【派遣労働者の声2】「派遣法改悪で仕事・生活・命を奪わないでください」 – 派遣労働者の声聞かず政治は「派遣切り」進めるのか

  • 2015/8/5
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(※この記事は2015年6月10日に書いたものです)

日本労働弁護団が6月9日、「派遣法改悪『採決反対』緊急集会~労働者の声を聴き、徹底審議を!」を国会内で開催しました。この緊急集会で出された派遣労働者の声の一部を紹介します。

派遣労働者は正社員と同じ仕事をしているのに
モノ言えず使い捨てにされ、さらに規制緩和…
いったいどこまで悪辣なのか

派遣で働くシステムエンジニアです。正社員と一緒の仕事をしています。派遣元からは、正社員になれると聞かされて頑張ってきました。今回の改悪で直接雇用の道は絶たれます。大手派遣先では100%事前面接し選ばれて落とされています。もともと違法だらけなのにさらに規制緩和をするのか? いったいどこまで悪辣なのでしょうか? 現場では正社員と並んで一緒に仕事をし、あれはやれない、これはやれないなどとは言えません。派遣労働者は正社員と同じように働いているのに使い捨ての雇用不安にさらされています。そうした怒りがたまれば、秋葉原事件のようなことがさらに起きてもおかしくないと思います。人を使い捨てにする働かせ方が広がると職場はダメになります。しかし、違法派遣を通報したら、直ちに派遣切りされたこともあります。これ以上、モノ言えない派遣労働を広げてはいけないと思います。

女性活躍推進と言いながら
女性の多い派遣をさらに細切れの
不安定雇用にするのは許せない

出版社でウェブ制作の仕事をしています。出産後、派遣で働いてきました。私は2年目ですが、5年から10年くらい働いている派遣の方もいます。今回の派遣法改正でどうなるのか、派遣元に聞いても分からないという答えで不安でいっぱいです。私は今回の派遣法改正が行われてしまうと、この先、安定雇用にはつけないと思います。女性活躍推進と言いながら、女性の多い派遣をさらに細切れの不安定な雇用にすることが許せません。

不安定な雇用と体調悪化が重なると
派遣労働者はまたたくまに窮地に

グループ内派遣で7年間働いていましたが、体調を崩し、別の派遣先に移り、新しい仕事をやっと覚えたのですが無理をして再び体調を崩してしまいました。派遣労働者は体調を崩し休むと手取りが減り、またたくまに生活が苦しくなります。不安定な雇用になんとか対応しおうと無理をして体調を崩す悪循環です。派遣労働者にも安定した雇用が必要です。

40代の人たちはもう派遣しかない
3年で「派遣切り」は困る

旅行添乗員の仕事をしていましたが、シングルマザーとなり、派遣しかなく、理科系の研究プロジェクトへの派遣で働いています。今のところには10年間働いている派遣の人もいますが、40代の人たちはもう派遣しかないと言っています。3年で切られるのは不安定で困ります。

現場で即戦力が求められる派遣労働者
努力してきたのになぜ痛めつける派遣法改悪なのか

DTP広告デザイナーです。新卒で正社員として勤めていたのですが、不況によるリストラで解雇されました。アドビのソフトを使えなければ働けない職種なので、働きながら専門学校に通いスキルを得てきました。とりわけ派遣労働者には現場での即戦力が求められるので、ソフトのバージョンアップのたびごとに対応したスキルも必要となり、ソフトの購入だけでも数十万円の個人負担がかさんでいきます。それだけ努力して、派遣しかないからそれでも働きたいと努力してきたのに、なぜ、痛めつけるような法案を出すのか、怒りでいっぱいです。

「ずっと働ける」と言っていた派遣元が
今回の法案で態度急変
法案成立すると「雇用し続けることは難しい」

コールセンターで働く派遣労働者です。男性が7割で、派遣で世帯を支えている人が多く、優秀な人も多いです。私は正規で働きたいと思っていますが、ここ3年ほど正規になる人がいなくなっているのが現状です。アベノミクスで生活が良くなった人は私の周りにはいません。年金の少ない母とかつかつで暮らしています。派遣元に聞くと、今回の派遣法案が成立すると雇用し続けることは難しいと言われました。ずっと働けると言われていたのに派遣元の態度が変わりました。

リーマンショック時の「派遣切り」の時より
さらに派遣労働者を使い捨てにする改悪は反対

ルネサスの工場で4年10カ月間働いていて雇用主は地元運送会社ということでしたが、工場の間に4社が介在する偽装請負でした。派遣会社がピンハネし賃金は正社員の半分以下でした。リーマンショックの時、毎日のように職場の仲間がクビを切られていき、いつ自分の番が来るかと戦々恐々としながらも一所懸命働いていましたが、ついに派遣先からの「いらない」という一言で解雇されました。当時、全国の仲間が「派遣切りは不当だ」と裁判に立ち上がりました。私も直接雇用を求めて裁判でたたかいましたが最高裁棄却で救済されないままです。リーマンショックの時の「派遣切り」の時から、派遣労働者は使い捨てられたまま何も変わっていないような状態でさらに悪くする派遣法改悪は反対です。

17年間、生きるために必死で働いてきた
今ある仕事・生活・命を奪わないでください

放送機器操作で17年間、必死に働いてきました。26業務でも例外なく3年で雇い止めするとの就業規則を作られました。私は労働組合と交渉してその条項を外させましたが、今回の派遣法改悪が成立すると3年でクビ切りはまぬがれません。今の仕事を失ったら、生活ができません。派遣労働者も人間でご飯を食べて暮らしています。派遣労働者の地位は弱いけれど、それでも必死で仕事にしがみついて生活して生きています。それを法律で取り上げられたらどうなるのか。今ある仕事・生活・命を奪わないでください。

50代の専門業務の派遣労働者
「あなたの年齢では先はない」
15年間働いてきたのに“お払い箱”とモノ扱い

50代で専門業務の派遣労働者として働いています。出張もしていますし、深夜就労もしています。派遣労働者は、正社員と同じように働かなくては、いつでも切られるのです。正社員になりたいと頑張って働いてきました。しかし、派遣元から「あなたの年齢では先はない」と言われ、きっかり3年でやめてもらうよう有期1カ月契約にするし、「別の派遣先の紹介も50代なんだから無理」と15年間働いてきたのにあなたはお払い箱だと言わんばかりです。これを派遣労働者のモノ扱いと言わずしてなんというのでしょうか。

賃金が低いと世間相場を求めたら「雇い止め」
理不尽にさらされる派遣労働者

秘書業務の派遣で働いています。正社員の秘書スキルが不十分だからとの理由で派遣先の役員秘書になりました。正社員の秘書の人は秘書資格もなく、OA技術も未熟。役員には評価されているが、賃金は20代の頃の時給よりも低い。賃金が低いと派遣元に言うと契約書にほ一般事務とあったので、私は秘書をしていると主張したら、そう書き直したが、同時に「雇い止め」と書かれました。行政の指導もあり雇い止めは回避しましたが、最低賃金より高ければ賃金は上げろとは言えないとのこと。いくらの時給を希望するか?と聞かれ、世間相場を求めたら、「次の株主総会を持ってあなたの仕事はなくなります」と言われました。自分の仕事を認めて欲しいだけなのですが、今の派遣法は派遣労働者を守ることはありません。理不尽なことで派遣労働者を雇い止めする会社は社名を公表して欲しい。安い給料でバカにされている気がして、悔しい想いでいっぱいです。皆さんの力で、こんな思いをし続ける無権利な派遣労働者をなくして欲しいです。

「物品購入」とモノ扱いされる派遣労働者
人間の働き方ではないような派遣労働を考え直すべき

派遣会社はただピンハネをするだけで派遣労働者には何もしてくれません。研究助手をしていたとき、派遣元に渡す書類を見ると「物品購入」と書かれていました。私はモノ扱いされていたのです。派遣は人間の働き方ではないと思います。何か問題が起こっても「派遣だから」ですまされてしまう。そもそも派遣労働という働き方を考え直さなければいけないと思います。

――以上が派遣労働者の声の一部です。いま派遣当事者への緊急アンケートを実施中です。ぜひ、ご協力ください。

【派遣労働者の皆様へ】★緊急アンケート★派遣で働く労働者の不安を国会議員にぶつけるためのアクション

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井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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