各省大臣の秘書は1人で「私人」の安倍昭恵氏には秘書5人=国家公務員を首相のプライベートコマンド(私兵)化する官邸の官僚支配がまねいた森友学園問題

  • 2017/3/3
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内閣総理大臣の秘書は7人
各省大臣の秘書は1人。
国会議員の公設秘書は3人。
内閣総理大臣が「私人」だと断言した内閣総理大臣夫人の秘書が5人。

そして、産経ニュースの報道です。

公務員スタッフが首相夫人の安倍昭恵さん講演に同行 出張費は昭恵さんが負担「私的行為」
産経ニュース 2017.3.3 12:40

学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地払い下げ問題をめぐり、政府は3日の衆院国土交通委員会で、安倍晋三首相の昭恵夫人が平成27年9月5日に法人が経営する塚本幼稚園で講演した際、公務員のスタッフが同行していた状況を明らかにした。民進党の玉木雄一郎氏に対する答弁。

政府によると、出張費は昭恵夫人が負担。当日は土曜日で、政府側は同委で「勤務時間外で、私的な行為として同行していた」と答えた。

玉木氏は「外形的には公務員を伴っているのは事実で、完全に私的な行為というのは難しい」と述べた。

 

「私人」の内閣総理大臣夫人に、普段は「公人」の国家公務員が「勤務時間外で、私的な行為として同行していた」から「私的行為」だと政府側は言いたいわけですね。

この政府側の言い分は相当無理がある上に、そもそも「私人」である内閣総理大臣夫人に「公人」の国家公務員が秘書として5人も付くこと自体が異常であることは、各省大臣の秘書が1人であることからも明らかです。

そうした実態を『週刊新潮』が記事にしています。

「安倍昭恵」総理夫人を支える霞が関女性官僚5人衆の年収総計
『週刊新潮』2017年3月2日号

「楽しんでやらなきゃ、何事も身につきはしません」。シェイクスピアの戯曲『じゃじゃ馬ならし』のセリフに倣ったのか、安倍晋三総理夫人の昭恵さん(53)は、梅雨空を気にする様子も見せずにファーストレディとして東奔西走中だ。そんな彼女を支えるのは、霞が関の女性官僚5人衆。休日も返上でアッキーに付き従う、彼女たちの年収総計とは。

高いか安いか、総額2880万円也――。人事院勧告などの資料による、昭恵さんの専属スタッフ5人にかかる人件費である。

「彼女たちは“総理夫人付き”と呼ばれ、官邸の5階に専用の部屋を持っています。主な業務は、昭恵さんのスケジュール管理や移動手段の確保、関係各所への事務連絡など。役割は国会議員の秘書とほとんど変わりませんが、ここまで多くの総理夫人専属スタッフが付いたのは過去にも例がありません」

とは、さる官邸スタッフ。

「全員が出向者で、内訳は経産省から2人、外務省からが3人です。普段は経産省の2人が昭恵さんと行動を共にしており、外務省の3人は昭恵さんが外国の要人を接待したり、海外を訪問する時に加わります」

出向元が経産省と外務省に限られた理由は、

「安倍総理が、自ら信頼する経産省出身の今井尚哉政務秘書官に職員の派遣を要請したこと。更に外務省職員が外交儀礼に通じている点が重視されました」(同)

つまり、平均年収580万円の女性官僚たちは、昭恵さんの「お目付け役兼教育係」でもあるという。

 

内閣総理大臣や各省大臣の秘書については、「内閣法」の第20条で秘書を置くことが規定され、秘書の人数は「政令で定める」とされています。しかし、「内閣総理大臣夫人に秘書を置く」などとはどこにも規定されていません。どうしてこんな超法規的なことがまかりとおっているのでしょうか?

その大きな背景には、2014年5月30日に設置された内閣人事局によって、国家公務員のキャリア官僚の人事が首相官邸にコントロールされ支配されていることにあると思います。首相官邸がキャリア官僚の人事を支配するということは、公務の中立・公正性が侵害されて、憲法15条で「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」とされているにもかかわらず、実際には国家公務員が政治家でもない「私人」=首相夫人のプライベートコマンド(私兵)化になるところまで来てしまったことを今回の森友学園事件は示しています。

そして、森友学園による国民主権と基本的人権を否定し子どもを虐待する教育への「奉仕者」に国家公務員がなってしまっているという「政治家のプライベートコマンド(私兵)化された国家公務員」の末路がどんなに酷いものであるかも具体的に明らかにしているのです。

▼関連
◆公務員はアメリカの戦争の奉仕者ではない、政権与党に民意が反映されない小選挙区制のもとでの「政治主導」と「戦争法」の二重の違憲状態
◆安倍昭恵名誉校長と安倍晋三首相「大変すばらしい森友学園の教育」=幼児虐待、トイレに自由に行かせず2歳でもオムツ禁止で大小排泄物を登園バッグで持ち帰らせる、日常的なヘイトスピーチ・恫喝
◆森友学園8億円ダンピングの口利き政治家は誰なのか?――国の行政執行ゆがめる5割超は国会議員
◆公務の中立・公正性の侵害、使用者権限の一方的強化に反対する――国家公務員法「改正」法案の閣議決定にあたって(国公労連書記長談話)
◆公務員は政治家の「私兵」か、それとも全体の奉仕者か:東海林智記者(毎日新聞)

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学教職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員(教宣部長)、労働運動総合研究所(労働総研)理事、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者、日本機関紙協会常任理事(SNS担当)、「わたしの仕事8時間プロジェクト」(雇用共同アクションのSNSプロジェクト)メンバー。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)があります。

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