年々増加するマタハラに加え「マタハラ合法化法案」である派遣法改悪狙う「安倍マタハラ政権」は女性労働者の敵

  • 2015/9/8
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(※2014年10月24日に書いた記事です。マタハラが年々増加している上に、安倍政権は「マタハラ合法化法案」である派遣法改悪を強行しようとしています。佐々木亮弁護士が指摘しているように「ハケンとマタハラ、混ぜるともっとキケン!~派遣法改正案は女性労働者の敵」です。派遣法改悪法案は廃案にすべきです)

マタニティー・ハラスメント(マタハラ)をめぐり、妊娠・出産を理由にした降格は「原則違法」とする判断を最高裁が示しました(2014年10月23日)。これは、マタハラをなくしていくための一歩となるものだと思いますが、マタハラの現状は深刻な状況にあることを示す、いくつかのデータを紹介しておきます。

働く女性の4人に1人がマタハラ被害を経験

連合が今年5月に行った調査(20~40代の女性634人を対象)では、在職中の女性の4人に1人に当たる26.3%が妊娠や出産に伴い職場で解雇や嫌がらせといったマタハラ被害を経験したことがわかっています。

これは、昨年の調査の25.6%より増えていますから、安倍政権が「女性活躍」とか「女性が輝く社会」をめざすと言うのなら、まず深刻化しているマタハラの根絶を重視するべきだということが分かります。

厚労省へのマタハラ相談は年々増加

それから、今年5月に厚生労働省が公表したマタハラ相談件数があります。男女雇用機会均等法に違反しているとして、労働局に寄せられた相談は昨年度1万1,057件なのですが、このうち最も多かったのはセクハラで6,183件(55.9%)、次いで妊娠・出産等による不利益取扱いの相談で、ここがマタハラにあたるわけですが、2,090件(18.9%)となっています。セクハラの相談は前年より減っていますが、マタハラは前年比で約15%増えています。それをグラフにしてみたものが以下です。日本はマタハラが年々増えているのです。

それと、国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに公表している「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」の直近データによると、「出産退職した女性の割合」は以下のようになっています。(私がグラフにしてみました)

上のグラフにあるように、出産退職する女性は年々増加しているのです。そして、「理想の子ども数を持たない理由」は下の表になります。妻30歳未満のところを見ると、いちばん多いのが、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」で83.3%、次いで多いのが「自分の仕事に差し支えるから」が21.1%となっています。これは、「女性の貧困」や「子どもの貧困」問題の深刻化をうかがわせるとともに、マタハラなどが横行し出産・子育てと仕事との両立が困難な職場環境をもうかがわせるものではないでしょうか。

 

多くの女性が「一人目の子の妊娠中」に仕事をやめざるをえないマタハラ職場の蔓延

また少し古い調査ですが、2008年の厚生労働省委託調査「両立支援に係る諸問題に関する総合的調査研究」によると、下の2つのグラフにあるように、多くの女性が「一人目の子の妊娠中」に仕事をやめています。加えて、仕事を続けたかったのに「職場に両立を支援する雰囲気がなかった」から仕事を辞めざるをえなかったとする女性が多いということなどは、日本の職場全体にマタハラ的な状況が蔓延していると考えていいのではないでしょうか。

 

安倍政権が「女性活躍」「女性が輝く社会」をめざすと言うのなら、こうしたマタハラが蔓延しているような職場環境を改善して、女性が働き続けながら安心して子どもを産み育てられるようにすべきですし、「マタハラ合法化法案」である派遣法改悪は直ちに廃案にすべきです。

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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