参院選「無党派層は野党に投票」(出口調査結果)が大きな動きにならないよう「無党派層は(投票に行かずに)寝ていてくれれば」という報道だったNHK
- 2016/7/11
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すでに山崎雅弘さんがツイッターで、水島宏明さんがYahoo!ニュースで指摘されていますが、今回の参議院選挙に関するNHKの報道は異常でした。
今後、メディア関連の研究者らがより深い分析をされるでしょうが、「NHKオンデマンド」でニュースを過去1週間分振り返ることができますので、7月4日から9日までの6日間を、備忘録として以下キャプチャしておきます。
以下は、7月4日(月)のNHKニュースの項目です。「おはよう日本」では、「都知事選」の次に参院選の報道で、ほかには「news watch9」のみの報道です。
上記だけでも驚きですが、なんと「おはよう日本」の「今週の予定」(以下がキャプチャ画像)の7月10日(日)の欄には、「参議院選挙投開票日」の文字がありません。「参院選隠し」が一目で分かる報道をしていたのです。
つづいて、7月5日(火)が以下です。参院選投票日の5日前ですが、都知事選の報道は繰り返しあるのに、参院選は「news watch9」で「党首を追って」のみです。(「党首を追って」は国政選挙で必ずやっている企画物ですね)
7月6日(水)も以下のように、都知事選報道は繰り返しされていますが、参院選については5日と同様、「news watch9」で「参院選 各党党首を追って」のみです。しかも「news watch9」は、トップニュースから立て続けに6つの項目が都知事選の報道になっています。
いよいよ参院選投票3日前の7月7日(木)が以下。この日は、「おはよう日本」のみで「参院選 投票日まで残り3日」と報道し、しかも、一切参院選を報道しない「news watch9」に並ぶニュース項目は「?」が浮かぶものばかりです。
投票2日前に迫った7月8日(金)が以下。かろうじて「おはよう日本」のみで参院選をつけたしのように報道。そして、驚くべきことに、参院選投票前の最後の放送になった「news watch9」には一切参院選の報道なしです。加えて、参院選の報道はないのに、都知事選の報道は「NEWS7」と「news watch9」でトップニュースになっています。
そして前日の7月9日(土)。かろうじて、各ニュースで「参院選あす投票日 最後の訴え」があるも、3番目、4番目、2番目の報道になってしまっています。
こうしたNHKの「参院選隠し」がどういった意味を持つのかが、大変よく分かる「毎日新聞」の報道です。
参院選
無党派は野党へ 出口調査
毎日新聞2016年7月11日共同通信社が10日に実施した参院選の出口調査で、「支持政党はない」と答えた無党派層は21%だった。全国32の「1人区」(改選数1)について無党派層の投票行動を分析すると、野党統一候補に投票したという回答は56%で、自民候補の38%を上回った。
「野党統一候補」が「自民候補」より多かったのは26選挙区で、このうち11選挙区で実際に野党統一候補が勝利した。調査では山形、新潟、愛媛、沖縄では「野党統一候補」が7割前後を占めた。
2013年の前回参院選の出口調査では、無党派層の1人区(当時は31選挙区)での投票先は、自民43%▽民主(当時)18%▽共産14%▽生活、社民、野党系無所属など計13%??という回答だった。今回は、民進、共産、社民、生活4党の協力が無党派層への浸透に一定の効果を生んだといえる。
ただ、出口調査では自民支持層が38%で、無党派層の倍近くに上った。無党派層が動くと投票率を押し上げる傾向があるが、今回、投票率は前回から大幅に増えなかったため、結果的には、1人区で自民候補が大きく勝ち越した。
選挙区全体では、無党派層の32%が民進候補に、25%が自民候補に投票したと答えた。比例代表での無党派層の投票先は「民進」(23%)と「自民」(22%)がほぼ並んだ。
朝日新聞も次のように報道しています。
無党派層、比例投票先は民進と自民互角 朝日出口調査
朝日新聞2016年7月11日06時29分出口調査で支持政党を尋ねたところ、過去の参院選では2割を占めていた無党派層が減少し、13%しかいなかった。無党派層の一部が今回は投票所に足を運ばなかった可能性がある。一方、無党派層の比例区投票先は、民進と自民の19%に次いで共産党の13%、おおさか維新の会の11%、政治団体「支持政党なし」の10%などに分散した。
そして、水島宏明さんは「参議院選挙への無関心はテレビのせい!?と言えるワケ」と指摘し、山崎雅弘さんは以下の一連のツイートをしています。
NHKニュースの公式サイト。トップの銃撃事件の下に並んでいるのは都知事選のニュースばかり。目を疑うような露骨な「参院選隠し」だが、これが2016年の安倍晋三政権下での日本の「公共放送」。https://t.co/uqoYfEIJQV pic.twitter.com/FwVOoAzKIk
— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) July 8, 2016
参院選前の一週間のNHKニュース(おはよう日本、正午、午後7時、午後9時)を見ると、都知事選関連は項目数で20個。参院選関連は13個。しかも両方報じる場合は、常に都知事選の方が優先される。現在のNHKニュースは、参院選の歴史的重要性を視聴者に認識させないという方針を徹底している。
— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) July 10, 2016
日本国民全員の将来を大きく左右する憲法変更の可能性に道を開く、戦後史最大級の重要性を持つ国政選挙を徹底的に軽く扱い、まだ公示もされていない、東京という一地方の首長選挙を優先して報じ続けたNHKの姿勢は、公共放送の自殺としか言えない。 pic.twitter.com/oI7zLeO59D
— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) July 10, 2016
歴代の自民党政権をいろいろ見てきたが、今の安倍政権ほど「汚い手を平気で使う」政権は見たことがない。なりふり構わず、手段を選ばず、道義に反するような方法でも堂々と使う。なぜ今までの自民党政権とこれほど違うのか? 国会議員の側にも問題はあるが、大手メディアが迎合服従する点が昔と違う。
— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) July 10, 2016
この安倍政権の「汚い手を平気で使う」という特徴は、今後さらに彼らの権限が強化された時、この国がどんな方向へと変化していくかも示している。当座の目的達成のためなら「汚い手を平気で使う政治家」が、自分たちの言うことに従わない国民、反抗する国民をどう扱うかは、近現代の歴史が教えている。
— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) July 10, 2016
森喜朗氏は、首相時代の2000年6月20日、衆院選を前に「無党派層は(投票に行かずに)寝ていてくれれば」と発言した人物でもある。無党派層が選挙に行かず、投票率が下がれば下がるほど、現状の選挙制度では自民党が有利になるという仕組みを、国民に教えてくれている。棄権や白票は彼らの得点。
— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) July 4, 2016
最後に、「総統閣下はマスコミ幹部と会食中です。」をぜひ。