安倍政権の4年間で労働者の賃金は54万円消えた――過去最低の実質賃金と過去最高の内部留保を生んだアベノミクス

厚生労働省のサイトにアップされている「毎月勤労統計調査」の中にある実質賃金は1990年までさかのぼることができます。直近の2016年までの実質賃金のグラフをつくってみました。

グラフにあるように、今の安倍政権の2013年から2016年の4年間の実質賃金は、いずれも過去最低を記録しています。ようするにアベノミクスは史上最悪の賃下げ経済政策を4年間続けたわけです。

そして、安倍政権が始まる直前の2012年の実質賃金に、国税庁「民間給与実態統計調査」の2012年の平均給与408万円をあてはめて起点として計算すると、グラフにあるように、2013年は404万円、2014年は393万円、2015年は389万円、2016年は392万円となります。

賃金のマイナス幅は、2012年と比べて2013年はマイナス4万円、2014年はマイナス15万円、2015年はマイナス19万円、2016年はマイナス16万円となります。安倍政権以前の2012年を起点にすると、安倍政権の4年間の累積合計で賃金は54万円も消えてしまったことになるのです。

一方、財務省の2016年度の「法人企業統計」によると、企業の内部留保は前年度より約28兆円多い406兆2,348億円と、過去最高を更新し、経常利益も前年度より9.9%増の74兆9,872億円で過去最高です。

アベノミクスの4年間で、労働者の賃金は過去最低になり、企業の内部留保と経常利益は過去最高になっているのに、安倍首相はさらに残業代ゼロ、裁量労働制拡大の「定額¥働かせ放題」「過労死促進」法案の強行や、消費税増税の実施などを目指しています。臨時国会冒頭での解散総選挙の流れが強まっていますが、今度の総選挙では安倍政権を退場させて、労働者の命と暮らしを守る政治の流れをつくっていく必要があります。

(※9月19日に同趣旨の記事とグラフをアップしましたが、90年代の実質賃金の数字が間違っているのではないかとのご指摘があり訂正させていただきました。元の9月19日の記事は削除しています。m(_ _)m )

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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