経団連と安倍政権の「日本の法人税は高い」「法人税減税しないと国際競争力が低下する」はデタラメ→事実は日本より1.5倍も「法人税と社会保険料」が高いノルウェーや北欧諸国の方が国際競争力は遙かに高い

  • 2015/12/25
  • 経団連と安倍政権の「日本の法人税は高い」「法人税減税しないと国際競争力が低下する」はデタラメ→事実は日本より1.5倍も「法人税と社会保険料」が高いノルウェーや北欧諸国の方が国際競争力は遙かに高い はコメントを受け付けていません。

昨日(12月24日)、安倍内閣が、2016年度政府予算案を閣議決定しました。

2017年4月から低所得者ほど負担が重い消費税増税(食料費などの税率を8%に据え置いても4.5兆円もの国民負担増)を前提に、大企業に対しては法人実効税率を現行の32.11%から29.97%へ引き下げ、さらに2018年度には29.74%まで引き下げるとしています。この間、経団連が主張してきた法人税減税と消費税増税の目論見通りの政府予算案です。下のグラフにあるように、法人税減税の穴埋めに消費税増税はつかわれているのです。

経団連や安倍政権は、日本の法人税は諸外国に比べて高いと言っていますが、それは名目の法人税率だけです。実際の大企業の法人税負担率は優遇措置があるため下のグラフや表にあるように、大企業全体で13.2%と中小企業よりも低くなっています。その上、安倍政権は毎年大企業減税をすすめてきました。(下の表参照)

それから、企業は、どこの国でも「法人税」とともに「社会保険料」を負担しなければなりません。「企業の負担」を問題にするなら、「法人税」だけでなく「社会保険料」を合わせた「企業の公的負担」を国際比較するべきです。下のグラフは、OECDの直近データから私が作成したものです。下のグラフにあるように、2013年のデータがある23カ国の中で、日本は10番目です。フランスの「企業の公的負担」は日本の1.4倍も重いのです。

また、経団連や安倍政権は、「法人税が高いと国際競争力が低下する」と言っていますが、本当でしょうか? 下のグラフは、IMD(経営開発国際研究所)による2015年世界競争力ランキングです。日本は27位ですが、日本より「企業の公的負担」が1.5倍も重いノルウェー(7位)をはじめ、スウェーデン(9位)、フィンランド(20位)、ベルギー(23位)が、日本よりも「企業の公的負担」が重いのに、国際競争力は日本よりも高いのですから、経団連や安倍政権の「法人税が高いと国際競争力が低下する」という主張はデタラメであることが分かります。法人税減税を強行したいがための経団連や安倍政権の主張はデタラメにデタラメを重ねているものなのです。

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、福祉国家構想研究会事務局、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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