「テロには屈しない」とする対テロ戦争の14年間で一般市民の死者80倍増の3万2727人(2014年)、テロ増加と比例する貧困と格差の拡大、日本へのテロ生み出す安倍政権の戦争法ただちに廃止を

  • 2015/11/14
  • 「テロには屈しない」とする対テロ戦争の14年間で一般市民の死者80倍増の3万2727人(2014年)、テロ増加と比例する貧困と格差の拡大、日本へのテロ生み出す安倍政権の戦争法ただちに廃止を はコメントを受け付けていません。

(※上の画像は、自由人さんのツイートです)

パリ同時多発テロが発生しています。

 

【パリ同時多発テロ】死者150人以上 フランス全土に非常事態宣言

フランス・パリの複数箇所で11月13日、銃撃や爆発があった。BBCによると、コンサートホール「バタクラン劇場」で人質に取られていた約100人が死亡したという。オランド大統領はフランス全土に非常事態を宣言し、国境を封鎖。テレビ演説では「前例のないテロが起きた」と述べた。

The Huffington Post 2015年11月14日

以前、「対テロ戦争がテロ増殖させ犠牲者過去最多、罪なき子どもらの命奪うことになる安倍政権の戦争法案」や「テロ生み出す安倍政権の戦争法案を廃案に – 後藤健二さんらのシリア人質事件を受けて私たちに何ができるのか?」で指摘していますが、アメリカなどの対テロ戦争、報復行為と、安倍首相の「テロには屈しない」としてそうしたアメリカに協力していくことがテロを増殖させています。あらためて数字を見ておきましょう。

 

上の表にあるように、そもそも1960年代はテロ発生件数がゼロでした。

 

そして2001年9月11日にアメリカで同時多発テロが発生し同年11月、アメリカは対テロ戦争に突入しました。「テロには屈しない」などと言って報復戦争を開始する前年の2000年のテロによる死亡者数は上の表にあるように409人だったのです。

ところが直近の2014年のテロによる死者数は3万2727人にものぼっているのです。

 

テロによる死者数、昨年は8割増 米国務省が年次報告書
朝日新聞 2015年6月20日

米国務省は19日、2014年のテロ年次報告書を発表した。「イスラム国」(IS)など過激派の台頭で、テロによる死者数は前年と比べ8割増の3万2727人(前年1万8066人)、人質の数は前年比3倍以上の9428人(同3137人)に上った。

対テロ戦争を始める前の2000年には409人だったテロによる死者数は、対テロ戦争をへて2014年には3万2727人と14年間で80倍も増加したのです。

あわせて関連するデータも紹介しておきます。

上のグラフは、イラクボディーカウントのサイトに掲載されているイラク戦争によるイラク民間市民の犠牲者数です。少なく見積もったとしても14万5984人もの罪のない子どもや女性などを含むイラクの一般市民がアメリカなどの武力行使によって命を奪われたのです。米兵など戦闘員を含むイラク戦争全体の犠牲者の8割が罪のないイラク市民と言われています。

また、2001年9月の米同時多発テロ以降、民間人の死者はアフガンで約2万6270人、パキスタンで2万1500人に達しています。上のグラフは2007年以降のアフガンでの民間の死者

対テロ報復戦争が憎悪の悪循環になっていることはこうした数字を見るだけで明らかだと思います。そして、その憎悪の悪循環の背景には、世界規模での貧困と格差の構造上の問題もあると思います。貧困と格差の拡大とテロ増殖が比例しているとも言えるでしょう。(※下のグラフは、「派遣法改悪指南役の竹中平蔵パソナ会長がめざす貧困大国アメリカ ? 富裕層400人と庶民1億5千万人の所得が同じ、政治をカネで買い富が集中するシステムを構築、わずかな支援でも求めてくる人はたかり屋」から)

 

「イスラム国」 なぜ勢力拡大 イラク戦争の混乱に乗じテロ激化

昨年の国連安保理でチリ代表は「イスラム国」への対応について述べ「強圧的な措置だけでテロはなくせない。根本原因に対処せねばならず、最も効果的な手段は教育の充実、不平等の根絶、弱い立場の人々との協力だ」と指摘しています。

中東においては、パキスタンやイエメンで米軍による無人機攻撃で一瞬のうちに家族の命を奪われるなどの事例が頻繁にあります。パレスチナ自治区ガザではイスラエルによる度重なる軍事作戦で、子どもや女性を含む多数の民間人が殺りくされてきました。

湾岸産油国に目を向ければ、王族や一部の特権階級がオイルマネーで潤う一方、出稼ぎ労働者や女性への人権侵害など深刻な矛盾を抱えています。

祖国を離れて欧州などに住むイスラム教徒の移民2世や3世の境遇も、名前や出身によって就職差別などを日常的に受け、疎外感や絶望が蓄積されることも多い。

日本エネルギー経済研究所の保坂修司氏は、「とりわけ強い怒りや悩みを持つ者ほどジハード(イスラム世界防衛のための聖戦)に魅了されやすく、どこかで同胞が攻撃を受けていたら命を犠牲にしてでも助けたいという正義感に火がつく」と解説しています。

国際社会は、「イスラム国」根絶につながらないばかりか、一般人を巻き込んで新たな憎しみを増幅させる軍事的対応を控えるとともに、関係国が強固な協力体制を築いて過激組織を孤立させ、テロの芽を摘むことが何よりも求められています。
「しんぶん赤旗」2015年1月22日

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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