史上最悪の消費不況もたらした安倍政権=リーマンショック超えた家計消費支出15カ月連続減、35年間で最低の消費支出となった2016年

  • 2017/9/22
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先のエントリー「安倍政権の4年間で労働者の賃金は54万円消えた――過去最低の実質賃金と過去最高の内部留保を生んだアベノミクス」に対して、「アベノミクスで景気が良くなってるんだから日本経済には何の問題もないのだ」と言ってくる人がいました。そうですか、それでは日本経済(GDP)の6割を占める家計消費の動向を見ておきましょう。

下のグラフは、総務省「家計調査」の家計消費支出(2人以上の世帯の年平均実質指数)をグラフにしてみたものです。

上のグラフは見栄え上、1992年から作っていますが、総務省データを確認すると1982年から2016年までの35年間の中で2016年の家計消費支出98.4は最低の数字です。

直近の総務省のデータを見ても、2017年7月の家計消費支出は実質で前年同月に比べマイナス0.2%で、産経新聞でさえ以下のように報道しています。

【景測2017】雇用・所得堅調も消費支出低迷 「好循環」道半ば 7月統計
産経新聞 2017年8月30日付

消費回復の足取りがおぼつかない。総務省が29日発表した7月の1世帯当たり消費支出は、2カ月ぶりに前年実績を下回った。厚生労働省が同日発表した7月の有効求人倍率は5カ月連続で改善するなど雇用・所得環境は堅調だが、食料品の値上げなども相次ぎ、消費拡大につながる好循環実現の道のりは険しい。
総務省の7月の2人以上世帯の家計調査によると、1世帯当たりの消費支出は27万9197円。物価変動を除く実質で前年同月に比べて0・2%減った。6月は16カ月ぶりにプラスに浮上したばかりだった。

 

そして、共同通信、毎日新聞、日本経済新聞の指摘です。

消費支出15カ月連続減 最長更新、5月0・1%
共同通信 2017年6月30日付

総務省が30日発表した5月の2人以上世帯の家計調査によると、1世帯当たりの消費支出は28万3056円で、物価変動を除いた実質で前年同月比0・1%減だった。マイナスは15カ月連続で、比較可能な2001年以降で最長を更新した。衣料品や食品への支出額が低迷した。
家計の節約志向が根強く、消費の停滞が長期化していることを裏付けた。これまでの最長はリーマン・ショックを挟んだ08年3月~09年4月の14カ月連続だった。
自営業などを除いたサラリーマン世帯の消費支出は実質2・3%増の31万5194円で、2カ月ぶりの増加。実収入は1・7%減の42万1497円と3カ月連続で減少した。

 

 

エンゲル係数:16年、25.8% 29年ぶり高水準 食料品値上がり、所得は伸び悩み
毎日新聞 2017年2月18日付

2016年のエンゲル係数(家庭の消費支出全体に占める食費の比率)が25・8%と4年連続で上昇し、1987年以来29年ぶりの高水準となったことが17日、総務省の調査で分かった。所得が伸び悩む中、食料品が値上がりし、食費以外の生活費を切り詰める節約志向が強まっていることを反映した。
総務省が発表した16年の家計調査(2人以上の世帯が対象)によると、消費支出は28万2188円。物価変動の影響を除いた実質では前年比1・7%減と3年連続で減少した。食料品の支出は7万2934円で前年より1090円増加。天候不順で高騰した野菜や調理済み食品の支出が増えた。
この結果、エンゲル係数は前年より0・8ポイント上昇。支出全体のほぼ4分の1を食費に充てたことになる。
エンゲル係数は、生活水準が高くなるにつれて数値が低くなる経済指標として知られる。日本では戦後長く下落傾向が続き、記録がある70年には34・1%だったが、05年には22・9%に低下。しかし、第2次安倍政権発足後の13年以降は上昇に転じた。

 

なぜ消費不況なのか
日本経済新聞 2016年8月9日付

日本経済低速の主因は消費である。超低金利政策と円安による企業収益の改善が設備投資を増やし、その波及効果で消費が活性化するというシナリオが成立しなかったのである。また、金融緩和政策による株高も、消費に波及せず、所得と資産の格差を拡大しただけに終わっている。
消費不振は国際比較に鮮明だ。今年の第1四半期までの3年間の消費の伸びは、マイナス1.2%(実質)と主要先進国のなかで唯一のマイナスだ。米国は8.2%、欧州連合(EU)は5.1%伸びている。結果的に国内総生産(GDP)成長率は米国の6.7%、EUの5.1%に対して、1.4%にすぎない。
消費不振の第1の要因は、賃金の落ち込み、労働分配率の低下である。米国とは全く逆だ。

ようするに、リーマンショック時よりもさらにひどい消費支出15カ月連続減を記録し、史上最悪の消費不況をもたらしたのが安倍政権だということです。これのいったいどこを見て、「アベノミクスで景気が良くなってるんだから日本経済には何の問題もないのだ」などと言えるのでしょうか。

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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