アベノミクスの失敗を明確に示す主要国最低のGDP成長率=民主党政権の3分の1以下、世界経済全体の5分の1以下の低成長続けるアベノミクスこそ世界経済のリスク

  • 2016/6/7
  • アベノミクスの失敗を明確に示す主要国最低のGDP成長率=民主党政権の3分の1以下、世界経済全体の5分の1以下の低成長続けるアベノミクスこそ世界経済のリスク はコメントを受け付けていません

NHKニュース(6/5)によると、公明党の山口代表が名古屋市で街頭演説し、「アベノミクスが失敗したなどと言っている野党がいるが、一体どこを見ているのか」と述べ、アベノミクスの成果を強調したとのこと。アベノミクスが失敗している事実については、前回のエントリー「安倍首相「参院選の最大争点はアベノミクス加速か後戻り」→後戻りするだけで労働者世帯の可処分所得21万円増、アベノミクス加速で日本のタックスヘイブン化進み貧困と格差は極まり日本経済こそリスクになる」でいくつかの客観的なデータを示しましたが、これについて「ウソのデータばかり並べるな」という批判のコメントが寄せられましたので、先進主要国クラブとも呼ばれているOECDの客観的なデータを紹介しておきます。(※前回エントリーのデータもすべて政府関連機関からの客観データなのでどこにも「ウソのデータ」など無いのですが)

経済成長をはかる客観データとして一番の基本的なデータはGDPです。OECDによる主要国のGDP成長率をグラフにしてみたのが以下になります。

上のグラフの数字は以下の表になります。

アベノミクスは、2013~2015年です。2014年、2015年と主要国の中で最低のGDP成長率です。直近2015年の0.55%という数字は、世界経済平均の2.97%の5分の1以下、OECD平均の2.07%の4分の1程度です。(※繰り返しますが、これは先進主要国クラブであるOECDの生データで、ウソではありませんから)

NHKニュースによると、安倍首相は次のように語ったとのことです。

安倍総理大臣は、来月投票が行われる参議院選挙について、「アベノミクスを前に進めていくのか、やめてしまうのかを決める選挙戦だ。アベノミクスは道半ばだが、やっとここまで進んできた道を後戻りしていいわけはない。後戻りすれば混乱の4年前に戻ってしまう」と述べ、アベノミクスの是非を争点に位置づけて勝利を目指す考えを重ねて示しました。

NHKニュース 6月7日 16時51分

6月1日の消費税増税再延期を表明した記者会見でも「この道を力強く前に進んでいこうではありませんか。4年前のあの低迷した時代に後戻りさせてはなりません」と安倍首相は述べていますが、上のグラフと図表の4年前である2012年のGDP成長率を見てください。民主党政権下の2012年のGDP成長率は1.74%とアベノミクス下の3年のどの数字より上です。そして、民主党政権下の1.74%は、アベノミクス3年目の0.55%の3倍以上の成長率なのですから、「後戻り」したら「低迷」するというのも安倍首相の大ウソです。アベノミクスによって日本経済は「低迷」したというのが客観的な数字が示す事実です。

「アベノミクスが失敗したなどと言っている野党がいるが、一体どこを見ているのか」と言う公明党の山口代表に対しては、「アベノミクスが成功したなどと言っている与党がいるが、一体どこを見ているのか」と言うほかありません。

それから、OECDは、世界経済の見通しの報告書を次のように発表しています。

主要先進諸国の中でも、米国では緩やかな回復基調が続き、2016年の成長率は1.8%、2017年は2.2%になると予測されています。ユーロ圏は徐々に改善して、2016年は1.6%、2017年は1.7%の伸びになるとみられています。日本は2016年が0.7%、2017年は0.4%の伸びになる見込みです。OECD加盟34か国全体では、2016年は1.8%、2017年は2.1%の伸びに、世界経済全体では2016年は3.0%、2017年は3.3%の伸びになると、本報告書では予測しています。

上のグラフを見れば、日本こそ世界経済のリスクであることが一目瞭然です。このOECDの世界経済の見通しでも、日本の成長率は2016年が世界経済全体の4分の1程度、2017年が8分の1程度とおそろしく低成長で、ここでも安倍首相が言うのとは逆に日本経済こそがリスクです。こうしたアベノミクスの一体どこが成功していると言えるのでしょうか?

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井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学教職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員(教宣部長)、労働運動総合研究所(労働総研)理事、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者、日本機関紙協会常任理事(SNS担当)、「わたしの仕事8時間プロジェクト」(雇用共同アクションのSNSプロジェクト)メンバー。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)があります。

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