6年前は富裕層388人→現在は8人の資産が世界人口の半分の36億人分と同じに、トップ1%が99%の資産を上回る1%のためだけの世界ひろがる

朝日新聞の報道です。

富裕層トップ8人の資産、36億人分と同額 NGO試算
朝日新聞 2017年1月16日21時45分

国際NGO「オックスファム」は16日、2016年に世界で最も裕福な8人の資産の合計が、世界の人口のうち、経済的に恵まれない下から半分(約36億人)の資産の合計とほぼ同じだったとする報告書を発表した。経済格差の背景に労働者の賃金の低迷や大企業や富裕層による課税逃れなどがあるとして、経済のあり方に抜本的な変化が必要だと訴えている。

スイス金融大手クレディ・スイスの調査データと、米経済誌フォーブスの長者番付を比較して試算した。下位半分の資産は、上位8人の資産の合計約4260億ドル(約48兆6千億円)に相当するという。

オックスファムは昨年の報告書で、15年の下位半分の資産額は上位62人の合計(約1兆7600億ドル)に相当するとした。今回は新興国で詳細なデータが追加されたことで、下位半分の資産額が世界全体の資産に占める割合は、15年の0・7%から0・2%に減った。今回の報告書で使ったデータをもとに15年の資産額を計算し直すと、下位半分の資産額は上位9人の合計に相当するという。

報告書は1988年から2011年の間に下位10%の所得は年平均3ドルも増えていないのに対し、上位1%の所得は182倍になり、格差が広がっていると指摘している。経営陣に比べて労働者の賃金が上がっていないことや、大企業などがタックスヘイブン(租税回避地)を使って納税を回避することで発展途上国を中心に税収が減り、下位の層に影響を与えていることが背景にあるとしている。

オックスファムは富裕層などへの課税強化などを呼びかけ、国内総生産(GDP)の成長を政策目標に掲げるのは誤りで、経済規模でなく、富の分配を反映した指標の採用が必要だとも指摘した。17日に始まる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)を前に、政府や経済界のトップに対応を求めた。

 

このオックスファムの格差に関する報告書「99%のための経済」過去にさかのぼってみると、世界人口の半分と同じ資産を持つ富裕層の人数の推移が分かります。それをグラフにしてみたものが以下です。

今回発表の報告書において、オックスファムは新興国の新たなデータが加わったことで、2015年の人数は「62人ではなく9人」としていますので、上のグラフも2015年は9人にしています。

上のグラフにあるように、2010年の388人から2016年のわずか8人と、この6年で48分の1の超富裕層に富が集中し格差は極まっています。ところが、この格差もさらに拡大するとオックスファムは警告しています。

上のグラフは、オックスファムの2015年の同報告書に掲載されているものです。トップ1%の資産は2016年の時点ですでに99%の資産を上回っているのですが、このまま推移するとトップ1%の資産は右肩上がりに増え続け、99%の資産は減り続けると予測。トップ1%の資産が99%の資産をはるかに上回ってしまう1%のためだけの世界にますますなってしまうと警告しているのです。

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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