安倍首相「最低賃金を大幅に上げた」→事実は実質最低賃金を初めて切り下げた史上最悪の賃下げ政策がアベノミクス、日本の最賃は主要国最低でオランダのわずか66%しかない

安倍首相は、今回の参議院選挙にあたっての「自民党総裁挨拶」で次のように述べています。

今世紀最高水準の賃上げが、一昨年、昨年に続き、今年の春も、3年連続で実現。パートの皆さんの賃金も過去最高です。まだ道半ばではありますが、アベノミクスは、確実に「結果」を生み出しています。(自民党総裁挨拶

すでに何度も指摘していますが、下のグラフにあるように、実質賃金はアベノミクスでリーマンショックより下がり、26年間で最低で、アベノミクスの3年間で一度も賃金が上がったことはありません。

安倍首相の言う「今世紀最高水準の賃上げ」は、日本の企業全体のわずか0.00745%を占めるにすぎない大企業正社員の賃上げを、あたかも労働者全体であるかのように言うペテンです。(※「日本の企業全体のわずか0.00745%を占めるにすぎない大企業正社員の賃上げ」については、以前の記事「日本の労働分配率はこの30年で2割減、アメリカの3倍も激減=日本企業の内部留保は過去最高で貧困は過去最悪」で紹介していますので参照ください)

それから、安倍首相は参院選関連のテレビ討論や街頭演説で最賃賃金を民主党政権時よりも大幅に引き上げたと繰り返していますが、この点については、以前の記事「最低賃金はアベノミクスで民主党政権より上がった?→事実はアベノミクスの実質最低賃金の引き上げ率は民主党政権の半分以下、全世界同時アクションで #最低賃金を1500円に」ですでに指摘済みです。

これをOECDの国際比較でも確認してみましょう。

下のグラフと表は、OECDによる実質最低賃金(購買力平価、年間ドル)の推移です。

上のグラフにあるように、日本の実質最低賃金は主要国の中で最低で、下のグラフにあるように、オランダの66%という低い水準です。

そして、下のグラフにあるように、アベノミクスで実質最低賃金は下がってしまっています。現在、OECDのデータは2014年までの15年間だけですが、データのある15年間で実質最低賃金を下げたのはアベノミクスの2014年だけなのです。

アベノミクスは実質賃金も下げているし、実質最低賃金も下げている史上最悪の賃下げ政策というのが事実です。

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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