自民党参院幹事長「待機児童、働きやすくしたから増えた」→事実は出生数過去最低、子育て世代の女性雇用減少、マタハラ増と育休取得率低下など女性の働きづらさを増幅させた安倍政権

  • 2016/4/23
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朝日新聞の報道です。

「待機児童、働きやすくしたから増えた」 自民・伊達氏
朝日新聞 2016年4月22日00時08分

■伊達忠一・自民参院幹事長

待機児童の問題は民主党が政権を取ったときは3万1千人だった。今は12万人です。急に子供が増えたんじゃない。(安倍政権になって)女性が社会で活躍するための法律をいくつも通させていただいた。そして育児休暇も(取得できるよう)しっかりとやってきた。「それならもったいないから私も子どもを預けて働きに出よう」ということで何倍にも増えた。働きやすい環境を作ったから増えたんだ。(21日、北海道北広島市のJR北広島駅前で)

 

本当でしょうか? 少し統計を見てみましょう。

まず、「急に子供が増えたんじゃない」という点ですが、厚生労働省の「人口動態統計」の最新データは以下で、直近の2014年の出生数は過去最低です。政府与党の政治家としては、「急に子供が増えたんじゃない」などと言っている場合でなく、客観的事実として安倍政権が「出生数を過去最低にした最も子どもを生み育てづらい政治」を行っていることに対して反省すべきところだと思います。

次に、「(安倍政権になって)女性が社会で活躍するための法律をいくつも通させていただいた。そして育児休暇も(取得できるよう)しっかりとやってきた。」という点です。以下は、厚生労働省の2014年度「雇用均等基本調査」の女性の「育児休業取得率の推移」です。下のグラフを見て分かるように、民主党政権下の2011年の87.8%の方が安倍政権下の2013年~2014年の2年間より女性の育児休業取得率は高いのです。

「「それならもったいないから私も子どもを預けて働きに出よう」ということで何倍にも増えた。」と言っているのは本当でしょうか? 厚生労働省の「人口動態統計」によると、第1子出生時の母の平均年齢は2014年で30.6歳ですので、総務省「労働力調査」の年齢区分で「25~44歳」の女性雇用者数を見てみましょう。下のグラフは、年平均の雇用者数です。安倍政権下で2013年と2014年は増えていますが、直近の2015年は1,056万人と、民主党政権時2012年の1,060万人よりも減っています。民主党政権時よりも「何倍にも増えた」というのは大ウソだということが分かります。

下のグラフは、より詳細に、4半期平均の雇用者数を見たものです。直近の2015年第4四半期は1,061万人で、民主党政権下の2012年第4四半期は1,064万人ですから、ここでも安倍政権の方が減ってしまっているのです。

あわせて正規・非正規雇用数を見てみると、直近の2015年第4四半期の正規雇用数は543万人で、民主党政権下の2012年第4四半期は561万人ですから、正規雇用数は18万人も減ってしまっていて、逆に非正規雇用数は15万人も増えています。

最後の「働きやすい環境を作ったから増えたんだ」という点ですが、下のグラフは、厚生労働省の「労働局雇用均等室に寄せられた労働者からの相談件数の推移」です。グラフを見てのとおり、妊娠・出産などを理由とする不利益取扱い相談件数、いわゆるマタハラ相談は安倍政権下で年々増えており、とても「働きやすい環境」を作っているとは言えないのです。

 

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井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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