アベノミクスの2年間で女性差別賃金は一層悪化しワーキングプアの女性は41万8千人増と過去最悪=安倍政権が実際にもたらしているのは「女性の活躍」でなく「女性の貧困」

  • 2015/10/11
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安倍首相の雇用数に関するウソ発言については、すでに、「安倍首相「雇用100万人増、2年連続賃上げ」→政府統計で「正規雇用74万人減、実質賃金2年2カ月連続マイナス、GDP2年連続マイナス(年率換算)、貧困激増させ戦後最大の大企業・富裕層だけ豊かさ享受」や、「安倍首相の国連発言「女性雇用90万人増」→事実は年平均で正規22万人減・非正規激増、「女性が輝く社会」「1億総活躍社会」=「女性が貧困になる社会」「1億総貧困社会(1%の富裕層のみ豊か)」」で指摘しておきました。今回は、賃金に関してです。

上の表は、国税庁の2014年の「民間給与実態統計調査」の「1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与」の推移です。今の安倍政権は、2012年12月26日に発足していますから、上の表から2012年と2014年を比べてみましょう。(※念のために言っておきますが、平均賃金の実額が少し上がっているからといっても全く労働者の暮らしを改善するものでないことはすでに「アベノミクスの2年で報酬1億円以上の役員は1.4倍増えワーキングプアは49.2万人増加、2014年民間給与の増加は消費税増税分にも遙か及ばず」で指摘済みです)

▼男女の平均賃金の格差(金額)
2012年 234万2千円も女性が低い
2014年 242万2千円も女性が低い
→アベノミクスの2年間で8万円も格差が拡大

▼男性の平均賃金を100とした場合の女性の平均賃金
2012年 53.3
2014年 52.9
→アベノミクスの2年間で女性差別賃金はいっそうひどくなった

それから、同じく国税庁「民間給与実態統計調査」の「1年を通じて勤務した給与所得者の給与階級別給与所得者数」から、年間賃金200万円以下のワーキングプアの人数を男女別に見ると以下になります。

▼ワーキングプアの男女別人数
2012年 男性294万人 女性796万人
2014年 男性301万3千人 女性837万8千人
→アベノミクスの2年間でワーキングプアは、
男性7.3万人増、女性41.8万人増と、女性は男性の5.7倍も増加した

このことを簡単なグラフにすると以下になります。

アベノミクスの2年間で、女性差別賃金はいっそう悪化して、ワーキングプア状態に置かれる女性は過去最悪の人数に達し、2年間の増加数においても過去最悪のものになっています。

安倍首相は、アベノミクスによって、「女性が輝く社会」とか「女性活躍社会」を実現するなどと言っていますが、アベノミクスが実際にもたらしているのは「女性貧困社会」にほかならないのです。加えて、「生涯派遣・正社員ゼロ・3年ごとにクビ切る」労働者派遣法の改悪を安倍政権は強行していますから、安倍首相の言う「1億総活躍社会」というのは、じつは「1億総貧困社会」をもたらすものだと思います。

井上 伸雑誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学教職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)中央執行委員(教宣部長)、労働運動総合研究所(労働総研)理事、福祉国家構想研究会事務局員、雑誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者、日本機関紙協会常任理事(SNS担当)、「わたしの仕事8時間プロジェクト」(雇用共同アクションのSNSプロジェクト)メンバー。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)があります。

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