日本の教育への公的支出をOECD34カ国で最低とし、教育無償化に逆行して私費負担も増加させた安倍政権

 

OECD(経済協力開発機構)が9月12日、「図表で見る教育2017(Education at a Glance 2017)」を公表しました。その中から、小学校から大学までの教育機関への各国の公的支出(対GDP比)をグラフにしてみたものが以下になります

 

上のグラフにあるように、直近の2014年のデータで日本はOECD34カ国中最低、デンマークの半分程度しかない教育貧困国であることが一目瞭然です。(※日本がOECDで最低になったのは2012年のデータ以来です)

続いて、大学など高等教育への公的支出をグラフにしてみたものが以下です。

日本の高等教育への公的支出は、2008年から2013年まで6年連続でOECD最下位でしたが、7年連続の最下位はまぬがれました。しかし、上記グラフにあるように日本は最低レベルが続いていることにかわりなく、フィンランド、エストニア、オーストリア、ノルウェー、デンマークの3分の1以下という低い水準です。

安倍首相は「教育無償化へ憲法改正が必要」などと言っていますが、高等教育における私費負担の割合をこのOECDデータで確認してみると、前回の2013年の高等教育の私費負担割合は64.75%でしたが、今回の2014年では65.90%と1%以上増えているのです(OECD平均は30%)。また、高校までの教育の私費負担の割合も増えています。

ようするに、安倍首相は「教育無償化へ憲法改正が必要」などと言っておきながら、実際にやっていることは、教育無償化どころか逆に教育費の自己責任化に拍車をかけているのです。

また、安倍首相は「教育無償化へ憲法改正が必要」などと憲法を改正しなければ教育無償化が実現できないかのように言っていますが、大学の授業料が無償であったり、日本よりもはるかに学費が安い国の憲法のほとんどに、「教育は無償にする」とか「学費は安くする」などということは書かれていません。教育無償化は政策の問題で、憲法に書かれているかどうかの問題ではないことが、実際に教育無償化へ努力している他国の教育政策を見れば明らかです。

(※「図表で見る教育2017(Education at a Glance 2017)」の中には、高等教育機関の理工系分野に占める女性の学生の割合が日本は13%と加盟国中最低だったことや、国公立学校の教員の年間勤務時間は1,891時間で、OECD平均の1,608時間より283時間も長時間労働になっていることなども明らかになっています。)

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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