2016年3月期決算で大企業の役員報酬トップの時給302万円と過去最高、役員報酬は倍増し勤労者世帯は年間21万円減、富裕層にとっては大成功のアベノミクス

  • 2016/6/23
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東京商工リサーチが「上場企業「役員報酬 1億円以上開示企業」調査 歴代最高額を更新」を昨日発表しました。現時点での集計では以下の「役員報酬ランキング」の上位10人が公表されています。

上記のデータをつかって、2つグラフを作ってみました。

下のグラフは、上位10人の役員報酬と労働者の実質賃金です。(※実質賃金は、厚労省「毎月勤労統計調査」より各年度のデータで、役員報酬は2016年3月期決済ですが2015にプロットしてグラフは作成しています)

上のグラフにあるように、アベノミクスで役員報酬は倍増しているのに、労働者の実質賃金は減ってしまっています。

それから、下のグラフは勤労者世帯の実質可処分所得とで作ってみたものです。(※勤労者世帯の実質可処分所得は、総務省「家計調査」の総世帯の平均の実質年所得です)

上のグラフにあるように、アベノミクスで役員報酬額は倍増しているのに、勤労者世帯の実質可処分所得は年間21万3648円も減少してしまっているのです。

NHKによると、昨日の参院選公示日に安倍首相は次のように訴えたとのことです。

選挙戦の最大のテーマは経済政策だ。野党は口を開けば批判ばかりを行い、『アベノミクスは失敗した』ばかりだ。しかし本当にそうなのか。この戦い、前進か後退か、日本を成長させ、地域を豊かにしていくのか、あるいは4年前に逆戻りしてしまって、あの暗い低迷した時代に戻るのか、それを決める選挙だ

参院選公示 各党党首が支持訴え NHKニュース 6月22日 18時52分

 

アベノミクスの3年間で実質賃金は減り続け、勤労者世帯の実質可処分所得が年間で21万円も減ってしまっているのに、安倍首相は「アベノミクスは失敗していない」と主張してやまないのは、安倍首相が大企業役員と富裕層の立場にたっているからだと思います。

大企業の役員報酬はアベノミクスで倍増しているわけですから、大企業の役員にとっては、「アベノミクスは成功した」わけで、大企業の役員報酬は「前進」し「成長」し「豊かに」なっているのに、「4年前に逆戻りしてしまって、あの暗い低迷した時代に戻る」のは絶対にイヤでしょう。

安倍首相の「4年前に逆戻りしてしまって、あの暗い低迷した時代に戻るのか、それを決める選挙だ」というのは、私たち99%の国民に向かってではなく、1%の大企業役員と富裕層に向かっての訴えなのだ思います。4年前に逆戻りすると、勤労者世帯の実質可処分所得は年間21万円増え、大企業の役員報酬は半減してしまうのですから。

(ちなみに、今回の歴代最高額を更新したソフトバンクグループのニケシュ・アローラ元代表取締役副社長の役員報酬額64億7,800万円というのは、時給換算すると、302万2千円にもなります[※時間給換算は、総務省「労働力調査」役員月間就業時間178.6時間にもとづき算出])。

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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