アベノミクスの2年で報酬1億円以上の役員は1.4倍増えワーキングプアは49.2万人増加、2014年民間給与の増加は消費税増税分にも遙か及ばず

  • 2015/10/1
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日本経済新聞の報道です。

民間給与、14年0.3%増の平均415万円 2年連続増

民間企業に勤める人に2014年の1年間に支給された給与の平均は、前年比0.3%増の415万円で2年連続で増えたことが30日、国税庁の民間給与実態統計調査で分かった。給与の内訳は給料・手当が353万円で横ばい。賞与は62万円で2.6%増えた。雇用形態別の平均給与は、正規労働者が1.0%増の478万円、派遣社員などの非正規労働者が1.1%増の170万円で2.8倍の差があった。

日本経済新聞 2015年9月30日付

 

他のマスコミも同様に「2年連続で民間給与が増えた」とだけ単純に報道していますが、そんなに単純に報道するだけでいいのでしょうか?

2014年の物価上昇と税・社会保障費の負担増は4.5%なのに、民間給与0.3%増では、大幅マイナス以外の何ものでもない

民間給与の前年比0.3%増というのは、そもそも2014年の消費税増税によって物価を押し上げた影響の2%分(日銀の推計)すらカバーできていません。加えて消費税増税の影響分を除く1.2%の物価高(日銀の推計)にも達していません。(※消費者物価は日銀推計によると2014年に3.2%上がっています)

それから、直接税及び社会保障費の負担増1.3%もカバーできていません。(※内訳は、健康保険料率の全国平均で9.5%から10.0%+介護保険料率の全国平均で1.51%から1.55%+厚生年金の保険料率0.354%増+震災復興所得税2.5%上乗せ+震災復興住民税年間1,000円増額)

ようするに、2014年の物価上昇と税・社会保障費の負担増は4.5%なのに、民間給与0.3%増では、大幅マイナス以外の何ものでもないのです。

だから、2014年の実質賃金は以下のように、毎月マイナスで、1年間を通してもマイナス2.8%になってしまっているのです。

それから、この国税庁「民間給与実態統計調査」で、1年間を通して働いて年収200万円以下のワーキングプアの人数が分かりますので、以下のようにグラフをつくってみました。役員報酬1億円以上の人数は東京商工リサーチからです。グラフを見て分かるように、アベノミクスの2年間で、ワーキングプアは、1,090万人(2012年)から1,139万2千人(2014年)へと49.2万人も増えていて、割合にして24%と民間労働者の4人に1人がワーキングプアになっています。逆に、役員報酬1億円以上の人数は301人(2012年度)から413人(2014年度)へ1.37倍も増えているのです。

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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