「ゆう活」では改善しない霞が関公務員3千人の過労死労働・残業代不払い半数・休日出勤の代休等なし25%

  • 2015/8/26
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(※2015年7月1日に書いたものです)

朝型勤務「ゆう活」による睡眠障害と二重生活苦が過労死労働下の霞が関の国家公務員を襲う」というエントリーで、「ゆう活」(日本版サマータイム)が、労働強化・睡眠不足・肥満・心筋梗塞など心疾患・脳血管疾患・糖尿病など生活習慣病・自律神経失調・不眠・うつ病のリスクが高まることは、日本睡眠学会に所属する大学教授などが指摘していることを紹介しました。

安倍首相は、「ゆう活」で長時間労働を変えると言っていますが、霞が関が不夜城になり長時間労働が蔓延している原因は、先にアンケート結果で指摘したように、「業務量が多いため(職員数が少ないため)」です。そのために、過労死の危険ラインとされる月80時間以上残業した人は、前年比0.6ポイント増の8.5%となり、2,907人(3万4,200人の8.5%)が過労死危険ラインで働いています。

この月80時間以上の残業があったと回答した人のうち、「現在過労死の危険を感じている」は18.5%(全体5.1%)、「過去に過労死の危険を感じたことがある」は25.9%(全体25.3%)で、計44.4%(全体30.4%)の人が過労死の危険を「現在感じている」、「過去感じたことがある」と回答しています。霞が関の国家公務員の3人に1人弱が過労死の危険を感じて働いているのです。

霞が関の国家公務員の残業代については、平均すると予算上は一人当たり月35時間ですから、残業月80時間以上の過労死労働を強いられると不払い残業となる可能性が高くなります。下のグラフにあるように、実際、アンケート結果では、残業代の「不払いがある」と回答した人は47.3%にも上っています。支給割合別に見ると、残業代の「未支給」が0.9%、「20%未満」が2.5%、「20%以上40%未満」が8.1%、「40%以上60%未満」が11.0%となっており、これらの「6割未満しか支払われていない」者は全体で22.5%(前年24.2%)となっています。

また、下のグラフにあるように、休日出勤に対する手当等の有無を見ると、「手当も代休もない」とする割合は25.5%と4人に1人にものぼっています。

残業や休日出勤に対する手当の全額支給は当然のことであり、国家公務員給与法第25条では、「この法律の規定に違反して給与を支払い、若しくはその支払いを拒み、又はこれらの行為を故意に容認した者は、1年以下の懲役又は3万円以下の罰金に処する」とあります。

政府は国家公務員の使用者として、このような違法状態をただちに改善する必要があります。そもそも残業時間の上限である年間360時間(人事院指針)にするためには、霞が関の国家公務員は新たに1,366人増やす必要があるのに、勤務時間を1時間から2時間前倒しするだけの朝型勤務「ゆう活」によって、いったいどうやってこの過労死残業をなくせるというのでしょうか?

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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