18~19歳の74%が「憲法9条、変えない方がよい」、59%が「格差、行き過ぎてる」=アベノミクスで富裕層上位40人の資産は倍増(2016年14.5兆円)、貯蓄ゼロは466万世帯増(全世帯の37.4%が貯蓄ゼロ)

朝日新聞の報道です。

「格差、行き過ぎている」59% 18~19歳世論調査
朝日新聞 2016年4月8日04時01分

今夏の参院選から18歳、19歳が投票できるようになるのを前に、朝日新聞社は夏までに18、19歳になる人を対象に初めて全国世論調査(郵送)を実施、政治や社会などに対する意識を探った。社会の現状に対し不公平感を訴える声が目立つ中、経済を中心とした政策に力を入れることを望む声が多かった。一方で、いまの政治への期待感は低い傾向にあることも浮き彫りになった。

調査は2~4月に実施。朝日新聞社の世論調査は20歳以上の有権者を対象に実施しているが、今回の調査では7月1日現在で18歳、19歳の人3千人を対象にした。回収率は70%。

調査で、社会の現状について尋ねると、経済的な生きづらさや不公平感を感じさせる意見が多かった。

収入などの格差については、「行き過ぎている」と考える人が59%と半数を超え、収入などの格差があるのは「社会のしくみによる面が大きい」とした人も59%いた。いまの日本は、努力しても「報われない社会だ」と考える人も56%と半数以上だった。収入や就職の面で、若い人たちが「自立しにくい社会だ」とした人は82%に達した。

こうした中、いまの政治で力を入れてほしいことを複数回答であげてもらうと、最も期待が高かったのが「景気・雇用」で72%。次に多かったのも、将来の生活基盤にかかわる「年金・医療など社会保障」の61%。「教育」は46%で、3番目だった。

しかし、いまの日本の政治家が若い人たちのことを考えて政治をしているかどうかを尋ねると、「そうは思わない」80%が、「考えて政治をしている」12%を圧倒。これは、政治への関心を尋ねた別の質問で、「大いに関心がある」「ある程度関心がある」「あまり関心はない」「まったく関心はない」と答えた人それぞれでみても、8割に達していた。

憲法改正の是非については、「変える必要はない」が57%と半数を超え、「変える必要がある」は33%。20歳以上を対象にした憲法に関する世論調査(2015年3~4月実施)では、「変える必要はない」48%が、「変える必要がある」43%をやや上回っていた。憲法9条については、条文を示したうえで改正の是非を尋ねたところ、「変えないほうがよい」は74%で、「変えるほうがよい」20%を大きく上回った。

憲法9条を「変えないほうがよい」が74%にのぼったというのにも注目すべきですが、ここでは、「格差、行き過ぎている」59%についてです。

フォーブス誌が4月7日、2016年の日本長者番付を発表しました。世界経済減速の影響で上位50人の合計資産は減りましたが、半数は資産を伸ばしています。アベノミクスによって富裕層の資産がどれだけ増えたかを見るには、2012年の数字と比較する必要があるわけですが、フォーブス誌の発表は2012年は上位40人で、2013年以降は上位50人になっていますので、ここでは上位40人のデータで見てみましょう。

下のグラフは、フォーブス誌のデータをグラフにしてみたものです。2016年の富裕層上位40人の資産は減ったとはいえ、2012年の数字と比較すると、アベノミクスでほぼ倍増していることに変わりはありません。

そして、下のグラフは、富裕層上位40人の資産と、貯蓄ゼロ世帯数の推移を見たものです。(※貯蓄ゼロ世帯の直近数字が2015年なので2015年の数字でグラフ化しています) グラフを見れば一目瞭然、富裕層上位40人の資産は倍増しているのに、貯蓄ゼロ世帯は466万9千世帯(全世帯の29.5%から37.4%へ7.9ポイント)も増えているのですから、18~19歳の59%が「格差、行き過ぎている」と答えるのも当然だと思います。

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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