アベノミクスの失敗を明確に示す主要国最低のGDP成長率=民主党政権の3分の1以下、世界経済全体の5分の1以下の低成長続けるアベノミクスこそ世界経済のリスク

NHKニュース(6/5)によると、公明党の山口代表が名古屋市で街頭演説し、「アベノミクスが失敗したなどと言っている野党がいるが、一体どこを見ているのか」と述べ、アベノミクスの成果を強調したとのこと。アベノミクスが失敗している事実については、前回のエントリー「安倍首相「参院選の最大争点はアベノミクス加速か後戻り」→後戻りするだけで労働者世帯の可処分所得21万円増、アベノミクス加速で日本のタックスヘイブン化進み貧困と格差は極まり日本経済こそリスクになる」でいくつかの客観的なデータを示しましたが、これについて「ウソのデータばかり並べるな」という批判のコメントが寄せられましたので、先進主要国クラブとも呼ばれているOECDの客観的なデータを紹介しておきます。(※前回エントリーのデータもすべて政府関連機関からの客観データなのでどこにも「ウソのデータ」など無いのですが)

経済成長をはかる客観データとして一番の基本的なデータはGDPです。OECDによる主要国のGDP成長率をグラフにしてみたのが以下になります。

上のグラフの数字は以下の表になります。

アベノミクスは、2013~2015年です。2014年、2015年と主要国の中で最低のGDP成長率です。直近2015年の0.55%という数字は、世界経済平均の2.97%の5分の1以下、OECD平均の2.07%の4分の1程度です。(※繰り返しますが、これは先進主要国クラブであるOECDの生データで、ウソではありませんから)

NHKニュースによると、安倍首相は次のように語ったとのことです。

安倍総理大臣は、来月投票が行われる参議院選挙について、「アベノミクスを前に進めていくのか、やめてしまうのかを決める選挙戦だ。アベノミクスは道半ばだが、やっとここまで進んできた道を後戻りしていいわけはない。後戻りすれば混乱の4年前に戻ってしまう」と述べ、アベノミクスの是非を争点に位置づけて勝利を目指す考えを重ねて示しました。

NHKニュース 6月7日 16時51分

6月1日の消費税増税再延期を表明した記者会見でも「この道を力強く前に進んでいこうではありませんか。4年前のあの低迷した時代に後戻りさせてはなりません」と安倍首相は述べていますが、上のグラフと図表の4年前である2012年のGDP成長率を見てください。民主党政権下の2012年のGDP成長率は1.74%とアベノミクス下の3年のどの数字より上です。そして、民主党政権下の1.74%は、アベノミクス3年目の0.55%の3倍以上の成長率なのですから、「後戻り」したら「低迷」するというのも安倍首相の大ウソです。アベノミクスによって日本経済は「低迷」したというのが客観的な数字が示す事実です。

「アベノミクスが失敗したなどと言っている野党がいるが、一体どこを見ているのか」と言う公明党の山口代表に対しては、「アベノミクスが成功したなどと言っている与党がいるが、一体どこを見ているのか」と言うほかありません。

それから、OECDは、世界経済の見通しの報告書を次のように発表しています。

主要先進諸国の中でも、米国では緩やかな回復基調が続き、2016年の成長率は1.8%、2017年は2.2%になると予測されています。ユーロ圏は徐々に改善して、2016年は1.6%、2017年は1.7%の伸びになるとみられています。日本は2016年が0.7%、2017年は0.4%の伸びになる見込みです。OECD加盟34か国全体では、2016年は1.8%、2017年は2.1%の伸びに、世界経済全体では2016年は3.0%、2017年は3.3%の伸びになると、本報告書では予測しています。

上のグラフを見れば、日本こそ世界経済のリスクであることが一目瞭然です。このOECDの世界経済の見通しでも、日本の成長率は2016年が世界経済全体の4分の1程度、2017年が8分の1程度とおそろしく低成長で、ここでも安倍首相が言うのとは逆に日本経済こそがリスクです。こうしたアベノミクスの一体どこが成功していると言えるのでしょうか?

★国公労連の月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)

▼『KOKKO』2015年9月号 創刊号
〈特集〉官製ワーキングプア
非正規国家公務員をめぐる問題――歴史、現状と課題
早川 征一郎 法政大学名誉教授
座談会 官製ワーキングプア 国が生む貧困と行政劣化
山﨑 正人 国土交通労働組合書記長
竹信 三恵子 和光大学教授/NPO法人「官製ワーキングプア研究会」理事
鎌田 一 国公労連書記長
ハローワークで働く非常勤職員
〈創刊記念インタビュー〉
根深い自己責任論と無責任な安倍政権の「安保法制」
――他の国に代えられない憲法9条による国際貢献を
平野 啓一郎 作家
〈連載〉国公職場ルポ 第1回
[日本年金機構の有期雇用職員]
8,000人雇い止めと外部委託で年金個人情報はダダ漏れ
藤田 和恵 ジャーナリスト
〈連載〉ナベテル弁護士のコラムロード 第1走
「ゆう活」に見える安倍政権のブラック企業的体質
渡辺 輝人 弁護士
〈リレー連載〉運動のヌーヴェルヴァーグ 藤田孝典⑤
労働組合はもう役割を終えたのか ―労働組合活動の復権に向けて―
藤田 孝典 NPO法人ほっとプラス代表理事
〈連載〉スクリーンに息づく愛しき人びと その1
階級連帯の内と外──『パレードへようこそ』ほか
熊沢 誠 甲南大学名誉教授 ほか

▼『KOKKO』2015年11月号 第2号
〈特集〉2015年人事院勧告
国家公務員賃金の社会的な意味
森岡孝二 関西大学名誉教授
[連載]国公職場ルポ 第2回
[社会保険庁職員525人の不当解雇]
年金スキャンダルの報復とクビ切りの実験台
藤田和恵 ジャーナリスト ほか

▼『KOKKO』2015年11月号 第3号
〈特集〉疲弊する研究現場のリアル
〈座談会〉悪化する研究環境とポスドク若手研究者の無権利
国立研究機関で働くポスドク当事者
榎木英介 科学・技術政策ウォッチャー
早稲田問題のその後
松村比奈子 首都圏大学非常勤講師組合委員長
国立大学の運営問題と人文系学部廃止騒動について
「戦争法」と急進展する軍事研究
――国立研究機関アンケートから研究者の社会的責任を考える
池内 了 名古屋大学名誉教授
[連載]国公職場ルポ 第3回
[年金機構の正規職員とブラックな外部委託]
メンタル疾患の悪循環と社員110人に賃金未払い
藤田和恵 ジャーナリスト ほか

▼『KOKKO』2015年12月号 第4号
〈特集〉戦争法と国家公務員
インタビュー
戦争法廃止の展望と安倍政権の野望
渡辺 治 一橋大学名誉教授
SEALDs KANSAI塩田潤さんに国公青年が訊く
戦争法と各行政
無権利な自衛隊員と戦争法
安全配慮義務違反の戦争法発動
菅 俊治 日本労働弁護団事務局長/弁護士
[連載]国公職場ルポ 第4回
[ハローワークの非常勤とダンダリン(監督官)]
―非常勤をパワハラ雇い止めするハローワーク
ブラック企業に説教するブラック労働行政
藤田和恵 ジャーナリスト ほか

▼『KOKKO』2016年1月号 第5号
〈特集〉国家公務員の働き方改革を問う
〈霞が関で働く国家公務員座談会〉
霞が関不夜城で3千人が過労死の危機
「ゆう活」実態アンケートの結果について
個人番号制度と国家公務員
[連載]国公職場ルポ 第5回
[国土交通省東北地方整備局]
―人と予算足らず「官から民へ」のPPPで震災復興
旭化成建材の杭打ちデータ偽装と同様の危険性も
藤田和恵 ジャーナリスト ほか

▼『KOKKO』2016年2月号 第6号
〈特集〉公務員のお給料
日本の公務員賃金
「決め方」「水準」「支払い方」と労働基本権
早川征一郎 法政大学名誉教授
国家公務員のキャリア組ってなに?

▼『KOKKO』2016年3月号 第7号
〈特集〉被災地の公務員
インタビュー
憲法9条を守るだけでなく「戦争とテロを止める国」へ
高遠菜穂子 イラク支援ボランティア
〈特集〉被災地の公務員
福島原発の廃炉・除染作業に従事する労働者を守るため奔走
富岡労働基準監督署の仲間たち
東日本大震災から5年、国土交通省の職場は ほか

▼『KOKKO』2016年4月号 第8号
〈特集〉国家公務員の職場って?
各行政の現場から
労働/厚生/医療/情報通信/法務/税関/
経済産業/司法/気象/公共事業/運輸/航空
〈VOICE〉国公職場で働く青年から
〈座談会〉民間から見た公務の働き方 ほか

▼『KOKKO』2016年5月号 第9号
〈特集〉再検証「官から民へ」
誰が「橋下徹」をつくったか
松本 創 フリーライター インタビュー
「ハローワークの民営化」問題
官製ワーキングプア化する委託労働者
対談「最低賃金1500円」の新しい波
藤田孝典 NPO法人ほっとプラス代表理事
小林俊一郎 AEQUITASメンバー ほか

▼『KOKKO』2016年6月号 第10号
〈特集〉国立大学クライシス
学生を苦しめる高学費・奨学金ローン地獄
国立大学法人化で論文数減
経済界主導の「大学改革」
止まらぬ教職員の非正規化 ほか

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)本部書記、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

この著者の最新の記事

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

ピックアップ記事

  1. 紹介してきた中野晃一上智大学教授へのインタビューの最後になります。 あわせて冒頭に中野先生が昨…
  2. 国公労連(日本国家公務員労働組合連合会)の機関誌として発行してきた『国公労調査時報』を9月から新雑誌…
  3. 私が企画・編集した座談会「生涯派遣・ブラック企業暴走の労働法制大改悪は許さない」(『国公労調査時報』…
  4. (※2014年9月23日にテレビ東京で放送された「ガイアの夜明け もう泣き寝入りしない!~立ち上がっ…

ピックアップ記事

  1. 2015-8-16

    〈安倍70年談話〉アメリカに尽くすことのバーターとして許された範囲内の歴史修正主義、念頭にないアジア諸国との和解◆DV男のような安倍政権のシナリオつぶそう|中野晃一上智大学教授

    紹介してきた中野晃一上智大学教授へのインタビューの最後になります。 あわせて冒頭に中野先生が昨…
  2. 2015-8-10

    新雑誌『KOKKO(こっこう)』(堀之内出版)9月創刊!★〈特集〉官製ワーキングプア

    国公労連(日本国家公務員労働組合連合会)の機関誌として発行してきた『国公労調査時報』を9月から新雑誌…
  3. 2015-8-5

    今でも世界最悪の日本の派遣労働 – 安倍政権が狙うさらなる改悪で生涯不安定・低賃金・正社員雇用は不要に

    私が企画・編集した座談会「生涯派遣・ブラック企業暴走の労働法制大改悪は許さない」(『国公労調査時報』…
ページ上部へ戻る