退役米兵の自殺は1日20人、とりわけ若者の自殺率は米国平均の4倍も高い、そしてイラク派遣中の陸上自衛隊員の自殺率は退役米兵をも超える、戦死せずとも若者の命を確実に奪う「戦争法」発動

  • 2016/8/8
  • 退役米兵の自殺は1日20人、とりわけ若者の自殺率は米国平均の4倍も高い、そしてイラク派遣中の陸上自衛隊員の自殺率は退役米兵をも超える、戦死せずとも若者の命を確実に奪う「戦争法」発動 はコメントを受け付けていません

アメリカの退役軍人省が8月3日、退役した米兵の自殺に関する報告書を公表し、2014年の時点で1日平均20人が自殺していることなどを明らかにしました。

この報告書に掲載されている2001年から2014年までの年齢別・性別の自殺率(人口10万人あたりの自殺者数)が以下の表になります。

上の表から退役米兵の自殺率と、アメリカ全体の平均の自殺率とでグラフをつくってみたのが以下です。

上のグラフにあるように、退役米兵の自殺率は平均の3倍と高くなっています。

年齢階層別の自殺率の2001年から2014年の推移を見ると、以下のグラフにあるように、18-29歳が24.8から58.4へと2.35倍も増え、30-39歳も増加しています。高齢層は微減していて、若い世代の自殺率だけが増加しています。

下のグラフは、若い世代の退役米兵の自殺率を、アメリカ全体の平均と比べてみたグラフです。アメリカ全体の平均の年齢の刻みとは一致しないのですが、とりわけ、18-29歳の自殺率は4倍も高くなっています。

以前、「イラク派遣中の陸上自衛隊員の自殺率は公務員の2倍、「非戦闘地域」が建前の派遣で56人の若者の命が奪われた」という記事の中で、以下のグラフをつくりました。

上のグラフでいちばん高くなっている2004年から2006年にかけての自殺率42.9~43.5というのは、アメリカの退役米兵でいちばん高い2001年の自殺率39.9をも超えています。これは、ベースとして日本社会全体の自殺率がアメリカよりもともと高いという問題もありますが、もしも「戦争法」が発動され、自衛隊員も米兵と同じように戦場で戦闘行為を行えば、今でも高い自衛隊員の自殺率が大きく増大してしまうことは明らかでしょう。そして、退役米兵にも顕著に見られるように自衛隊員の若者の命を奪うことになるでしょう。戦場における戦闘の中で命を奪われなかったとしても、「戦争法」の発動は、若者の命を確実に奪うことになるのです。そうなる前に、私たちは「戦争法」を廃止する必要があります。若い自衛隊員の命を守るためにも「戦争法」の発動を阻止し、「戦争法」を廃止しなければなりません。

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学教職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員(教宣部長)、労働運動総合研究所(労働総研)理事、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者、日本機関紙協会常任理事(SNS担当)、「わたしの仕事8時間プロジェクト」(雇用共同アクションのSNSプロジェクト)メンバー。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)があります。

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