日本の高等教育は私費負担が異常に重い=OECD34カ国平均の2倍以上、学生一人当たりで見ても日本の公的支出は低い

  • 2017/1/15
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以前アップした「大学など高等教育への日本の公的支出は6年連続でOECD最下位、33カ国平均の半分以下と突出して低い大学への公的支出は日本の「競争力」低下と連動している」に対して、「日本は少子化が進んでいるのだから子ども一人当たりで見れば公的支出は高くなるから問題はない」との意見が寄せられました。本当でしょうか?

OECDのデータを見てみましたが、「子ども一人当たり」についてのデータは見あたりませんでした。見つけたのは、「高等教育機関の在学生一人当たりに対する公的支出」で、分かりやすくグラフ化すると以下です。

上のグラフにあるように、学生一人当たりで見ても日本はOECD32カ国平均の7割しかありません。学生一人当たりで見ても日本の公的支出は低いのです。

さらに日本の公的支出が低いことを如実に表すデータが、以下の「日本の高等教育支出に占める私費負担割合」です。

上のグラフにあるように、日本の高等教育支出に占める私費負担割合は65%とOECD34カ国平均の30%の2倍以上と、韓国に次いで高等教育が自己責任になってしまっているのです。

そして、下のグラフは、この私費負担割合と子どもの貧困率を主な国で見たものです。高等教育の私費負担割合が高い国は、高等教育が自己責任になっている国であり、この教育の自己責任が、子どもの貧困につながっていく部分も大きいと言えるのではないでしょうか。

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学教職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員(教宣部長)、労働運動総合研究所(労働総研)理事、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者、日本機関紙協会常任理事(SNS担当)、「わたしの仕事8時間プロジェクト」(雇用共同アクションのSNSプロジェクト)メンバー。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)があります。

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