参院選「無党派層は野党に投票」(出口調査結果)が大きな動きにならないよう「無党派層は(投票に行かずに)寝ていてくれれば」という報道だったNHK

すでに山崎雅弘さんがツイッターで、水島宏明さんがYahoo!ニュースで指摘されていますが、今回の参議院選挙に関するNHKの報道は異常でした。

今後、メディア関連の研究者らがより深い分析をされるでしょうが、「NHKオンデマンド」でニュースを過去1週間分振り返ることができますので、7月4日から9日までの6日間を、備忘録として以下キャプチャしておきます。

以下は、7月4日(月)のNHKニュースの項目です。「おはよう日本」では、「都知事選」の次に参院選の報道で、ほかには「news watch9」のみの報道です。

上記だけでも驚きですが、なんと「おはよう日本」の「今週の予定」(以下がキャプチャ画像)の7月10日(日)の欄には、「参議院選挙投開票日」の文字がありません。「参院選隠し」が一目で分かる報道をしていたのです。

つづいて、7月5日(火)が以下です。参院選投票日の5日前ですが、都知事選の報道は繰り返しあるのに、参院選は「news watch9」で「党首を追って」のみです。(「党首を追って」は国政選挙で必ずやっている企画物ですね)

7月6日(水)も以下のように、都知事選報道は繰り返しされていますが、参院選については5日と同様、「news watch9」で「参院選 各党党首を追って」のみです。しかも「news watch9」は、トップニュースから立て続けに6つの項目が都知事選の報道になっています。

いよいよ参院選投票3日前の7月7日(木)が以下。この日は、「おはよう日本」のみで「参院選 投票日まで残り3日」と報道し、しかも、一切参院選を報道しない「news watch9」に並ぶニュース項目は「?」が浮かぶものばかりです。

投票2日前に迫った7月8日(金)が以下。かろうじて「おはよう日本」のみで参院選をつけたしのように報道。そして、驚くべきことに、参院選投票前の最後の放送になった「news watch9」には一切参院選の報道なしです。加えて、参院選の報道はないのに、都知事選の報道は「NEWS7」と「news watch9」でトップニュースになっています。

そして前日の7月9日(土)。かろうじて、各ニュースで「参院選あす投票日 最後の訴え」があるも、3番目、4番目、2番目の報道になってしまっています。

こうしたNHKの「参院選隠し」がどういった意味を持つのかが、大変よく分かる「毎日新聞」の報道です。

参院選
無党派は野党へ 出口調査
毎日新聞2016年7月11日

共同通信社が10日に実施した参院選の出口調査で、「支持政党はない」と答えた無党派層は21%だった。全国32の「1人区」(改選数1)について無党派層の投票行動を分析すると、野党統一候補に投票したという回答は56%で、自民候補の38%を上回った。

「野党統一候補」が「自民候補」より多かったのは26選挙区で、このうち11選挙区で実際に野党統一候補が勝利した。調査では山形、新潟、愛媛、沖縄では「野党統一候補」が7割前後を占めた。

2013年の前回参院選の出口調査では、無党派層の1人区(当時は31選挙区)での投票先は、自民43%▽民主(当時)18%▽共産14%▽生活、社民、野党系無所属など計13%??という回答だった。今回は、民進、共産、社民、生活4党の協力が無党派層への浸透に一定の効果を生んだといえる。

ただ、出口調査では自民支持層が38%で、無党派層の倍近くに上った。無党派層が動くと投票率を押し上げる傾向があるが、今回、投票率は前回から大幅に増えなかったため、結果的には、1人区で自民候補が大きく勝ち越した。

選挙区全体では、無党派層の32%が民進候補に、25%が自民候補に投票したと答えた。比例代表での無党派層の投票先は「民進」(23%)と「自民」(22%)がほぼ並んだ。

 

▼上記の共同通信の出口調査(※グラフは日経サイトから)

朝日新聞も次のように報道しています。

無党派層、比例投票先は民進と自民互角 朝日出口調査
朝日新聞2016年7月11日06時29分

出口調査で支持政党を尋ねたところ、過去の参院選では2割を占めていた無党派層が減少し、13%しかいなかった。無党派層の一部が今回は投票所に足を運ばなかった可能性がある。一方、無党派層の比例区投票先は、民進と自民の19%に次いで共産党の13%、おおさか維新の会の11%、政治団体「支持政党なし」の10%などに分散した。

そして、水島宏明さんは「参議院選挙への無関心はテレビのせい!?と言えるワケ」と指摘し、山崎雅弘さんは以下の一連のツイートをしています。

最後に、「総統閣下はマスコミ幹部と会食中です。」をぜひ。

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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