〈佐川宣寿国税庁長官〉苦情殺到の国税庁職員に「年明け以降の確定申告で苦労かける」と語るも謝罪なし

「カケモリ問題」の一角である森友学園問題において、国有地売却の交渉記録を、国会で「破棄した」と答弁した財務省の佐川宣寿前理財局長。安倍政権への論功行賞で今年7月から国税庁長官として徴税事務のトップに立ちました。このことで、税務署の現場の職員は納税者の苦情の矢面に立たされています。

こうしたなか前回、「〈佐川宣寿国税庁長官〉苦情殺到の矢面に立たされている国税庁職員にも謝る姿勢なし」という記事で、全国税との団体交渉での佐川国税庁長官のとんでもない姿勢を紹介しました。その続編になります。

 

 交渉冒頭 佐川長官が職場へ表明
 「納税者から様々なご意見あること承知」
 「特に年明け以降ご苦労をおかけする」
 (機関紙「全国税」2017年12月11日付)

佐川長官 年が明ければいよいよ確定申告が始まることになるが、円滑な確定申告ができるよう対応をお願いすることとなる。また、現場において納税者から様々なご意見がよせられていることも承知している。
このように、職員の皆さんには、特に年明け以降ご苦労をおかけすることとなる。そのような中で、適正・公平な課税徴収の実現のため、現場で職務に精励し、また、ご苦労されている職員の皆さんのご尽力は、納税者と信頼ある税務行政を築くうえで大変重要であり、この件に関して、まず私自身、心から感謝の気持ちをお伝えしたい。

全国税協議会 一度失った信頼関係を取り戻すことは、並大抵の努力では済まない。再度聞くが職員に長官として冒頭以上の発言はないのか。

当局 様々な苦情に対しても適切に対応していると認識している。引き続き適切な対応をしていきたい。

全国税協議会 多数の納税者と接する期間であり、長官に対する苦情等の対策をとること。

この問題での、前回の団体交渉での佐川国税庁長官の回答は、「職員の皆さんが高い使命感を持って職務に精励していることに感謝申し上げる。事務の簡素化、効率化に務めながら、職員の健康にも配慮し、明るく風通しのよい職場を作りたい。」というまったく反省のないものでした。これと比べれば、「現場において納税者から様々なご意見がよせられていることも承知している」「職員の皆さんには、特に年明け以降ご苦労をおかけすることとなる」「ご苦労されている職員の皆さんのご尽力は、納税者と信頼ある税務行政を築くうえで大変重要であり、この件に関して、まず私自身、心から感謝の気持ちをお伝えしたい」と、一応、佐川氏自身が国税庁長官になったことで納税者から苦情がよせられ、現場の職員が苦労し、税務行政の信頼が揺らいでいるという客観的事実だけは初めて認めたわけです。

しかし結論は前回と同様、現場の職員にも納税者にも謝罪はせず、「感謝」だけして、「様々な苦情に対しても適切に対応している」というだけです。

確定申告の年明け以降に、職員へ苦労をかけない唯一の方法は、ただちに佐川氏が記者会見を開き、森友問題の真相を語り、納税者と職員に謝罪し、国税庁長官を辞任するほかないと思います。

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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