〈下流公務員〉下流老人なくす仕事をする年金機構の半数以上が非正規で下流老人予備軍、5年で8千人が雇い止めされ、外部委託の社員110人には2カ月分の賃金未払いのまま解雇

  • 2015/11/20
  • 〈下流公務員〉下流老人なくす仕事をする年金機構の半数以上が非正規で下流老人予備軍、5年で8千人が雇い止めされ、外部委託の社員110人には2カ月分の賃金未払いのまま解雇 はコメントを受け付けていません

このままでは近い将来、日本の高齢者の9割が下流化すると告発している藤田孝典さんの著作『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新書)。「普通」に暮らしていても誰もが「下流老人」になり得ることが具体的に論証されていて、「下流老人」の問題が他人事ではないと読者に知らしめる衝撃作です。

加えて、藤田孝典さん自身が「流行語大賞候補ノミネート『下流老人』ー言葉の力を信じてー」で書かれているように、本書の内容だけでなく「下流老人」という社会的インパクトのある言葉もまた秀逸です。

まだ本書を読まれていない方はぜひ読んでいただきたいと思いますが、藤田孝典さんのお話を直接聴くというのも「下流老人」の問題を理解する上で非常に有意義だと思います。じつは藤田孝典さんには私が編集を担当している月刊誌で毎月連載してもらっています。その月刊誌が『POSSE』などを出している堀之内出版から創刊されたことを記念して、11月22日(日)14時から東京・八重洲ブックセンターで下記のように「下流老人・年金問題の核心を語る」トークイベントを開催します。

藤田孝典さんとともに年金問題を語っていただくのは、ジャーナリストの藤田和恵さんで、月刊誌『KOKKO』では「国公職場ルポ」を連載してもらっています。その連載タイトルを紹介すると――

[連載]国公職場ルポ 第1回(月刊誌『KOKKO』創刊号掲載)
【日本年金機構の有期雇用職員】
8,000人雇い止めと外部委託で年金個人情報ダダ漏れ状態

[連載]国公職場ルポ 第2回(月刊誌『KOKKO』第2号掲載)
【社会保険庁職員525人の不当解雇】
年金スキャンダルの報復とクビ切りの実験台

[連載]国公職場ルポ 第3回(月刊誌『KOKKO』第3号掲載)
【年金機構の正規職員とブラックな外部委託】
メンタル疾患の悪循環と社員110人に賃金未払い

藤田和恵さんのルポの上記タイトルを見てもらえば分かるように、「下流老人」を防ぐための公的年金の仕事をする日本年金機構職員の半数以上が非正規(全職員2万3063人中1万2183人が非正規職員)で、5年間で8千人もが雇い止めされ、外部委託の社員110人を2カ月分の賃金未払いのまま解雇するなど、公的年金をブラックな労働が支えるという異常な状態になっています。下流老人を防ぐための仕事をする人の多くがじつは下流老人予備軍になってしまっているのです。ハローワークの窓口で働く職員が「官製ワーキングプア」という倒錯した状況と同じようなことが公的年金の職場にも広がっているのです。

こうした問題について語る創刊イベントにぜひご参加いただければと思います。

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学教職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員(教宣部長)、労働運動総合研究所(労働総研)理事、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者、日本機関紙協会常任理事(SNS担当)、「わたしの仕事8時間プロジェクト」(雇用共同アクションのSNSプロジェクト)メンバー。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)があります。

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