年収400万円未満世帯の消費税8%負担は高所得世帯の1.85倍も増え格差拡大、「反成長戦略」すすめる安倍政権

  • 2015/8/27
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(※2015年3月28日に書いた記事です)

日本生活協同組合連合会(日本生協連)が3月19日に「2014年『消費税しらべ』報告」を発表しました。その特徴として日本生協連は以下の2点をあげています。

1.4月より消費税率が5%から8%に引き上げられた2014年は、1世帯あたりの年間消費税額が平均240,893円となり、2013年に比べ大きく増加しました。特に「年金世帯」では、負担率が4.56%と、2013年の3.13%より大きく増加しました。 2.収入に占める割合は、年収400万円未満世帯が5.44%と2013年に比べて1.96ポイント増加したのに対し、1000万円以上世帯は2.94%で1.02ポイントの増加となり、年収400万円未満世帯の収入に占める割合が1000万円以上世帯の1.85倍となりました。

出典:日本生協連:2014 年「消費税しらべ」報告

 

この2点目の特徴をグラフにしてみたのが以下です。

もともと消費税は低所得であればあるほど負担割合が高くなる弱い者いじめの税金ですが、消費税率8%になりそれがさらに加速しているということが実証されたわけです。

朝日新聞は3月26日付の記事「税の再分配機能、日本はなぜ弱いのか 格差問題を考える」の中で次のように指摘しています。

持てる者から取り、持たざる者に分配する。そんな再分配は、格差の広がりや固定化を防ぐために、税や社会保障が担っている大事な役割だ。しかし、日本の税は、その再分配機能が弱いといわれてきた。たとえば、2009年度の政府の経済財政白書は、「我が国は、税による再分配効果が極めて小さい」と指摘した。白書は、所得の偏り具合を表す指標(ジニ係数)が再分配でどれぐらい改善するかを、税と社会保障の効果に分けて外国と比較している。制度の違いから単純に比べられない面はあるものの、日本の税の再分配力は当時の経済協力開発機構(OECD)21カ国の中で最低だった。

出典:朝日新聞3月26日付「税の再分配機能、日本はなぜ弱いのか 格差問題を考える」

 

2009年度の時点で「日本の税の再分配力は当時の経済協力開発機構(OECD)21カ国の中で最低だった」わけですから、上記の日本生協連の調査報告を加えれば、2014年4月からの消費税率8%への増税によって、さらに「日本の税の再分配力」を低くしたことは明らかでしょう。

そして、上記はOECDが昨年12月に発表した「所得格差は経済成長を損なうか?」の結論部分です。見ての通り、「所得格差の趨勢的な拡大は、経済成長を大幅に抑制している」ということが結論です。

ですので、安倍政権の消費税増税路線や「成長戦略」等というのは、じつは格差拡大をもたらして経済成長を大幅に抑制する「反成長戦略」にすぎないということです。

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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