長時間労働で睡眠6時間未満が4割、主要国で睡眠時間が最も短い日本で多発する自殺・過労死・精神障害

  • 2016/11/23
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NHKの報道です。

1日の平均睡眠時間 成人の約4割“6時間未満”
NHKニュース 11月19日 4時20分

1日の平均睡眠時間を厚生労働省が調査したところ、成人のおよそ4割が「6時間に満たない」と回答したことがわかりました。睡眠時間の妨げになっている要因では仕事や家事という回答が多く、厚生労働省は、背景に長時間労働や共働きの増加があると分析しています。

厚生労働省は、睡眠時間や健康状況などについて毎年アンケート調査を行っていて、去年11月に全国のおよそ3500世帯から回答を得ました。

その結果、成人の中で1日の平均睡眠時間が「6時間に満たない」と回答した人は39.5%と、前の年を2.9ポイント上回り、調査を始めた平成17年以降で最も多くなりました。

このうち、「睡眠時間が足りなかった」と回答した人は男性で34.6%、女性で39.5%で、「日中に眠気を感じた」と回答した人も男性で44.5%、女性で48.7%に上りました。

また、睡眠時間の妨げになっている要因を複数回答で聞いたところ、男性では「仕事」が37.7%で最も多く、次いで「健康状態」が14%でした。

一方、女性では「家事」が21%で、「仕事」が19.7%でした。

厚生労働省は、睡眠時間が短い背景には長時間労働や共働きの増加があると分析したうえで、「健康を維持していくために睡眠時間の十分な確保に必要な施策を検討したい」と話しています。

 

国立精神・神経医療研究センターの研究によると、ウィークデイに相当するわずか5日間の睡眠不足により、不安・抑うつ傾向が強まり、不安障害や気分障害(うつ病)のリスクが高まることが分かっています。また、厚生労働省研究班が救命救急センターに運ばれた自殺未遂者を対象として行った調査によると、自殺者の平均睡眠時間は5時間と短いことが分かっています。

そうすると、睡眠時間が短いことは自殺のリスクにつながるのだろうと今回の厚労省「国民健康・栄養調査」の睡眠時間データでグラフをつくってみました。

上のグラフは、今回の厚労省調査の2015年の年齢別で睡眠6時間未満の割合(男性)と、厚労省「自殺対策白書」の年齢別自殺死亡率を見たものです。明らかに睡眠時間が短いと自殺率が高いということが分かります。

男性では睡眠の妨げになっている要因は長時間労働ですから、「過労死等防止対策白書」で紹介されている総務省「労働力調査」の1週の就業時間が60時間以上の割合と自殺死亡率でグラフをつくってみたものが以下です。

長時間労働と自殺率の高さは相関しています。それから、過労死・過労自殺についてもグラフをつくってみたものが以下になります。

そして、下図にあるように、日本の睡眠時間はOECDによると男女ともに国際的に最も短くなっているのです。自殺・過労死・過労自殺・精神障害をなくすためにも、心身の健康のためにも、長時間労働の是正は急務なのです。

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井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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