「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は調査対象145カ国のうち101位。今回も日本は相変わらずの女性差別大国であることを最高裁も見せつけた形です。

裁判官15人のうち女性裁判官3人というのもいかにも女性差別大国日本です。すでに「安倍政権は世界最悪の女性差別政府=公的部門の女性雇用の割合が世界最低、しかも総雇用より公的部門雇用の女性割合が低いのは日本だけ、世界で唯一女性差別を先導する政府持つ日本」でも指摘していますが、日本は政府みずからが女性差別を先導している異常な国です(上のグラフ)。きょうの最高裁による女性を差別する判断について、菅義偉官房長官は「政府の判断が認められた」と言いましたから、安倍政権はこれまでもこれからも政府みずから先導して女性差別政策を続けますよと公言しているわけです。

政府の男女共同参画白書2015年版の各分野の女性が占める割合(上のグラフ)を見ると、裁判官は18.7%です。今回15人のうち3人が女性裁判官ですから20%です。OECDの『ジェンダー白書』によると、2011年時点でEU諸国の最高裁判所の女性裁判官の割合は33%です。この33%を今回にあてはめると15人のうち5人が女性裁判官になります。すると男性裁判官2人が違憲としていますから7人が違憲となり、10対5が、8対7と拮抗することになりますし、この33%はEU諸国の平均ですし、2011年時点と4年も前の数字ですから、おそらく女性割合は上がっているでしょうから、日本はEU諸国より十数%も女性は少なくなるでしょう。そうすると、今現在のEU諸国の女性割合を日本にもあてはめるとすると今回の判断も逆転することになると思います。結局、日本は男性が優位な地位を占め続けているから女性差別大国になってしまっているというわけです。

公的な部門に女性を増やすことがいかに重要かを痛感させられた今回の最高裁判断でもあったと思います。

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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