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アベノミクスで史上最低に落ち込んだ家計支出=リーマンショックの1.6倍のマイナス、20歳代の半数が貯蓄ゼロ、2014年度GDPマイナス、一方オリックス宮内氏の役員報酬は52億円アップ
- 2015/9/10
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▼下の表は、内閣府の「国民経済計算(GDP統計)」の「GDPの実質成長率(対前年度比)」です。
▲上の表を見て分かる通り、2014年度の実質成長率はマイナス0.9%です。直近データとなる2015年4―6月期(2次速報値)もGDPマイナス0.3%、家計最終消費支出マイナス0.7%と今年度に入ってからもマイナス成長が続いています。
▲上の表で注目すべきは、2014年度の「家計最終消費支出」がマイナス3.3%とこの20年で最も落ち込んでいる点です。内閣府の統計は20年以上前では統計の取り方が変更されたため、比較できる統計はこの直近20年間になります。そうすると、▲上の表にあるように、リーマンショック時の2008年度「家計最終消費支出」マイナス2%と、1997年度の消費税増税時(消費税率3%から5%へのアップ時)の「家計最終消費支出」マイナス1%よりも、2014年度のマイナス3.3%は異常に高い数字です。なんとリーマンショック時の1.65倍、1997年度時の3倍という大幅な落ち込みになっています。統計上、史上最低の家計支出にしたのがアベノミクスということになるのです。
それから、いまの安倍政権は2012年12月26日に発足していますから、2013年度の数字も▲上の表で確認すると、GDPは2013年度はプラス2.1%となっていますが、民主党政権下の2010年度の3.5%の方が高かったのです。
また、▼下の表ににあるように、直近四半期の実額(同じく内閣府「国民経済計算(GDP統計)」)で見ても、安倍政権による2014年4月からの消費税増税以来、「家計最終支出」の低迷が続いていることが明確に分かります。
安倍首相は、いまだに「緩やかな回復基調が続いている」(8月26日、月例経済報告等に関する関係閣僚会議での発言)とか、『経済財政白書』(8月14日発表)で「経済の好循環が進展」しているなどと強弁していますが、まったくの大ウソであることが分かります。
では何が「好循環」しているかというと、「役員報酬」です。東京商工リサーチが9月7日に「役員報酬1億円以上開示企業」調査(2015年3月期決算上場企業 最終確定)を発表しています。
役員報酬1億円以上が史上最多413人
トップはオリックス宮内義彦元代表執行役会長(現シニア・チェアマン)の54億7,000万円
2015年3月期で役員報酬1億円以上を受け取った役員の個別開示をしたのは212社、人数で413人となった。2010年3月期から開示制度が開始されたが、初めて社数で200社、人数で400人を超え、2014年3月期の役員報酬開示(社数191社、361人)に対して社数で21社、人数で52人上回った。役員報酬額の最高は総合リースのオリックス(株)(東証1部、東京都港区)宮内義彦元代表執行役会長(現シニア・チェアマン)の54億7,000万円。
そして、下のグラフは貯蓄ゼロの単身世帯を年齢別に見たものです(金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」2014年11月)。20歳代は47.4%とほぼ半数が貯蓄ゼロと史上最悪になっているのです(全体は38.9%)。
ニューヨークタイムスも安倍政権が「貯金箱を壊す」と報道
このことは、ニューヨークタイムス紙も安倍政権が若い世代の雇用を劣化させたことで、未婚の成人の約40%は貯蓄ゼロになり、家族を持つ世帯でも30%が貯蓄ゼロで、それぞれ10年前から約10ポイント低下して、日本全体の貯蓄率が初めてマイナス1.3%まで低下したと下のグラフを掲載しながら安倍政権が「貯金箱を壊す」と報道しています。
以上、見て来たように、安倍首相の言う「経済の好循環」というのは、大企業役員や富裕層の儲けが増えているという意味ですし、安倍首相の言う「回復基調」というのは、大企業役員や富裕層の儲けが回復(回復どころか史上最高ですが)しているという意味です。そして、客観的な経済データを見ても、家計は史上最悪に落ち込み、日本経済はマイナス成長になっているのですから、アベノミクスの失敗は明らかです。そして、この上に消費税の連続増税など正気の沙汰でないことも明白なのです。
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コメント (2)
それから、いまの安倍政権は2012年年12月26日に発足していますから、2012年の数字も▲上の表で確認すると、GDPは2012年度はプラス2.1%となっていますが、民主党政権下の2010年度の3.5%の方が高かったのです。
2012年12月26日
2013年度
誤字
Rさん、誤字のご指摘ありがとうございます。m(__)m 訂正しておきました。