派遣労働者の労災発生率は正規の2.5倍、加えて「労災つかえば仕事なくなるぞ」と脅す労災隠し横行、派遣事業所数で世界の7割占める日本、「生涯派遣奴隷」の派遣法改悪やめよ

  • 2015/8/21
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(※2015年06月12日に書いた記事です)

労働者派遣制度は現代日本の雇用破壊の元凶

森岡孝二関西大学名誉教授が「労働者派遣制度は現代日本の雇用破壊の元凶です」と指摘し、『中高年ブラック派遣』などの事例をあげながら、派遣労働者は「派遣奴隷」とも呼ぶべき実態にあることを告発しています。

こうした「派遣奴隷」の実態を以前いくつかブログで紹介しています。

「労災をつかえば仕事がなくなるぞ」など労災隠蔽の脅しも日常茶飯事
仕事中のケガで頭から血を流しても労災隠しで救急車は呼ばない

 ある派遣の青年が、仕事中にケガをして、頭から血を流しているのに、会社側は青年に対して、「君には選択肢が3つある。1つは自分で歩いて病院に行く。2つは会社にある薬を自分で塗る。3つは会社の車で病院に行く。ただし仕事が終わる4時間後だ」と言ったそうです。派遣労働者が仕事中にどんなにひどいケガをしても労災(労働災害)を隠蔽したいがため、絶対に救急車を呼ばないというのがまかりとおっているそうです。また、「労災をつかえば仕事がなくなるぞ」など労災隠蔽の脅しも日常茶飯事。
(「人間をボロ雑巾のように使い捨てる派遣法」)

「おい、そこの派遣」
――匿名化、人格無視で単なる「道具」にされる派遣労働者
鉄板が入った安全靴で足首を蹴られたり、
太ももの上部を大きなボルトで突かれたりの暴力横行

「立場の弱い、物言えぬ者に対するセクハラ・パワハラ・暴力が横行する」「倉庫に派遣されたら、上から荷袋が落ちてきたり、冷蔵倉庫にスニーカーで入らされ凍傷になったり」「鉄板が入った安全靴で足首を蹴られたり、太ももの上部を大きなボルトで突かれたり」、製造業の派遣現場では「暴力がともなう労務管理」がなされているのです。間接雇用とは、職場の正社員にとって、別の派遣会社の社員である派遣労働者はどこの誰だかわからないということである。そして派遣労働者はすぐにいなくなる。そこから匿名的な人間関係が成立するようになる。派遣労働者は働く現場で、「派遣さん」、さらには「おい、そこの派遣」と呼ばれる。派遣職場では、職場の同僚・働く仲間という意識が喪失してしまった。人間についている「誰々さん」という固有名詞は、その人の個性や人格と結びついている。匿名化されてしまった人間は人格を無視された単なる「道具」でしかない。
(「現代の派遣奴隷制が若者を襲う~人格の否定、支配的な強制労働、暴力による労務管理」)

こうした「派遣奴隷」のような状況は、リーマンショック時の「派遣切り」の嵐が吹き荒れた昔の話などではありません。直近でも奴隷並みの扱いを受ける中高年の派遣労働のブラックすぎる実態の体験ルポなどを見れば同様の状況が引き続いていることが分かります。(※参照→「仕事内容はウソ、奴隷並みの扱い…中高年の派遣労働のブラックすぎる実態を体験ルポ!」)

そして、派遣労働者が過酷な労働実態にあることを示すデータがあります。下のグラフにあるように、製造業における派遣労働者の労働災害発生割合は、正社員の2.52倍も高いのです。

また、上のグラフにあるように、全業種の派遣労働者の労働災害発生率を見ても、派遣労働者の4.8は全労働者2.8の1.7倍も高くなっているのです。上記で紹介した労災隠しのことも加えて考えると、どれだけ派遣労働者が過酷な労働実態に置かれているかが分かります。

今でも日本は上のグラフにあるように世界トップの派遣会社事業所数となっています。世界の派遣会社事業所数の7割を日本が占めているのです。

人格の否定、商品としての売買、支配的な強制労働という特徴が含まれる「派遣奴隷」。匿名化された扱い、労働者をリースのように転がしていく商売、絶対的な指揮命令権、「生涯派遣奴隷」となる今回の派遣法改悪法案は廃案にすべきです。

▼いま派遣当事者への緊急アンケートを実施中です。ぜひ、ご協力ください。

【派遣労働者の皆様へ】★緊急アンケート★派遣で働く労働者の不安を国会議員にぶつけるためのアクション

 

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井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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