安倍首相「アベノミクスの経済好循環で正規労働者も8年ぶりに26万人増加」→事実は「アベノミクスの経済悪循環で正規労働者は8年前より145万人減、民主党政権時より36万人減」
- 2016/7/4
- 雇用・労働法制
- 安倍首相「アベノミクスの経済好循環で正規労働者も8年ぶりに26万人増加」→事実は「アベノミクスの経済悪循環で正規労働者は8年前より145万人減、民主党政権時より36万人減」 はコメントを受け付けていません
安倍首相が「アベノミクスによる経済の好循環を通じて正規雇用者も8年ぶりに26万人増加しました」と言っています。自民党の公式サイトでも「アベノグラフィックス」(データで見る「アベノミクス」20の成果と目標)として以下をアップしています。
本当にアベノミクスで26万人も正規労働者が増えているのでしょうか? 検証してみましょう。
下のグラフは、総務省「労働力調査」にある正規労働者数(年平均)の2007年から2015年までをグラフ化したものです。
上のグラフにあるように、8年前の2007年より直近の2015年は145万人も正規労働者は減っています。そして、下のグラフにあるように、民主党政権時の2012年と比較しても2015年は36万人も正規労働者が減少しているのです。
安倍首相が「正規雇用者も8年ぶりに26万人増加した」というのは、2014年と比較して2015年は26万人増加したことを、「アベノミクスによる経済の好循環」の「成果」と言っているわけです。しかし、そもそも2014年の正規労働者数は民主党政権時の2012年より62万人も減らしていて、総務省「労働力調査」で確認できる数字では史上最低の正規労働者数です。史上最低まで正規労働者数を減らしておいて(しかも、2013年の前年からの減少は過去最大の46万人の減少です)、そこから少し増やしたことを安倍首相は「アベノミクスによる経済の好循環を通じて正規雇用者も8年ぶりに26万人増加しました」と言っているわけですが、事実は、「アベノミクスによる経済の悪循環を通じて正規雇用者は8年前より145万人減少し、民主党政権時より36万人減少しました」ということです。
正規労働者の減少の裏返しとして、下のグラフにあるように、非正規労働者数・率はアベノミクスで過去最大になっています。
とりわけ問題なのが、世界最悪の無権利状態に置かれている派遣労働者が激増していることです。
そして、安倍政権は「正社員切り」を促す政策(以下は東京新聞6月25日付)を実施した上に、「残業代ゼロ法案」など労働法制の大改悪を狙う史上最悪の雇用破壊推進政権です。