アベノミクスは大震災以上に庶民の暮らしを破壊している=民主党政権下かつ東日本大震災下の2011年より勤労者世帯実収入も家計消費支出も減少させているアベノミクス

  • 2015/11/2
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上記は、総務省が10月30日に発表した「家計調査」の結果です。勤労者世帯の実収入は実質で1.6%減少し消費支出が実質0.4%減になっています。過去最高を更新している大企業の大儲けが家計には全く及んでいないことを改めて明らかにしています。安倍政権の言うトリクルダウンなどまったく起きていないのです。

安倍首相はちょうど1年前の昨年11月、こう言っていました。

安倍首相「アベノミクス解散だ」 恩恵実感できるのは「来年」

――国民はいつアベノミクスの恩恵を実感できるのか

「実感がない、という人が多いのは承知している。しかし賃上げは毎年4月、年に1回しか行われない。去年の4月は政権を取ってすぐで、政策が反映されなかった。今年は反映され、賃金が2%以上あがった。これを来年、再来年と続けていくことによって、実感してもらえるだろう。今年より来年は間違いなくよくなると思う」

(サンスポ 2014年11月22日付)

 

安倍首相が自慢する「賃上げ」が大ウソであることは、総務省の「家計調査」で勤労者世帯の実収入が減ってしまっている事実からして明らかなのですが、そのカラクリは「日本の労働分配率はこの30年で2割減、アメリカの3倍も激減=日本企業の内部留保は過去最高で貧困は過去最悪」で指摘しておきました。

それで、上記の安倍首相の話だと、今年4月に賃上げされ、アベノミクスの「恩恵が実感できる2015年」が到来しているはずですし、自民党の新しいスローガンは「経済で、結果を出す」ですから、さぞかし「結果」が出ているに違いないということで、少し総務省の「家計調査」を見てみました。

 

上の2つのグラフは総務省「家計調査」に出てくる家計の消費支出の直近と、同月の民主党政権下の家計の消費支出です。直近のグラフは安倍首相の言うところの、アベノミクスの「恩恵が実感できる2015年」でなければいけないのに、2014年4月から2015年9月までずっと2010年(平成22年)よりも低いままです。民主党政権下の方は、東日本大震災によって2011年(平成23年)3月から落ち込んでいますが、安倍政権下の方は見て分かる通り、アベノミクスの「恩恵が実感できる」どころか、民主党政権下かつ東日本大震災下よりも安倍政権のアベノミクスは家計の消費支出がずっと落ち込んだままなのです。(※民主党政権は2009年9月から2012年12月まで)

さらに総務省「家計調査」から数字を拾うと以下になります。

▼2010年=100(実質指数)
2011年 勤労者世帯実収入98.3 家計消費支出97.3
2012年 勤労者世帯実収入99.9 家計消費支出98.9
2014年 勤労者世帯実収入96.4 家計消費支出96.7

2011年8月 勤労者世帯実収入89.2 家計消費支出97.2
2012年8月 勤労者世帯実収入90.9 家計消費支出98.2
2015年8月 勤労者世帯実収入87.0 家計消費支出95.0

上の数字を見て分かる通り、民主党政権下かつ東日本大震災下の2011年よりもアベノミクスは勤労者世帯の実収入も家計消費支出も落ち込んでいるのです。勤労者庶民にとってアベノミクスで「実感できる」のは家計の苦しさだけです。そしてすでに何度か指摘しているように、アベノミクスの「恩恵が実感できる」のは、大企業、大企業役員、富裕層、自民党のふところだけなのです。【※→「アベノミクスの2年で報酬1億円以上の役員は1.4倍増えワーキングプアは49.2万人増加、2014年民間給与の増加は消費税増税分にも遙か及ばず」「安倍首相「雇用100万人増、2年連続賃上げ」→政府統計で「正規雇用74万人減、実質賃金2年2カ月連続マイナス、GDP2年連続マイナス(年率換算)、貧困激増させ戦後最大の大企業・富裕層だけ豊かさ享受」「政府統計で見てもアベノミクスは貧困激増政策=実質賃金2年2カ月連続マイナス、先進諸国で日本だけ下がり続ける賃金、非正規率過去最大、役員賞与・配当・内部留保は急増し過去最高額」「アベノミクスで史上最低に落ち込んだ家計支出=リーマンショックの1.6倍のマイナス、20歳代の半数が貯蓄ゼロ、2014年度GDPマイナス、一方オリックス宮内氏の役員報酬は52億円アップ

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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