ワタミ創業者・渡辺美樹自民党参院議員「下流にいれば飯が食えなくなって野垂れ死にするしかない」、過労死遺族等に「不当な要求」「なめんなよ」と恫喝、20年後も「365日24時間、死ぬまで働け」のワタミでありたい

  • 2015/12/9
  • ワタミ創業者・渡辺美樹自民党参院議員「下流にいれば飯が食えなくなって野垂れ死にするしかない」、過労死遺族等に「不当な要求」「なめんなよ」と恫喝、20年後も「365日24時間、死ぬまで働け」のワタミでありたい はコメントを受け付けていません

【▲上の写真は、今(2015年12月9日12時30分現在)でも掲載されている渡辺美樹氏のFacebookから】

全国一般東京東部労組の「ワタミ過労死裁判勝利解決についての声明」の一部です。

ワタミは「ブラック企業」の象徴となり、渡辺氏は働く者にとって怨嗟の的(えんさのまと)となった。ワタミは昨年と今年2期連続の最終赤字に陥り、介護部門を売却した。飛ぶ鳥を落とす勢いだったワタミがいまや経営危機と報じられている。労働者を1人でも過労死に追いやると企業自体の存立すら危うくなる。すべての経営者諸君はこれを教訓としていただきたい。自らの職場でただちに長時間労働・過重労働を撲滅すべきである。

いま、自民党・安倍政権は労働時間の規制緩和として「残業代ゼロ制度」を導入し、8時間労働制を解体しようと狙っている。まさに「365日24時間死ぬまで働け」と労働者を追い立てる制度である。過労死を促進する立法をやめよ。すべての働く仲間は反対の声をあげよう。

最後に、ワタミで働いている皆さんに心からこう呼びかけたい。「ワタミの職場でぜひ労働組合をつくりましょう!」

過労死した森さんは、わずか2カ月でしたが、皆さんの同僚でした。今回の解決がどれだけ高い水準であったとしても、森さんの命は戻りません。遺族が本当に望んでいるのはワタミで過労死を二度と出さないことです。裁判での和解協議でワタミ側がほとんど唯一、遺族の求めを断った事項がありました。それは将来にわたり残業時間の上限を定めることです。ワタミ側の対応に私たちは不満に思いましたが、同時に、今後の課題はやはりワタミで働く皆さん自身が主体となって行動し決めていくべきだと考えました。ワタミの労働者の生活と権利そして命が守られるためにはまともな労働組合が必要です。東部労組は最大限の支援を惜しみません。ともに立ち上がりましょう!
全国一般東京東部労組「ワタミ過労死裁判勝利解決についての声明」

 

声明にあるように、「遺族が本当に望んでいるのはワタミで過労死を二度と出さないことです」し、日本社会から過労死・過労自殺をなくす取り組みが必要です。そして、直面する問題としては、安倍政権が狙う「365日24時間死ぬまで働け」と労働者を追い立てる「残業代ゼロ制度」を許さないことが必須です。そうすると、今は自民党参議院議員として「365日24時間死ぬまで働け」という日本社会を目指しているワタミの創業者である渡辺美樹氏の言説やこれまでのワタミの職場実態等をあらためて振り返りながら、ブラック企業もブラック政治家も許さない取り組みをすすめたいとも思いますので、以下紹介します。

渡辺美樹氏「下流にいれば飯が食えなくなって野垂れ死にするしかない」

 「我々は自由主義を選んだんだから、自由主義社会にすべきで、それはイコール競争社会なんだから下流にいれば飯が食えなくなって野垂れ死にするしかない」

 「ひきこもりに三食届けるからひきこもる。飯を与えなければ這い出してきますよ。」

 (※いずれも雑誌『PRESIDENT』2006年1月30日号、77ページに掲載されている渡辺美樹氏の発言そのままです)

ワタミ正社員の156倍の報酬得る渡辺美樹氏、時給14万5千円

渡辺美樹氏によると、「下流にいれば飯が食えなくなって野垂れ死にするしかない」とのことですが、それでは「上流」にいる渡辺美樹氏はどんな状況にあるのでしょうか? 日刊ゲンダイ2013年7月12日掲載の「5億円マンション暮らし ワタミ渡辺美樹氏の“巨額蓄財”」という記事 によると、渡辺美樹氏は5億円マンションに暮らし、横浜市内に一軒家も持っていて、「配当は、今年も約2億6000万円。恐らく、株式の売却益と配当などで、これまで渡辺前会長には数十億円が入っているはず」とのこと。

一方で、ワタミは正社員でも時給930円。 役員報酬を1億円以内に巧みに抑えている渡辺美樹氏の1年間で得られたお金は、役員報酬は1億円以内なので、配当の2億6000万円をあわせて、とりあえず3億円としておきます。ここでは話を分かりやすくするために単純化し、得られた3億円で比較するとすれば、渡辺美樹氏の年間労働時間をワタミ社員の年間労働時間の2,064時間と同じとして計算すると、時給14万5348円となります。渡辺美樹氏の時給14万5348円は、ワタミ正社員の時給930円の156倍になります。これが渡辺美樹氏が言うところの「下流にいれば飯が食えなくなって野垂れ死にするしかない」社会の現実だということなのでしょう。

◆「ブラックって言われたら一人前」、過労死なくしたい遺族等の願いを「不当な要求」、ブラック企業「なめんなよ」と恫喝するワタミ渡辺美樹氏

▼渡辺美樹氏の「ネットで読めるブラック語録」「365日24時間、死ぬまで働け」(中略)10年後も20年後もこの言葉が飛び交う「ワタミ」でありたい。

四〇度の熱くらいで心まで逃げてしまうような普通の人間は、ワタミフードサービスの幹部としてふさわしくない。

ビルの8階とか9階から、「今すぐここから飛び降りろ!」と平気でよく言う。

営業12時間の内にメシを食える店長は二流だと思っている。命がけで全部のお客様を見てたら命がけで全部のお客様を気にしてたら物なんか口に入るわけがない。水ぐらいですよ

お客様の奴隷になれ。

労災認定の件、大変残念です。四年前のこと 昨日のことのように覚えています。彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました。労務管理 できていなかったとの認識は、ありません。

ワタミは僕が今まで二十九年間つくってきた会社、もう爪の先まで自分のものです。巷では『ブラック企業』と言われているが、本当にふざけやがってと思っている。

「ブラック企業」という一人歩きの言葉でユニクロを含めた一部の企業を叩くのは、これは僕は”ペンの暴力”だと思います。

家庭があるならば、「これから八年間は俺を死んだと思ってくれ。その代わり、その八年が過ぎたら、お前を絶対に幸せにする」ぐらいの覚悟がなければ、男はダメだ。

ニートを持つ親に言いたいのは、働かない者には飯を食わすなということです。そうすれば働きますよ。甘えてるだけです。仕事がない? いっぱいありますよ。ワタミでもアルバイトをたくさん募集しています。仕事を選ぶからいけない。

アルバイトとして雇った部下がいましてね。あのころは僕、そいつの頭を何度もスリッパでひっぱたいていました。それでも十数年はついてきてくれましたが、8年ほど前に辞表を出したんです。追い込まれて、潰れたわけです。

社員には頭を下げて、「ごめん。今月、給料はゼロです」と言ったことが何度もあります。

円高で工場が大変なら、2割位のサービス残業をしなさいよ!

ワタミがワタミであるために…。必要な要素がすべて書かれている理念集。ワタミグループに所属する者がどうして摩り切れるまで読まないことがあろうか。(※理念集には「365日24時間、死ぬまで働け」とある)

よく「それは無理です」って最近の若い人達は言いますけど、たとえ無理なことだろうと、鼻血を出そうがブッ倒れようが、無理矢理にでも一週間やらせれば、それは無理じゃなくなるんです。そこでやめてしまうから「無理」になってしまうんです。全力で走らせて、それを一週間続けさせれば、それは「無理」じゃなくなるんです。

▼ワタミ元社員からの実態告発

 ◆12時間労働、サービス始業・サービス残業は当たり前、急性腸炎で救急車で運ばれる

仕事は、午後4時開店の前の3時から仕込みで開始だが、2時から出勤することもしばしば。午前2時、3時まで働き、11時~12時間労働を超えるのが日常。週休2日が原則だったが、週1日も休めないこともあった。1時間のはずの休憩だが、実態は20分のみ。

Aさんは、駅にいるとき腹部に激痛が走り身体が硬直。指が曲がったまま、第二関節で119番を押して救急車を呼んだ。ストレスが原因の急性腸炎といわれた。労災は申請しなかった。虫垂炎にもなったが、医療費負担と仕事を休むのが不安で手術をしていない。

 ◆異常な長時間労働をしなければ「給与天引き」

「所定勤務重複等調整」と称し、多い月には6万円も給与天引き。
「過労死ライン」の80時間を超える残業をした月でもわずかに引かれており、常識はずれの長時間労働をしても賃金減額になる。

 ◆「研修」と称したボランティア活動を半強制

これは、2012年はじめの26歳女性過労死事件による社会的批判を受けた影響で、労働時間に含まれるようになった。しかし、「研修」の交通費は1,000円以上にならないと請求できなかった。

 ◆自腹で会社関連の本を買わされ、無給でレポート作成が義務
  「慈善事業」に半強制で寄付

「ワタミの森」という植林事業のための寄付は一口100円。「夢プロジェクト」は150円、「スクールエイドジャパン」は一口1,000円。Aさんは当初寄付はしなかったが、研修会の場で、「寄付していない人は残ってここで申し込んでから帰って下さい」といわれ、申し込まざるをえなかった。こういった寄付は、給与から毎月天引き。低賃金の社員からさらにむしりとった「寄付金」で自らのイメージアップをはかっている。

ブラック企業の実態
『しんぶん赤旗日曜版』7月7日号

長時間労働やパワハラなどで大量の若者が退職に追い込まれる――。「ブラック企業」が社会問題化しています。7月21日投票の参院選。若者の雇用問題をどう解決するか、重要な争点です。

 ワタミ元店長が告発
20時間労働、相次ぐ失踪者
創業者・渡辺美樹氏の著書 感想文を義務づけ

「どこまでが拘束時間でどこからが自由時間なのか。そんな概念すらなくなっていた」

こう振り返るのは、ワタミグループの居酒屋「和民」で正社員・店長だった20代の女性Aさんです。

ワタミは、タイムカードによる勤務管理が形骸化。1日14、15時間勤務は当たり前で、繁忙期は20時間近くも。月に1回休めるのは珍しいぐらいでした。

「2008年に自殺した女性の場合、1カ月の残業は141時間。私はそれをゆうに超えていました」

日々の利益目標が先にあって、売り上げに応じて、社員の勤務時間=人件費を操作して利益が出るように帳尻を合わせていた、といいます。

勤務中に倒れて救急車で運ばれても、翌日には店頭にたっていました。

ワタミは、労働者酷使が目に余る実態から、“ブラック企業大賞”にノミネート された会社。グループ創業者の渡辺美樹氏は今回の参院選で自民党の比例候補になっています。

Aさんはわずか4時間の睡眠をも削って、早朝からの“研修”出席を強要され、渡辺氏の著書などの感想文提出を義務付けられました。彼の経営哲学を丸暗記して筆記するテストもありました。

勝つまで戦え、できないと言わない――。

筆記テストで、渡辺氏の“哲学”を一字一句正確に記述できないと、再試験を受けさせられました。

「カルト教団のようでした。社員を使い捨てにする人に政治家の資格はありません」とAさん。

「私は退職できたが、会長に陶酔する人ほど精神を病んでいった。周りで失踪者が相次ぎました。政治はこんな企業を野放しにしていいのか」

▼ワタミで残業月140時間働かされたが
 タイムカードは月45時間が上限、3分の1以下の残業にされる

イシダ(ワタミ元正社員) いやもう最悪ですね。自分の同僚は残業140時間で月300時間も働かされていました。残業は月45時間が上限にされていて、それ以上残業しても会社からタイムカードを打たせてもらえませんでした。実際の残業どおりにタイムカードを打ったら会社の利益にならないからと言われていました。

夕方5時オープンだとすると、午後3時にお店に入って準備をするんですけど、平日だと午後3時から午前3時まで開店して、翌日の準備などで午前4時半とか午前5時に仕事がやっと終わります。休日前だと午前5時が店のクローズなので、午前6時頃に仕事が終わります。それに加えて休日に出勤して残業140時間にもなるのです。それで残業140時間をそのまま申告したら怒られるので、残業45時間と申告させられる。仕事が残業45時間で終わらないことはワタミの上の方は分かっているはずです。それを黙認して働かせているのです。

吉良 残業45時間で終わらないような仕事を与えておきながら、残業代を払わないなんて許せませんね。

 バイトが台風で来られなくなって正社員が穴埋め
 残った唐揚げや焼きそばを5万円も買い取るワタミ社員

イシダ(ワタミ元正社員) 会社からは「お前、別に働かなくてもいいけど店が回らないよ」って言われますね。他に頼る人がいないので俺が働かなくちゃいけないのかな、しょうがないのかなぁみたいなことになってしまうんですよ。洗脳みたいな感じで、みんなをそんな発想にする。それから、休日出勤でよくあるのが、バイトの穴埋めです。無理な形でバイトの穴埋めを正社員にやらせる。バイトの人が辞めても、正社員は逃げられないのでその穴埋めをやらされる。「バイトが台風で来られなくなったからお前来いよ」みたいなことも私自身ありました。バイトの穴埋めすると上からは「今度早上がりでいいから」とか言われるんですけど、早上がりっていっても早くて午前0時で、結局、終電がなくなっちゃってずっと働いてるような状況でしたね。

それと、閉店後に残りものを買わされるというのもある。残った唐揚げとか焼きそばとか食材を店の業績を上がってるというふうに見せるために5万円ぐらい買い取っている人もいました。

 ワタミ社員に寄付強制し
 自分の功績にする渡辺美樹氏

3カ月に1回、理念研修というのがあって、ワタミの理念を今一度確認しようみたいな研修に参加させられます。4人1組で、どんなふうに働いてるかをそれぞれが話して、ミキティ(渡辺美樹氏)の言ってる通りに働いてたら褒められて、そうじゃなければ批判させる。4人1組で自分の経験談を言い合ったりするんですけど、あるとき、夢について語るみたいになって私は、「自分が店長になった店に、家族を呼んでご馳走してあげるのが夢だ」と言ったら上司に「君の夢は小さいねぇ」って批判されました。

それから、上司から「お前、ちょっと、空を飛べよ」って言われたことがあって、それに対して、「空は飛べません」って言ったら、「お前、それはダメだよ。飛行機をどうやって作るかを考えて、その予算を具体的に考えて、私はこうやって空を飛ぶことを実現すると言わなければ、お前それはダメだよ」と上司に言われました。とにかく、「無理」って言わせてもらえないんですね。ワタミはどんなに人が少なくても、どんなに理不尽なことがあっても「無理」とは言わせてくれないですし、言わせないような教育を受けますね。それで月に300時間も働くやつが出て来たり、数万円も寄付をする社員が生まれるんだと思いますね。

寄付っていうのは、ワタミの森プロジェクト、リターントゥーフォレストというのがあって、それの植林事業が月に1口100円です。カンボジアとかに学校をつくるのもあって、それが月に1口1,000円。あと、みんなの夢をかなえたいというプロジェクトがあって月1口100円。毎月、合計1,200円が半強制で寄付させられます。寄付を断る人はマークされたりとか、上司から「あいつはもうダメだな」みたいに言われる。会議の場でも会議資料に寄付の申込み用紙が付いていて、上司に「きょうはこれを書いて帰れよ」と言われたんですけど、私がそれを拒否したら、仕事しているときでもメールで催促されたりとかとにかくしつこいので最後は折れて申し込んでしまいましたね。これは給料から毎月天引きされます。社員に強制しておいて、自分の功績みたいな顔をされるのがたまんないですよね。

紫野 人に強要しておいて何が夢プロジェクトですかっ!

 日本社会全体が「365日24時間働く」ブラック企業化となる
 ワタミ渡辺美樹氏の中央政界進出はとにかくやめて欲しい

イシダ(ワタミ元正社員) 渡辺美樹さんが自民党の方から選挙に出ているじゃないですか。それはちょっと違うんじゃないかなと思いますね。それで本人が投票は「自民党」じゃなくて「渡辺美樹」って書いて投票すれば私が中央政界で仕事ができるようになるんだみたいなこと言ってますけど、あの人が中央政界で仕事するなんて考えられないですね。日本社会全体が「365日24時間働く」のが当たり前になったらとんでもないですね。とにかくやめてくださいということです。

紫野 政治家になったら、無理矢理、自分の夢とか言って、みんなの税金を取られそうだよね。

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学教職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員(教宣部長)、労働運動総合研究所(労働総研)理事、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者、日本機関紙協会常任理事(SNS担当)、「わたしの仕事8時間プロジェクト」(雇用共同アクションのSNSプロジェクト)メンバー。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)があります。

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