防衛省職員から労働相談「理不尽でも上司は絶対」「上司のご機嫌取りに奔走」「残業代出て3割」「戦争法案強行されれば非人間的な労働環境に拍車」◆「自衛隊員と家族・恋人のための安保法案緊急相談」が開催されます

(※上の写真=陸上自衛隊HPより)

「自衛隊員と家族・恋人のための安保法案緊急相談」が開催されます。

私たち国公一般には、自衛隊員や防衛省職員、防衛省で働く非正規職員から労働相談が寄せられています。多いのはパワハラ、セクハラ、いじめ、不当解雇、ただ働き残業の問題です。先に「自衛隊という密室 – いじめ・暴力・腐敗が蔓延、自衛隊員の死因トップは自殺」や「イラク派遣中の陸上自衛隊員の自殺率は公務員の2倍、「非戦闘地域」が建前の派遣で56人の若者の命が奪われた」で紹介したように、「戦争法案」がなくてもこの惨状ですから、安倍政権によって「戦争法案」が強行されるようなことがあると、「4歳の女の子、7歳の男の子、ロイター記者も「無差別殺人」が米兵のイラク戦争の日常=「戦争法案」がもたらす日本の若者の近未来」というのが現実のものになってしまいます。

先日、防衛省職員から、私たち国公一般に、「残業代が2~3割しか払われていない」「防衛省の本省勤務でも平均6割しか残業代が払われていない」という怒りの労働相談がありました。日本という国は、「サビ残で国家防衛」もしてしまっているという恐るべき国家なのです。

この相談につづいて、防衛省職員の方からメールが届きました。「防衛省の実態を多くの人に伝えていただきたい」とのことですので、そのままコピペして紹介させていただきます。

井上伸さんのブログ記事を読ませていただきました。私は防衛省の地方出先機関で働いている職員で、実態を知っていただきたくメールします。

防衛省には大きく分けて「内局系の組織」と「部隊系の組織」があり、さらに細かく組織が細分化されているので、どこで働いているかによって実態が全く異なってきます。

内部部局の地方協力局(旧防衛施設庁の流れを受けている組織)の出先機関が地方防衛局という位置づけになりますので、私自身は「内局系の組織」に所属していることになります。内局系の組織は主に事務官、技官の文官で構成されており、自衛官はごく少数しかいないため、雰囲気は通常の役所に近いものとなっています。

しかし、特に30後半以降の世代を中心に、(1)仕事がなくても上司が帰らなければ帰ってはダメ、(2)残業代など全額でなくて当然、(3)理不尽なことを言われても上司(階級が一個でも高い人)の言うことが絶対――など、かなり時代錯誤な考えを持っている人が多いです。

そのため「上司が帰るまで帰らない」とか「上司のわがままに付き合ったり、上司のご機嫌取り」などに奔走し、無駄な長時間労働をすることが多いのが実態です。

また、役人特有の「煩雑な手続き」や「形や形式への過度なこだわり」など、どう考えても非効率な業務が非常に多いです。

特に本省などは、これらの古風な考え方が未だに根強く、長時間職場に残っているのが当然だとの考え方がいまだに抜けきらず、非人間的な労働環境を当然視する傾向が強いと聞きます。

若い世代を中心にそのような古い考えとは決別したいと願う人は多いですが、まだまだ職場の権力を牛耳っているのが、本省で実績を積んだ古い世代であるため、なかなか改善の傾向はみられません。この上、「安保法制」が成立するようなことがあるとさらに非人間的な労働環境に拍車がかかるのは目に見えています。

防衛省の残業代などの金銭的な恩恵は、他の省庁と比べ決して恵まれているとも言えません。(自衛官に関しては文官よりも格段に給与水準は高い)どうかこのような実態を多くの人に伝えていただきたいです。

【防衛省職員から届いたメールをそのままコピペ】

最後に「自衛隊員と家族・恋人のための安保法案緊急相談」の主催者からの訴えを紹介しておきます。

自衛隊員と家族、恋人の皆さんへの緊急の訴え
9月12~13日 集団的自衛権行使・安保法案 緊急相談
自衛官の人権弁護団・北海道
現職自衛官及び元自衛官有志

1.政府は、集団的自衛権・安保立法によって自衛隊員が負うリスクについて、隊員の声を聞くこともなく、「増大しない」という答弁を繰り返すのみで、説明責任を果たしていません。

国会は、人権が「立法その他国政の上で、最大の尊重を必要とする」(憲法第13条)ものであるにもかかわらず、政府への追及も独自調査においても余りにも不十分です。

自衛隊員は、兵士である前に市民です。しかも、安保法案に一番利害関係を持つ、この国の主権者です。家族にとっては、市民の皆さんと全く同じ夫・妻、父・母、息子・娘です。

兵士の人権を守ることは、この国の民主主義を守り、軍隊を誤らせないことです。

これらは、人権保障・民主主義と軍隊の存在を両立させようとする西欧諸国では当たり前に認められている原理・原則です。

しかし、日本の自衛隊員は、厳格な「政治活動の禁止」と絶対的な「上命下服」により、一番の利害関係者なのに、質問や意見を述べる機会が全く与えられていません。

自衛隊員を「公僕」として雇い「殉死」まで強いることになる私たち主権者・国民は、その責任を深く自覚して、彼らの代弁者であるべきではないでしょうか。

2.政府は、「後方支援」は前線から遠く離れた安全な場所で、現に戦闘が行なわれていないことを確認して行くので、危険度は高くなく、リスクはこれまでと変わらないと言います。

しかし、この説明を本当だと思う自衛隊員は誰1人いません。この国の政府と国会は、このような虚構の議論で、安保法案を成立させるつもりなのでしょうか。

現代の非正規戦は、いつ、どこで戦闘が発生するか分からず、ひとたび始まれば、戦闘部隊の戦闘力の継続のために、弾薬や燃料等を寸刻も切らさず補給しなければなりません。

自衛隊には、「後方支援連隊」という部隊があり、その中に「直接支援小隊」という部隊があり、それは戦闘部隊に随伴して最前線で直接支援することが任務です。

この一事からも明らかなように、実際の戦争においては、前方も後方もありません。むしろ、相手からすれば、武器や食料などの物資を持ち、戦闘能力の低い補給部隊は、格好のタ-ゲットとなり、襲撃されるリスクが極めて高いというのが、軍隊の常識です。

そして、ひとたび戦闘が始まれば、補給を止めることはできず、かえって強化が要求されます。このような状況で、他国の軍隊や民間人を置き去りにして撤退することなど出来るはずがありません。必ず自衛隊員は戦闘に巻き込まれ犠牲者が出るでしょう。

しかも、後方支援活動は、国際交戦法規(戦時法)上の「兵站活動」です。これが武力行使に当たらないという詭弁は、国際法的に通用しないばかりか、現地に派遣された自衛隊員に国際交戦法規の適用を否定し、国際法上認められる兵士の権利(例えば捕虜の扱い)が認められないことになります。

政府と国会は、このような基本的なことすら整理せずに、安保法案を成立させるのですか。
3.自衛隊員は皆、憲法13条以下の人権保障の他、憲法9条2項「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」の下、専守防衛を任務とする自衛隊に、憲法を順守すると宣誓して入隊しています。

日本は、第2次世界大戦における「特攻隊」「集団自決」などに象徴される、兵士を虫けらのように扱い、その非人間的な扱いに世界が驚愕した歴史があります。いま再び同じことが起きかねません。国際交戦法規(戦時法)の適用が適用されない海外派兵を、あろうことか、憲法9条があり「専守防衛」の自衛隊員に強いるというのです。

私たち弁護士は、人権擁護を使命とし、法の支配に仕える法律の専門家として、このようなことは絶対許されないと考えます。皆さんの疑問や意見を政府・国会に届けなければなりません。皆さんにはこの国の主権者のとして参政権(憲法15条)・請願権(16条)が保障されています。

4.私たち自衛官の人権弁護団・北海道は、イラク戦争への自衛隊派遣に反対して2004年1月、自民党の元閣僚・防衛政務次官の故箕輪登氏が「専守防衛」の立場から全国で最初に提起した裁判の弁護団が出発点です。そして、空自女性自衛官セクハラ裁判(札幌地裁2006年提訴。2010年勝訴判決・確定)、陸自真駒内基地徒手格闘訓練死裁判(札幌地裁2010年提訴。2013年勝訴判決・確定)をはじめ、北海道において、自衛官や家族の人権に関わる様々な相談を受け、部隊との交渉、公務災害認定、裁判などを取り組んでいます。

イラク派兵差止訴訟全国弁護団連絡会議は、北海道訴訟を皮切りに全国11の裁判所、原告数5700名、弁護士数800名という、戦後最大の憲法訴訟を展開しました。そして、2008年4月17日、名古屋高裁で、平和的生存権の具体的権利性を認め、イラク派兵は憲法9条1項違反とする違憲判決を勝ち取り、同年12月、自衛隊をイラクから完全撤退させました。

この判決は、自衛隊員や家族から、自衛隊の「専守防衛」を確認し、イラク派兵中又は今後派兵される隊員の「平和のうちに生きる権利」を守ったものとして、歓迎されました。

今回の緊急相談会は、この自衛官の人権弁護団・北海道が主催し、全国に800名の弁護団がいるイラク派兵差止訴訟全国弁護団連絡会議の協力で行ないます。さらに、他の人権裁判弁護団、日弁連など様々な弁護団、法律家団体にも協力を呼びかける予定です。

どうぞ私たち弁護士に、皆さんの率直な思い、疑問、意見をぶつけて下さい。皆さんの電話、ファックス、メ-ルをお待ちしています。皆さんの声を政府・国会に届けます。

自衛隊員と家族・恋人のための「安保法案」緊急相談!

 

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)本部書記、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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