小池百合子氏:全国最低出生率の東京で子どもを産み育てやすくする政策は「意識改革が一番」「人生の目的を問う」=公的保育・社会保障の充実は東京を危なくするというのが小池百合子氏の政治家としての信念

  • 2016/7/26
  • 小池百合子氏:全国最低出生率の東京で子どもを産み育てやすくする政策は「意識改革が一番」「人生の目的を問う」=公的保育・社会保障の充実は東京を危なくするというのが小池百合子氏の政治家としての信念 はコメントを受け付けていません。

昨夜のNHKnews watch9で、「都知事選の論点」として、「少子化対策」と「高齢化対策」について候補者本人に政策を直接聞いていました。

まず「少子化対策」についてですが、東京は「全国で最も低い合計特殊出生率」であることを指摘。

[そして、キャスターの前ふり]この背景には、共働きの夫婦が増えるなかで、共働き夫婦ともに働き続けることができる環境が十分に整っていないことがあげれられます。東京は保育園の待機児童が最も多く、また若い世代の収入が低く結婚したくても結婚することができないということもあげれらています。こうした課題があるなかで、東京をどのようにして子どもを産み育て安い街にしていこういくのか、候補者に聞きました。(※長くなるのでここでは鳥越俊太郎氏と小池百合子氏だけの紹介となります)

▼鳥越俊太郎都知事候補の回答

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▼小池百合子都知事候補の回答

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テロップだけでなく、小池百合子都知事候補が言ったことを書き起こすと以下になります。

「私は意識改革が一番だと思います。ライフワークバランス、ライフが先にきて、その後がワークだと思っています。そして、個人の時間をもっと持つこと。婚活だって必要かもしれません。5人にひとりの男性が未婚のまま一生を終わるというそんな数字も出ています。私は働き方改革を都庁の職員から先行して始めていきたいと思っています。人生の目的は何かそれが問われていると思います」

小池百合子都知事候補の「少子化対策の一番は意識改革」だそうです。まったくあきれてしまいますが、本田由紀東大教授も以下のツイートをしています。

小池百合子都知事候補本人が語った「少子化対策」の具体は、「意識改革」「婚活」「都庁職員から人生の目的は何かを問う働き方改革を先行」というわけです。

上記は毎日新聞の世論調査結果ですが、東京の待機児童問題が深刻化するなか「子育て」の問題を優先して新都知事には取り組んでほしいと都民は思っているわけですが、「意識改革が一番」の政策という小池百合子氏が都知事になってしまったら子育て環境はなんら改善されないでしょう。小池百合子氏に言わせれば、「子どもを産み育てようと意識改革しない都民が悪い」だけなのですから、「意識改革」のための教育現場での締め付けが強制されるなどマイナス面の方が問題となる可能性もあるでしょう。

つぎに「高齢化対策」です。

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[上記のグラフを見せながらキャスターの前ふり]急速にすすむ高齢化にどう対応するのか? 候補者に聞きました。

▼鳥越俊太郎都知事候補の回答

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▼小池百合子都知事候補の回答

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テロップだけでなく、小池百合子都知事候補が言ったことを書き起こすと以下になります。

「いわゆる2025年問題があります。2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者を迎える。しかし高齢でも暮らせるというのはこんなハッピーなことはないと思いますが、生きがいをどう確保していくのか、例えば私はソーシャルファームということも提唱しています。いつまでも働き続けてやはり社会の一員であると、そういう体制づくりを後押しをしていきたいと思います」

小池百合子都知事候補の「高齢化対策」の一番は「生きがいの確保」だそうです。深刻な介護職員不足や介護離職、ヤングケアラー問題や老老介護、“介護殺人”なども起こり高齢者の生活と命が守れない事態が進行している深刻化な介護問題に対して、小池百合子氏がもし都知事になったら具体的な改善施策を打たないことは明らかだと思います。せいぜいソーシャルファームで高齢者は働き続けろという号令をかけるぐらいのものでしょう。

結局、小池百合子氏は、「少子化対策」も「高齢化対策」も「意識」の問題だと言っているわけですが、これは小池百合子氏がずっと持ち続けている政治家としての信念です。それは、先に紹介した小池百合子氏の以下の言説を見ても分かります。「社会保障が日本を危なくする」「自助の精神での意識改革こそ重要」というのが小池百合子氏の信念なのですから、公的保育も介護も改善が必要とは、じつはまったく思っていないのです。

生活保護の抜本的な改悪が必要
女性は自助を学ぶ機会が少ない、自助の精神での意識改革が重要
3世代同居が出生率を上げる

小池 日本は、210万人といわれる生活保護受給者を抱え、3兆7千億円という膨大な予算を使っています。この現状を打開するためにも、自民党の綱領に明記しているとおり、自助の精神を基本とする抜本的な改革を進める必要があります。

――自助の精神を養うには、何が必要でしょうか。

小池 女性は働くにしても「このようになりたい」「こうしたい」というロールモデル、お手本が少ないように思います。男の子は小さい時から野球やサッカーなどのゲームを通じて、ルールや手本を学びますが、人形遊びなどで育つ女の子は、そうしたルールを学ぶ機会が少ないのでは。ですから、いろいろな分野でロールモデルをつくることで、自助を身近に感じることが必要ではないでしょうか。

自助は、日本を支え、活力を生む背骨です。男女を問わず、自助の精神を持てる環境づくりに取り組み、意識改革と制度づくりをしなければならないのです。

自助の精神を失ったら、日本は危ない。あまりにやさしすぎる社会は、結果として、みんなが痛みを受けることになると思います。

ですから、人々とのつながりと自助の強化を進めるとともに、これまでの社会保障政策や労働政策の見直し、意識改革が重要なのです。(※インタビュー誌面に掲載されている別表には「提案」として、出生率を上げるために「家族による世代間支援(3世代同居など)」も考えられるとの表記あり)
【『りぶる』(自由民主党)特集 女性が暮らしやすい国はみんなにとっていい国だ特命委員会 「1192(いいくに)特命委員会」小池百合子委員長にインタビュー 女性力で経済成長を!、12ページ、2012年11月】

自助の精神を失えば、日本は危ない。国家に依存し、保障を要求するような今日の「期待しすぎた社会」から抜け出し、一人ひとりができる範囲で、地域社会に貢献していく生き方や働き方を生涯継続していける社会を目指すことが大切だと考えます。
【小池百合子著『女性が活きる成長戦略のヒント20/30プロジェクト。』(23ページ、プレジデント社、2013年6月)】

▼「頼もしい男性が決定的に減っていることこそが、少子化の最大の原因というのが小池説である」

小池百合子氏の公式サイトより(頼もしい日本人作り 社団法人 日本青年会議所 W・Book(2000年度)

今、わが国が抱える最大の問題は少子高齢化である。年金、介護、雇用…。いずれも原点は人口構造の歪みに帰結する。

そこで少子高齢化と称し、数兆円規模の予算が投入されてきたが、多くは保育、子育て支援であって、直接の少子化対策ではない。私は政策決定の場で違和感を訴えてきたが、男性諸氏にはおわかりにならないようだ。

問題は、今時の女性が結婚に価値を見いださず、結婚したいと思わなくなったことにある。「この人の子供を生みたい」という気にならないことにある。では、なぜ結婚や出産に価値を見いださないのか。経済力アップ、一人者の気楽さ、面倒臭い、人それぞれだろう。単なる女性のわがままという人もいる。しかし、女性が結婚へのあこがれをまったく失ったわけではない。結婚しなくても、子供だけはほしいという女性も驚くほど多い。

社会心理学的には、女性はどんなに社会的、経済的に強くなったとしても、どこかで、誰かに守ってもらいたいという「シンデレラ・コンプレックス」を持つものである。ところが、最近の男性は女性化する一方で、むしろ自分が守ってもらいたいような母性愛を求める傾向が強いようだ。このすれ違いこそが女性に結婚や出産を思いとどまらせる原因となっているのではないか。つまり、頼もしい男性が決定的に減っていることこそが、少子化の最大の原因というのが小池説である。

つまるところ、教育である。女子教育もさることながら、男子教育こそ重要だ。別に喧嘩が強ければ頼もしいとはいわないが、例えばイギリスの宰相ディズレーリの母は、子供に喧嘩に強くなるように教育し、その中からリーダーシップを体感するようにさせた。

誰も肉体的マッチョになれとは言わない。精神面の強さ、芯の強さ、責任感、それらを総合した頼もしさを学んでほしい。高校生への海外ボランティア制度の導入などを通じて、教育面から、頼もしい日本人作りをしてみたい。

▼関連

小池百合子都知事候補の公式サイトに「東京に核ミサイルを」「核武装を」「急げ軍法会議」「少子化の最大の原因は頼もしい男性が減っていること」、そして子どもの命奪う #小池百合子さんの保育政策は危険です

小池百合子氏の正体=「社会保障が日本を危なくする」と言い侵略戦争肯定で1ミリの領土のため国民の血流す改憲めざしヘイトスピーチ連発の極右政治家、辺野古基地反対の沖縄を蔑視、夫婦別姓反対、女性は自助の精神養え

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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